介護×eラーニング|ベネッセの介護の知見を結集。人手不足や育成課題に寄り添う
介護事業を中心に、全国で350以上の有料老人ホームを運営する「株式会社ベネッセスタイルケア」。同社では、learningBOXを活用し、介護事業者向けeラーニングサービス「care hint」(ケアヒント)を展開しています。その立ち上げ背景にあったのは、人材が定着しにくい介護現場で、スタッフが置かれている現実と、忙しい日々の中で学ぶことの難しさに向き合いたいという想いでした。今回は、導入の経緯やシステムの使用感、介護現場におけるリアルな事例にこだわったコンテンツの内容、さらには介護×eラーニングの可能性についても語っていただきました。
- 介護現場では、研修のために職員を集めることが難しいのが現状。さらに、資料準備やシフト調整など、対面研修の実施に伴う管理者側の負担も大きい
- 受け入れ体制や入社時研修が属人化・場当たり的で、OJTが十分に行えていない
- 「聞きたいけれど忙しそうで聞けない」不安を、現場で抱え込むケースが少なくない
- サービスを導入した事業所では、研修準備や実施の手間が減り、業務効率化につながった。受講履歴が可視化され、レポート提出も含めてオンラインで完結できるように
- 何度も見返せるeラーニング学習で、均一かつ個人のペースに合わせた学びが可能に
- 未経験者の定着支援、資格取得を支援する「福利厚生」としての活用も広がっている
- ID登録にメールアドレスが必須ではないこと、独自ドメインで運用できること
- パソコン・スマートフォンに不慣れな職員でも迷わず操作できると感じた
- learningBOX担当者の事業理解の速さと的確な提案力
- 必要な機能が揃い、価格面も含めて総合的にフィットした
介護現場の課題から生まれた「care hint」
まずは、御社の事業内容とご担当者さまの業務内容をお伺いできますでしょうか?
上原様:当社は、全国で350カ所以上の有料老人ホームを運営しており、介護事業を中心に福祉分野でいくつかの事業を展開しています。私は「care hint」の事業責任者として、全体の統括やコンテンツ作成に携わっています。
吉野様:私は、カスタマーサクセスのリーダーとして、お客さま対応を中心に、集客やシステム周りも含めて担当しています。
御社が企画・運営されている、介護事業者向けeラーニングサービス「care hint」は、どのような背景で立ち上がったのでしょうか。
上原様:直接のきっかけは、ベネッセグループ内のビジネスコンテストで最優秀賞をいただいたことでした。このようなサービスを展開したいと考えた背景には、以前から感じていた介護業界の課題があります。
これまで、介護職の採用や人材事業に携わる中で、人手不足によって研修が十分に行えず、その結果、人が定着しないという負のループを何度も目の当たりにしてきました。せっかく介護業界に入ってきた方が、十分に教わる機会を得られず、介護の楽しさを分からないまま辞めてしまう状況を、何とかしたいと考えていました。
こうした課題を事業として解決できないかと考えたことが、「care hint」立ち上げの出発点です。
「介護の楽しさ」はどのようなところにあるとお考えですか?
上原様:当社の「その方らしさに、深く寄りそう。」という理念がありますが、介護の楽しさは、お一人おひとりが歩んできた人生や背景、そこにある想いに触れられること、そして伴走できることだと考えています。
介護は決められた作業をこなす仕事ではなく、その方が「どう生きたいか」を考え、想いをくみ取りながら適切に支援することが求められる専門性の高い仕事です。
ご本人、ご家族や多職種と連携しながら、その方らしい生活を支える過程に、プロフェッショナルとしてのやりがいと奥深さがあります。
伴走してくれるパートナーだと感じ、learningBOXに決めた
eラーニングシステムという手法を選ばれた理由を教えてください。
上原様:介護施設では、24時間365日体制でサービスが運営されており、訪問系サービスにおいても直行直帰で勤務する職員が一定数存在します。そのため、研修のために職員が一堂に会することは非常に難しいのが実情です。出席できなかった職員のために、同じ内容の研修を何度も開催している事業者さまもおられます。
このような働き方を考えたときに、いつでもどこでも学習を進められるeラーニングが良いのではと考えました。
learningBOXを知ったきっかけと、どのような条件のシステムを探されていたのかをお聞かせいただけますでしょうか。
上原様:知ったきっかけは、グループ会社からの紹介です。ID登録の際に、メールアドレスの入力が必須でないことが重要な条件でした。
介護現場では個人のメールアドレスを持っていない職員の方も多く、メールアドレスの取得や管理自体が導入のハードルになってしまうケースが少なくありません。
また、40代〜50代の方がメインユーザーになるため、デバイス操作に慣れていない方でも、ストレスなく動画を視聴できることも大切なポイントでした。
learningBOX導入の決め手となったポイントはどのような点でしょうか?
上原様:ご担当者の方の事業理解の速さと、的確な提案力が大きな決め手でした。新規事業ということもあり、まだ運用イメージや機能要件の整理が十分でない部分もありました。しかし、私たちの話を丁寧に聞きながら課題を一緒に整理し、「このような運用が良いのでは」といった具体的な提案をしてくれてくれたことで、安心してお任せできると感じました。
迅速なサポート対応と、機能開発に柔軟に対応できる仕組みが優れている
システム検討からlearningBOX導入、そして運用開始までの間でどの過程が大変でしたか?
吉野様:導入を決めてから、システム面で大きくつまずいた点は特にありませんでした。どちらかというと、新規事業ということもあり、サービス設計と、どのようにお客さまに運用していただくかのイメージを持ちながら、多数あるlearningBOXの機能を整理していくことに時間をかけました。
特に、介護事業者さまに導入を検討していただく際、「自分たちでは使いこなせないかもしれない」と感じさせてしまうことは、もっとも避けたいことでした。
learningBOXを使ってみて、使いやすい点や便利だと思う点について教えてください。
上原様:一番は、多機能であることですね。新規事業なので、お客さまからのご要望にスピード感を持って応えていく必要があるフェーズですが、必要な機能は全て揃っているというというのが素晴らしいと思っています。
learningBOXの営業、サポートの対応はいかがでしょうか?
吉野様:IDの追加は、即日や翌日には対応していただけていて、無駄のない運用ができています。分からない点についても、すぐに回答をいただけるので助かっています。
機能の調整をしたいときも、SaaS(インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービス)なので、自社で開発する必要はありません。こちらの意図や要望を伝えた上で開発できるかどうかの相談ができます(N1開発)。その柔軟さは心強いですね。
「N1開発(旧称:特急開発)」とは
learningBOXでは、有料で希望する機能の開発を依頼できる仕組みのことを「N1開発」と呼称しています。ただし、特定の企業のための特別機能ではなく、標準化した機能として開発を行うため、共用環境を利用しているユーザーも活用できるように機能が解放される仕組みとなっています。詳細は弊社サポートまでお問い合わせください。
“分かりやすく、短く”。現場で使われることを最優先したコンテンツ設計

「care hint」の特徴、コンテンツのこだわりポイントについて教えてください。
上原様:シナリオには、かなりこだわっています。約30年にわたって、介護事業に携わってきた当社だからこそのノウハウや、実例を多く詰め込んでいます。そして、もう一つ大切にしているのが、「とにかく分かりやすく、短く」という点です。
吉野様:意識したのは、視聴のハードルをとにかく下げることです。基本は2分〜3分としています。「まずは再生してもらう」ことが何より大事だと思っています。
上原様:介護技術の動画撮影では、6台のカメラを使い、手元や体の動き、足元、体重移動まで死角なく撮影しています。アニメーションを使うなど、楽しく見られる工夫も盛りだくさんです。
反響の大きかったコンテンツについて教えてください。
上原様:やはり、圧倒的にニーズの高い法定研修の動画が分かりやすいとご好評いただいております。当社の事例をベースにコンテンツ制作していることも、共感していただきやすいポイントです。
さらに、介護福祉士国家試験やケアマネジャー試験の資格取得対策動画も人気です。
ケアに迷ったときに、ヒントを渡せる存在でありたい
「care hint」のネーミングに込めた想いについてお聞かせください。
上原様:介護は、ご本人の心身の状態やご家族の想いによって、最適な支援が変わっていくものだと思っています。だからこそ、「これが正しい」と断定するのではなく、ケアに迷ったときに「こんな方法もある」「こういう考え方もある」とヒントを渡せる存在でありたい、そうした想いでこの名前にしました。
キャラクターの「ヒンティ」についても教えてください。
上原様:「ヒンティ」はリスをモチーフにしています。リスは“森の一番の働きもの”というイメージがあり、親しみやすくて気軽に受け入れてもらえる存在を目指しました。

実際に「care hint」のコンテンツを受講されている方からは、どのような声が寄せられていますか?
吉野様:「短時間でも要点が押さえられていて分かりやすい」「イラストが多く、気軽に見られる」といった声を多くいただいています。学習者に考えてもらうような構成の動画もあり、一方的な内容になりにくいという点も評価されています。
上原様:意外だったのは、学習者の方から使い方についての質問を受けたことがないことです。管理者の方からは質問をいただくことはありますが、学習者の方には「直感的で分かりやすい」「検索しやすい」と好評で、learningBOXのシンプルなUIにして正解だったなと思っています。
導入して見えた「介護×eラーニング」の可能性
learningBOXを導入したことで、どのような効果が得られましたか?
上原様:「care hint」を導入いただいた介護事業者さまの、研修業務の効率化に貢献できていると感じています。
「care hint」を導入したことで、研修資料の作成や研修の実施方法を毎回考える必要がなくなったことが大きいとお声をいただいています。レポート提出も含めてオンラインで完結できるようになり、受講履歴も可視化されるので、「きちんと研修を受けているか」が一目で分かるという点も、好評をいただいています。
効果の他に、learningBOX導入による変化はありますか?
上原様:実際に現場で働く方からいただいた声で、「自分は50歳で、職場には若いスタッフが多いです。業務に慣れていない中で、忙しい先輩を残業させるわけにはいかず、不安を感じていました。『care hint』がなかったら、不安で押しつぶされていたと思います」といった声を聞いたときは、やってきて良かったと感じました。
吉野様:採用や育成の場面でも、活用が広がっています。新卒や中途採用の面接時に、「care hint」の一部の動画を育成コンテンツとして見てもらうと、特に未経験の方から良い反応をいただくことが多いようです。
また、上長の方が1on1の場で「この動画を見てみて」とスタッフ一人ひとりに合わせて提案しているケースもあると聞いています。
福利厚生や、人材育成の一環として使われるようになっています。人事制度と「care hint」を連動させて活用している例もあり、良い変化が生まれています。

learningBOXの導入を通じて、新たな気づきなどはありましたか?
上原様:正直なところ、介護技術とeラーニングはあまり相性が良くないのではという懸念もありました。実際に使ってみて、今は非常に相性が良いと感じています。
方法だけでなく「なぜそうするのか」といった背景まで含めて理解できると、応用が利きますよね。
吉野様:1回見ただけでは全て覚えきれない、という前提に立つと、繰り返し見られる仕組みは理にかなっていると思います。eラーニングを通して、いつでもどこでも学習を進められることの価値は大きいと感じています。
コンテンツ拡充と機能強化で、より使われるサービスへ
今後の展望についてお聞かせください。
上原様:引き続きコンテンツを拡充しながら、お客さまの声を反映した機能の強化を進めていきたいと考えています。特に多言語対応については要望が多く、今後は英語、ベトナム語、インドネシア語、中国語、ミャンマー語などへのコンテンツ内容の対応を予定しています。
吉野様:AIの活用にも期待しています。現場の負担になっている業務を自動化できれば、現場での使われ方はさらに広がっていくと感じています。
インタビューにお応えいただき、ありがとうございました!
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