導入事例
シンギュラリティバトルクエスト実行委員会
(一般社団法人未来キッズコンテンツ総合研究所)
次世代のAIアスリートを輩出!
誰でも参加できるオンライン大会へ!
一般社団法人未来キッズコンテンツ総合研究所 研究開発本部 部長エグゼクティブ プロデューサー 武藤 裕介 様
【CQ】サイバークエスト 競技開発担当 株式会社日立ソリューションズ·クリエイト
セキュリティサービス部 技師 白坂 理佳 様
2021.7.7
正式大会名は、全国高校AIアスリート選手権大会「シンギュラリティバトルクエスト」。未来を創造する素質者·能力者として、総合的なAI/ICTのスキルを磨き上げた「AIアスリート」となる高校生を発掘·育成し、その頂点を決める競技大会です。一昨年2019年、第0回大会のパイロット版はオフライン大会として開催。昨年2020年第1回大会より、コロナ禍の影響から完全オンライン制となりました。第2回となる2021年大会は、8月29日(日)に地区予選、11月に2次選考、12月26日(日)に決勝を開催予定。
大会URL:https://singularitybattlequest.club/
- 多人数の回答を短時間で正確に採点しなければならない。
- コロナ禍の移動制限があるなかで大会を開催したい。
- 参加者の情報を一元で管理したい。
- ネットワークが不調の際にも対応できるようにしたい。
- 国際大会を開催できる競技会のプラットフォームに発展させたい。
- 受験者の人数に関わらず、瞬時にミスなく採点が可能。
- 他の大会が中止になるなか、すべてオンラインでの開催を実現し、ハイレベル校も参加。
- エントリー時から参加者の情報をすべてデータベース化。
- スマホで参加することでネットワークの不調もクリア。
将来のAI/ICT分野を担う若者たちの登竜門
━ まずはじめに、「シンギュラリティバトルクエスト」についてお教えいただけますでしょうか。
“ギーク系”高校生たちが知識・スキル・チームワークを競う次世代型の「競技会」です。
[武藤様]
高校生が放課後等に参加する部活動は、野球部やサッカー部、バスケット部などの体育会系と、演劇部や美術部、吹奏楽部など文化部系に分かれると思いますが、パソコン部やプログラミング部、最近ではeスポーツ部など、コンピューターを駆使して活動する部活動を「ギーク系部活」という新しいカテゴリーとして扱い、ギーク系部活で活動する高校生のインターハイ的な大会として2019年から開催しているのが「シンギュラリティバトルクエスト」(以下、「シンギュラ」)です。
私は実行委員長を務めています。ギーク系高校生を対象としたコンテストや大会としては、NHKの「ロボコン」や各種のプログラミングコンテスト、経産省主催で国家資格の「ITパスポート」など様々な機会がありますが、シンギュラは「AI/ICT」をテーマに、情報技術分野において国内最先端の企業が開発したAI/ICT競技で、スキルとチームワークを完全オンラインで競う次世代型の「競技会」です。
シンギュラでは【AQ】AIクエスト、【CQ】サイバークエスト、【DQ】データクエスト、【RQ】ロボクエスト、【XQ】Xクエストの5種目の競技を「ホモ·デウス世代のペンタスロン(五種競技)」と提唱し、3人1チームで挑戦する競技形式になっています。
そして、白坂理佳さんには、ネットワークやサイバーセキュリティをテーマにした競技【CQ】サイバークエストの競技開発、選手指導、競技解説者としてご協力いただいております。
━ なるほど。いろいろな種目に分かれているのですね。白坂さんが携わっておられるサイバークエストについてお教えいただけますか。
サイバーセキュリティに関する知識と技術をCTF形式で競う競技です。各チームの戦略も見どころです。
[白坂様]
サイバークエストはセキュリティに関する知識と技術をCTF形式で競う競技です。
CTFとは「キャプチャー・ザ・フラッグ」の略で、さまざまなジャンルの問題を出題し、その問題からフラグと呼ばれる正解の言葉を見つけ出します。フラグを見つけ出すと、問題に応じた得点を獲得でき、獲得した合計点を競います。
問題によって難易度が異なり、難しい問題ほど高い得点が割り当てられています。また、正解者数に応じて問題の得点が減っていくため、簡単な問題ばかり解いてしまうと順位が下がっていくこともあり、チームの戦略も試されます。
━ 日立グループが保有する「日立サイバーセキュリティセンター」についてもお教えいただけますか。
日立グループの社員が、最先端のセキュリティ知識や技術を学ぶための施設です。
[白坂様]
日立製作所、日立ソリューションズ、日立ソリューションズ・クリエイトの3社共同で開設した施設となっています。
日立グループの中で、高度なセキュリティの知識や技術を持つ人材を育成する一環で設立しました。
最新のサイバー攻撃に関する研究内容をもとにした研修を開催するなど、日立グループの社員のセキュリティに関する知識や技術を向上させるために利用しています。
第0回のシンギュラの際には、ここに高校生の皆さんに集まっていただいて、決勝を前にサイバークエストとAIクエストの講習会をひらきました。
高校生の皆さんにとっても、このような施設があることを知る良い機会になったのではと思います。
━ 日立ソリューションズ・クリエイト様がシンギュラに協力されるようになった理由は何だったのでしょうか?
この大会をきっかけに、将来、ICTの分野で働く人材が増えれば良いと考えています。
[白坂様]
人材育成に貢献したいということが強いです。
世界的にサイバーセキュリティの重要性が高まる中、日本ではセキュリティやAIはもちろん、ICT人材が不足するのではと言われています。高校生のみなさんが、このようなイベントに参加することで、身近にあるサイバーリスクやセキュリティの重要性を知ってもらうことができます。また本イベントをきっかけにICT分野に興味を持ち、将来、ICT分野のお仕事に就くかもしれません。
━ 人材育成という点でも非常に意義が深いということがわかりました。そんな大会に、弊社のlearningBOXが導入されたきっかけは何だったのですか?
CBTの活用を前提としているなか、希望にぴったりのlearningBOXを紹介されました。
[武藤様]
2019年の第0回大会は予選会場に参加者を集めてオフラインで開催しました。
実はこの予選大会でも将来的なオンライン競技会への準備として、learningBOXを使用しました。
シンギュラの前身として2017年から小学生向けのプログラミング競技会「GPリーグ」を開催しておりますが、その地方予選で数百名の小学生の解答用紙を短時間で正確に採点しなければならず、非常に苦労してきた経験から、高校生向けの競技会にはCBTを活用しようと考えておりました。
知人からlearningBOXを紹介され、龍野情報システムのご担当者から説明をいただきましたところ、シンギュラにぴったりだと感じ、採用させていただきました。
━ 実際に使用してのご感想をお聞かせください。
CBTによる作業効率化はもちろん、オンラインなのでコロナ禍でも無事開催できました。
[武藤様]
CBTなので当然なのですが、受験者の人数に関わらず「瞬時」に「ミスなく」採点が行われることは、人海戦術で数百人の採点作業で苦労を経験してきた私たちにとっては、まさにRPA導入の恩恵を受ける感動的な体験となりました。
ただ、この時点では、現在の新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るうことになるとは、まったく想像もしていませんでしたので、さらなる感動と感謝はこの後のことになります。
翌年2020年に開催の第1回大会では、新型コロナウィルスのパンデミックが宣言されたことで、学校の休校や部活動等が制限され、スポーツイベントだけでなく、予定されていた数多くコンテストや大会が中止となりました。
そんな中、シンギュラはlearningBOXの特徴を最大限に活用し、参加選手が自分の高校の部室から予選に参加できる競技環境を整備することで、無事大会を開催することができました。
昨年は第1回ということで全く無名の大会でしたが、山形県のS高校や埼玉県のU高校など、情報処理系の大会の上位校にご参加いただくことができたのは、例年参加しているコンテストや大会が新型コロナの影響で中止となった中、シンギュラがオンラインで開催されることを知り、はじめてだけど参加したとのお話を聞き、learningBOXを導入してよかったと、改めて感じました。
━ タイミングも良かったということですね! その他、重宝した機能などございますか?
学習履歴の管理から予選問題の実施・採点までlearningBOXで完結。スマホ対応も助かりました。
[武藤様]
シンギュラでは、競技参加者の登録からlearningBOXを活用しています。
氏名、メールアドレス、都道府県、学校名、学年など、必要な情報を登録の際に参加者自ら入力していただくことができますし、その情報をもとにデータベースを作成して、学習履歴の管理から予選問題の実施·採点まで、すべてをlearningBOXで完結できるので、非常に高機能で使い勝手が良いと感じています。
シンギュラには5つの競技種目があり、それぞれ参加する選手が違いますので、選手をあらかじめ競技ごとにグループ分けして、お知らせ管理機能+タイマー設定で決められた時間に必要事項を競技別にご案内ができる機能がとても便利でした。
また、これは正規のつかい方ではないのかもしれませんが、個別の選手からの質問にもメッセージボックスを活用することで、混乱することなく、競技ごとのFAQを構築、共有、蓄積することができました。
それから、昨年想定外でしたが感謝しているのは、機能が完全にスマートフォン対応していることでした。
参加校のうちの1校が、予選当日ネットワークの問題で学校のPCが使えなくなるという問題が発生したのですが、現場の先生の判断で参加選手は自分のスマホから予選に参加することができました。
そして、そのチームは決勝大会で上位入賞を果たしたのです。
learningBOXがスマホ対応していることのおかげだと、主催者として本当に感謝しています。
問題作成作業に関しましても選択問題やプルダウンは当然ですが、ドラッグ&ドロップで回答できる穴埋め問題や、表現の揺れを吸収する記述問題も作成できるので、一度操作に慣れてしまえば、紙のテストより短時間で問題作成ができるので助かります。
また、まだ試していませんが、Pythonも動かせる機能があるとのことですので、次回の大会での出題も検討しています。
━ まだまだ進化させる余地があるということですね。2021年大会が楽しみですね。
参加者は大きく伸びると予測。日本に住む高校生全員が参加できる大会へ。
[武藤様]
2021年度大会では全国47都道府県の教育委員会に対して後援申請を行っておりますので、参加者数が大幅に伸びると予測しています。以前の大会の場合、参加者数が確定してから問題と解答用紙の印刷を手配して、各地の会場に配送していましたが、CBTでは印刷物の制作と配送業務が全くないので、作業が10分の1、100分の1になっただけでなく、費用も大幅に削減できるので、これまでの印刷費+配送費をプロモーションなど別の目的にまわすことができました。
また一方で、シンギュラはAI/ICTのスキルを競う大会ですが、一段階上のミッションとして「学習格差の解消」を目指しています。
昨年までは3人1組でエントリーするチーム参加のみでしたが、今年から個人参加もできるように規約を改正しました。
ギーク系部活に所属していなくても、通信制の高校でも、夜学でも、自宅からでも、地方からでも、へき地からでも参加できます。もちろん性別も学年も障害の有無も関係ありませんので、特別支援学校高等部の生徒も大歓迎!日本に住む高校生で、参加したい意欲とネットにつながるPCかスマホがあれば、だれでも参加できるオンライン大会を目指していますので、是非、気軽にエントリーしてください。
━ 最後に、learningBOXのについてご意見をいただけますでしょうか。
龍野さんならいつでも親身になって相談に応じてくれる。本当に信頼できるビジネスパートナーに出会えたと確信しています。
[武藤様]
learningBOXを導入して、インターフェースの使いやすさには感謝しています。サービス提供者として、作問、成績のチェック、選手の管理など日々の業務もスムーズなのはもちろんですが、ユーザー向けのインターフェースも丁寧にデザインされているので、操作ミスや迷子になることも少ないようです。
あと、一番重要なのは操作で困ったときのアフターサービスです。業務上の操作等で躓いたときに、龍野さんの担当者がすぐに対応してくれますので、ユーザーへのサービス向上にもつながります。
シンギュラでは今後の大会サービスをスケールアップさせるために、様々なカスタマイズを検討していますが、龍野さんの担当者さんがいつでも親身に相談に応じてくれますので、本当に信頼できるビジネスパートナーに出会えたと感謝しています。
これからも末永くよろしくお願いします!
━ あとがき
今回の「シンギュラリティバトルクエスト」(未来キッズコンテンツ総合研究所様)の導入事例インタビューはいかがでしたでしょうか。 「AIアスリート」の呼称のごとく、次代を担う若者たちが才能と技術を本気で試すこのイベントは、これからさらに注目されていくことでしょう。 高度なレベルを求められる大会で、learningBOXのさまざまな機能を活用いただき、嬉しさとともに身が引き締まる思いです。 将来、AI/ICT分野で活躍する多くの人材が羽ばたいていけるよう、これからも尽力させていただければと思います。 この度は、お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。
武藤裕介様、白坂理佳様、インタビューにお応えいただき、ありがとうございました!