先生の声かけが、生徒の自信に
~learningBOXで深まる先生と生徒の絆~
「徳島県立つるぎ高等学校」は、工業科と商業科を持つ専門高校です。学習法が分からない、勉強への意欲が少ない生徒の基礎学力を向上させたいと、learningBOXを導入し日々奮闘する先生。本記事は、導入事例ページでは語り尽くせなかった、先生と生徒のlearningBOXを通じた絆の深まりや、学習現場での具体的な変化について、インタビュー形式でお届けします。
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徳島県立つるぎ高等学校教育情報課長山田 修 様担当教科は理科、専門は物理。教育情報科長として、learningBOXの学内普及に尽力。山岳部顧問。 -
聞き手learningBOX株式会社 企画部次長 兼 PdM大谷 智朗
高校現場の “学びのパートナー”として、試験や資格試験対策にも
大谷:実際にlearningBOXを導入されてから、運用開始まではスムーズに進みましたでしょうか?
山田様:はい、とてもスムーズでした。learningBOXのサービス自体は本当に使いやすく、これまでサポートを依頼したことはありません。
大谷:ありがとうございます。特に、高校という環境において、learningBOX導入時に重要視された点があれば教えてください。
山田様:特に、専門高校で取り組んでいる検定試験対策においても、大きな効果をもたらすと考えました。理由は、問題が自作できること、さまざまな形式で出題できることが挙げられます。
検定試験対策においても、演習課題はそう多く手に入るものではありません。各先生方が問題を自作できれば、生徒の自主学習の機会増加に繋がるのではと思ったのです。
大谷:なるほど。部活動や教科指導での活用に加えて、資格試験の対策も想定されているということですね。
山田様:今もちょうど、就職試験真っ只中の時期なのですが、履歴書には資格を記入する欄がありますよね。少しでも就職に有利になるように、多くの資格を取得させたいと考えています。
検定試験では、五肢択一式、四肢択一式などの形式が多いので、learningBOXでの演習がぴったりです。
大谷:資格試験対策としては、大学等でも活用実績がありますので、ぜひお役に立てるかと思います。
課題の進捗把握や正答率の活用が、指導の深化につながっている
大谷:先生が、learningBOXを日々ご利用いただく中で、「ここが使いやすい」「この機能が便利だ」と感じる点はどのようなところでしょうか?
山田様:生徒の「進捗状況」がリアルタイムで確認できる点が本当に便利です。learningBOXを使う前の学習課題といえば、ワークやプリントを配布して提出させるといった方法でしたが、この場合だと、提出するまで生徒がどのくらい取り組んでいるのかが見えません。
learningBOXだと、途中経過も見ることができますので、提出日が近づいているのに、ほとんど進んでいない生徒には、締切前に声かけを行い、期日に間に合うように指導することができます。
また、問題によって正答率も確認できますので、生徒の理解が十分な問題と、理解が深まっていない問題を把握し、今後の学習指導に反映させることができます。これらは、先生にも、生徒にとってもメリットがあると強く感じます。
生徒の頑張りがすぐに確認できるので、声かけしやすく、それが生徒のやる気にもつながっていると感じます。
大谷:生徒さんも“きちんと見てくれている”という安心感を持つことができて良いですね。では、learningBOX導入後に、何かお困りのことや、さらに改善してほしい点はありますか?
山田様:やはり、問題作成の手間が一番の困りごとですね。有料で良いので、問題作成サービスを活用できると、learningBOXを利用する先生も増えてくるかもしれません。自分が携わったコンテンツに、生徒が取り組んでいる様子を見れば、困難も乗り越えてくれると思っています。
また、評価に利用するため、生徒ごとの成績の伸び率などがCSVで簡単に出力できることが希望です。クラスごとの正答率などの表示や、学校現場での利用を考えると出席番号があると集計に便利ですよね。
さらに、テキストでの問題作成をよく使っているので、公式ホームページでさらに詳しい解説を希望します。
大谷:確かに、出席番号も紐づけられると管理しやすいですね。ご要望は社内に持ち帰り、検討を進めてまいります。
くり返し学習により、演習の質が上がったと実感。テストの点数にも変化が

大谷:先生がよく使われるlearningBOXの機能や、出題形式について教えてください。
山田様:基本的には「択一問題」が多いのですが、用途によって「記述問題」や「並び替え問題」、「穴埋め問題」、「複数記述問題」なども使っています。いろいろな形式の問題を作成できるのがとても良いと思います。
達成率が100%になるまで、同じ問題を繰り返し解く(マスターモード)ことで、知識を定着させることができますよね。
大谷:learningBOXを活用されている先生方は約2割ということですが、他の先生の活用状況はいかがでしょうか?
山田様:最近では、社会科担当の若手の先生が活用されています。learningBOXを使って、テスト前に生徒に演習をやらせてみたら、全体的にテストの点数が上がりすぎてしまい、難易度の調整も必要かなと話しています。
知識の土台を築いたり、応用力を養ったりもできるので、社会とlearningBOXは相性が良いと思います。
他の先生方にも使っていただくために、learningBOXの活用を広げる活動に尽力しているところです。
大谷:効果は抜群ですね。ちょうど良い難易度に問題を設定するのもなかなか難しいですね。先生ご自身は、learningBOXを使っている時と使っていない時との生徒さんの正答率に差を感じますか?
山田様:はい。例えば、細胞のパーツ名など、単純な記憶問題は正答率が上がります。しかし、授業ではやったけれども、learningBOXでは出題していないという問題だと、正答率がぐっと下がります。
生徒たちも、learningBOXをやっていればある程度は点が取れるし、やっていなければ点が取れないということを実感しているようです。繰り返し取り組むことで、問題演習の質は上がったと感じています。
大谷:良い流れができてきていますね。
教員間で広がるlearningBOX活用と教材づくりの工夫
大谷:生徒さんの反応は良さそうですが、他の先生方には、learningBOXの活用について、どのような働きかけをされていますか?
山田様:まずは、4月に新しく赴任された先生方に、このようなサービス(learningBOX)を利用していると説明しています。個人的に興味を持っていただいた先生には、個別で詳細をご説明しています。
現在も、何名かの先生が新たに使いたいと言っていただいています。校長先生もlearningBOXを推進しましょうと言っていただいているので、若手の先生を中心に、研究会のような組織を作りたいなとも考えています。
大谷:若手の先生から、どんどん活用が広がってほしいですね。learningBOXをお使いいただいている、医療系の大学では、LMS研究部会という組織を結成されています。先生同士で、活用事例などを共有されていますよ。
山田様:私自身は、先生方が問題作成時に活用いただけるようなフォーマットを作成しているところです。そして、他の先生方にも参考にしていただけるように、幅広いコンテンツ作成に尽力したいと考えています。
問題の数をたくさん用意しておけば、生徒は自分のレベルに合った問題(コース)を選んで学習できるようになりますよね。やはり教員の努力は少なからず必要ですが、生徒の反応は良いので、ぜひ頑張りたいと思っています。
繰り返し学習で理解度が深まり、モチベーションも向上

大谷: learningBOX導入の前後で、生徒さんの変化はありましたか?
山田様:学習方法が分からない生徒が多かったのですが、learningBOXを活用することで、ポイントが分かってきたと思っています。課題のラインも明確に見えるので、生徒が非常に取り組みやすくなったと感じます。
以前は、ワーク課題だけだと、解答をそのまま写して終わってしまう生徒がいました。真面目な生徒でも、一生懸命問題を解いて、間違ったところを赤ペンで直して終わっていました。
しかし、learningBOXは達成率が100%になるまで、繰り返し出題されるので、勉強の質が上がったと思います。生徒がモチベーションを持って勉強している様子が見えるようになったのは大きな変化です。
大谷: それはうれしい変化です。生徒さんとのコミュニケーションの方法も変わりましたか?
山田様:はい。先述のように、提出期限が近いのに全然進んでいない生徒が分かるので、「大丈夫?できてないよ」と声をかけています。
そして、きちんと学習を進めているのが確認できたら、担任の先生に「〇〇くんに、ちゃんとできているね」と伝えてあげてください、とお願いすることもあります。そうすると生徒はとても喜びます。
大谷:先生は、本当によく学習状況を確認されているんですね。
山田様:勉強が苦手だったり、学習方法が分からなかったりする生徒は、やるのを忘れてしまっていることが多いです。そうした生徒に一言声をかけるだけで、優先順位が上がり、やってくれるようになります。生徒も見てくれていると分かってくれます。
長期休暇中に、期末テストで成績が振るわなかった生徒に対して、個人的に補習として課題を出したことがあります。担任の先生を通じて連絡してもらったのですが、学校に補習を受けに来なくても、自宅でスマートフォンでできるのが良いですよね。
大谷:場所を問わないのは、eラーニングの大きなメリットですね。生徒さんは、皆さんスマートフォンを利用されているのですか?
山田様:学校から配布されたタブレット端末よりも、個人のスマートフォンを利用している生徒が圧倒的に多いです。
「分からん」から「できた!」へ。learningBOXが引き出す生徒の潜在能力
大谷:learningBOXを導入したことで、自主的に学習する生徒さんは増えましたか?
山田様:増えたと思います。勉強が苦手な生徒でも、一生懸命取り組んでいます。自習時間だとボーっとしていたり、寝ていたりする生徒もいますが、learningBOXで課題を与えると、誰がどこまでやったかが見えるので、サボれないんですよね。
他の生徒の進捗状況をちらっと見て、「あの子はもう何パーセントまでやったから、僕も頑張ろう」と、競い合う気持ちも生まれているようです。
これまでは、テスト前に提出すべき課題を、テスト後に提出する生徒もいましたが、learningBOXで「公開期間」を設定しておくと、アクセスできなくなるので、期限までに必死に勉強するようになりました。
大谷:確かに、取り組んでないとすぐに分かってしまいますね。learningBOXにまつわる生徒さんとの印象的なエピソードはありますか?
山田様:先述のとおり、理解度が%で表示される「マスターモード」を活用しているのですが、生徒たちとゲーム感覚で楽しみながら取り組むこともあります。
にぎやかなクラスでは、リアルタイムで進捗を見ながら「○○さんは何%到達している」「□□くんはクリア」などと実況すると、「えー!」「おぉー」などとても盛り上がって、負けじと取り組んでくれます。理解度が可視化できるので、生徒たちも達成感があると思います。
これは余談ですが、過去に文化祭でlearningBOXを使ったクイズ大会を開催したことがあります。
大谷:それはとても楽しそうですね。実際に生徒さんからはどのような声がありますか?
山田様:「間違った問題を繰り返し学べるのが良い」や「苦労した分、テストで良い点が取れる」といった声があります。最初は「なんやこれ、全く分からんわ」と文句を言う生徒もいましたが、間違いがすぐ分かり、正解するまで繰り返すので、やりがいを感じているようです。
実は生徒から、learningBOXを導入していない授業にも、「ぜひlearningBOXを取り入れてほしい」という要望も結構あるんです。先生方から、「生徒に、learningBOXを活用してと言われました」という話を聞くこともあります。
大谷:生徒さんからの強い要望があるんですね。このような所から、少しずつでも広げたいですね。他にも生徒さんからのご意見やご要望はありますか?
山田様:実は、今回インタビューを受けるにあたって、私の担当している四十数名の生徒に、learningBOXの使用感を聞く簡単なアンケートを実施しました。その一部の声を紹介しますね。
使用して良かった点を教えてください、という問いでは、「テストで平均以上の点数が取れるようになった」「家に帰ってもスマホで勉強ができるのが良かったです」「化学・生物基礎のテストの成績が上がった」「何回も復習できて、便利」「テストのときにすぐに思い出せた」などの回答がありました。
改善してほしい点を教えてください、という質問には「未回答の問題の表示をもっと見やすくしてほしい」「達成率をもう少し分かりやすくしてほしい」「次の問題に進むときに問題を飛ばすことがある」などの声が挙がっています。
大谷:ご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。生の声が聞けて、とても参考になります。いただいたご要望については社内で共有し、今後の検討材料とさせていただきますね。このたびは、貴重なお話をいろいろとお聞かせいただき、誠にありがとうございました。
インタビューにお応えいただき、ありがとうございました!
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