中国のEdTech市場について
中国のEdTech市場について
今年の冬は暖冬ですね。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
早速ですが、今回は、中国のEdTech市場について調べてみました。
目次はこちら
- 1. 中国のEdTech市場がアツイ。
- 2. 中国のEdTech分野のユニコーン企業一覧
- 3. なぜ中国では、これほどEdTech市場が伸びているのか?
- 4. 今後のEdTech市場
中国のEdTech市場がアツイ。
EdTechとは?
現在、中国のEdTech市場は、大変勢いがあるようです。
EdTechとは、Education × Technology を組み合わせた造語で、教育分野にテクノロジーを取り入れイノベーションを起こす取り組みのことです。テクノロジーを既存産業に取り入れ、新しい価値を生み出すことをX-Tech(クロステック)と呼び、EdTechは、X-Techの一つです。
※X-Techには、FinTech(金融)、MedTech(医療)、AdTech(広告)、HRTech(人材)、AgriTech(農業) 、LegalTech(法律)など様々な分野があります。
ユニコーン企業の多くが中国発!
どれほど中国のEdTech市場に勢いがあるかと言うと、世界のEdTech分野のユニコーン企業14社のうち8社が中国の会社です(約57%)。その他は、アメリカの5社、インドの1社になります。
※参照: Holon IQ 2020年1月6日の記事参照
ユニコーン企業とは、企業の評価額が10億ドル(約1250億円)以上で、起業10年以内、非上場のベンチャー企業を指します。つまり、14社のうち8社が中国企業という、この数字は成長分野の1つの指標として考えられるでしょう。
中国のEdTech分野のユニコーン企業一覧
中国のEdTech分野のユニコーン企業一覧 (2020年1月現在)をご紹介します。
VIPKid
北米の講師とのオンライン英会話教室サービス
猿辅导 Yuanfudao
オンラインチュータリングや子供向け数学・英語サービス
小盒科技 Knowbox
AI教師活用オンライン教育
iTutorGroup
北米の講師とのオンライン英会話教室サービス
掌門 Zhangmen
マンツーマン指導
慧科 Huike
産学連携
一起作 17zuoye
K-12 用オンライン教育プラットフォーム
*K-12とは、幼稚園から12年生(高校生3年生)までの意味 k=kindergarten
沪江网校 HuJiang
語学中心のオンライン授業、SNS、コミュニティ
なぜ中国では、これほどEdTech市場が伸びているのか?
EdTech分野に限らず世界のユニコーン企業の数を調べてみると、CBinsights調べ(2020年1月6日時点)によると、433社あり、うち、アメリカは214社、中国は101社、イギリスは22社、インドは19社です。日本は3社です。
全分野における中国のユニコーン企業数が世界全体の約23%に対し、EdTech分野におけるその割合は約57%ですので、中国のEdTech分野が、他の分野に比べて大きく成長していることが分かります。
なぜ中国では、これほどEdTech市場が伸びているのでしょうか?
その理由として、以下のことが挙げられます。
教育が重要視される文化的背景
教育競争が激しいこともあり、競争を勝ち抜いていくためにも、教育は非常に重要視されています。未就学児のいる家族は平均して家計収入の26%、K-12の子どもには収入の20%を教育に費やすそうです。
※参考pdf資料: The Value of Education-Higher and higher – HSBC Group
巨大なマーケット
世界の人口の約20%が中国に住んでおり、中国政府の発表(2020年1月17日)によると、2019年末の時点で人口は14億人を超えています。また、約35年続いた一人っ子政策も2016年から緩和されており、顧客拡大の要素も増えています。(現状、出生数は過去最低で3年連続減少しており、少子高齢化しています。人口は増加しています。)また、教育に資金をかけることのできる中産階級層の増加も上げられます。
EdTechの幅広い認知
VC【ベンチャーキャピタル】も含め、EdTechはマーケットが大きいという国内での共通認識が強いようです。
政府の強力な支援
2011年以降ほぼ毎年、中国政府は教育に対するGDP支出の割合を増やしています。また、北京の中関村にEdTech専用の22階建てのMOOCタイムズビルを作るなど、多くの支援をしています。2017年に李克強首相は、2030年に向け、テクノロジーを取り入れた中国の教育改革を掲げています。
開発者を育成する土壌
作り手を増やす創客教育の影響や、海外で最先端の知識や技術を身につけ、中国に戻ってきて活躍する「海亀(ウミガメ)」と呼ばれる若者たちの存在の影響もあります。
以上にような様々な要因が考えられます。
今後のEdTech市場
いかがでしたでしょうか。今回は中国のEdTech市場について話をしましたが、市場が急拡大していることがおわかり頂けたかと思います。そして、今後も中国EdTech市場は、どんどん発展していきそうですね。
文化的背景もありながら、国策としても支援がある体制が新しい教育サービスを生み出す原動力になっているんだと思います。中国に限らず、eラーニングやEdTech分野に力を入れている国は今後さらに増えていくことでしょう。日本がEdTech先進国になれるよう、弊社も頑張ってまいります。
引き続きlearningBOXを宜しくお願い致します!
※参考サイト:
・Why Is China The World’s Leader In Edtech?
・NHKニュース おはよう日本 中国の急速な技術開発支える“海亀”
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