取り組みやすいシステムで目に見えて成績がUP!
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- 国家試験等の「ストレート合格率」向上のため、学生の学力の底上げをしたい
- 習熟度に応じた学修支援によって、伸びる学生をいっそう伸ばすとともに、留年や休・退学を減らしたい
- 学習意欲を高め、いつでもどこでも取り組めるeラーニングコンテンツにしたい
- 繰り返しできる学習でインプットを強化
- オリジナルの問題、目標設定で学生のやる気を引き出す
- 簡単にアクセス、動作もスムーズでいつでもどこでも手軽に学習が可能
1991年4月、日本診療放射線技師会を中心に開学した日本初の4年制医療系大学です。2学部4学科から始まり、現在は4学部9学科13専攻分野を有しています。「科学技術の進歩を真に人類の福祉と健康の向上に役立たせる」という建学の精神のもと、知性と人間性を兼ね備えた医療と福祉のスペシャリストを育成。医療・福祉の総合大学として、最先端の教育・実習・システムで学生をサポートしています。インタビューでは、learningBOX導入前の課題や導入の効果、実際の活用方法や今後の展望などについて伺いました。
全学部で導入して、学生の学力底上げを目指す
貴校でeラーニングを導入するに当たって、どのような課題があったのでしょうか?
豊田様:私ども医療・福祉系大学のカリキュラムは、例えば薬剤師などの養成を目的として、国家試験などの資格試験と密接に連動しています。
これまで、受験した人数を母数とした合格率が公表されていたのですが、2年ほど前から、入学して標準修業年限内で卒業した学生の合格率(ストレート合格率)を高めるように国が方針を打ち出しました。そのための取り組みの一環として、eラーニングを活用しようと考えました。
これまでも各大学でeラーニングは導入されてきており、先生方も様々な方法を試されてきたと思います。医療・福祉系の大学においても、国家試験対策として過去問題のコンテンツが入ったeラーニングシステムを利用してきているでしょう。そのような状況の中で、成績が思うように上がらず、習熟度が遅れがちな学生に適したeラーニングシステムはないのだろうかと考えました。
そうなると、すでに出来合いのコンテンツが入ったシステムよりも、私ども教員自らの工夫でコンテンツ作りができて、学生の習熟度に合わせたコンテンツを提供できるシステムが望ましいだろうということになったのです。先生方が使い勝手がよく、学生にも受け入れられやすいeラーニングシステムが理想でした。
そんな中で弊社のlearningBOXをお選びいただいた理由をお教えください。
豊田様:本学の放射線技術科学科や臨床工学科などの先生が、先にlearningBOXを利用しており非常に使い勝手が良いと評価していました。
特に新型コロナウイルスが流行し始めた2年前から、learningBOXを遠隔授業と組み合わせたり、対面授業と組み合わせたりしながら積極的に運用されており、かつ学生の成績が目に見えて向上しているということでした。
実際に、放射線技術科学科の松浦先生にlearningBOXを導入した場合としなかった場合の比較データを示していただき、はっきりとしたエビデンスが得られたわけです。それを見て、正式に全学的に導入するべきだと判断しました。
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まずは放射線技術科学科でご利用いただいて、そこでしっかりとした効果が見られたということですね。
武藤様:2017年頃から学生の成績の底上げができないかと考えていました。テクノロジーで改善できる部分はないかと調べていたところ、learningBOXを見つけてさっそく取り入れてみたのです。
これなら無理やりやらせるのではなく、学生が自らやってみようかなと思えるような仕組みができるのではないかと思いました。教員が、自分が持っている教材を使いながら学生がインプットする量を適切にコントロールできたり、ここまで出来たら次のステージに進めるなど目標の設定ができたりすると、学生の意欲の向上に繋がるのではないかと考えたのです。
また、ログインに時間がかからず、動作もストレスなくサクサク動くことが、学生に取り組んでもらう際に非常に重要です。その点もlearningBOXはクリアしていました。
そこで、同じ放射線技術科学科の松浦先生が数学や物理といった基礎系の苦手な学生を一緒に担当いただいていたので、特に成績が伸び悩んでいた科目で利用してみたところ、再試験で引っかかる学生がゼロになりました。
それはすごいですね!松浦先生はどのように実感されましたか?
松浦様:“何が分からないのか分からない”といった学生が非常に多かったのですが、learningBOXのいろいろなコンテンツを試しながら「繰り返しできる」という点に重きを置いて問題作成をしました。学生が何回も繰り返すことで、しっかりとインプットされるということが結果として表れたのだと思います。
具体的には「放射化学」という科目でlearningBOXを使った反復学習を取り入れました。すると、導入する前に対面授業だけで講義を行っていた過去の実績と、learningBOXを併用した際の成績を比較したところ、高い点数をとる学生が増えて不合格の学生がいなくなりました。
飽きないように、さまざまな形式・難易度の問題を工夫して作成
検証するとはっきりと結果が出たということですね!もちろん、先生方の作るコンテンツの質が高いということだと思うのですが、私たちもとてもうれしいです!これから全学科で取り入れる予定なのでしょうか?
豊田様:実は、エビデンスベースで教育効果を実証できている部分はわずかなので、データが示されたことはとても意義がありますね。
本学で最も重視するべきことは、習熟度の遅れがちな学生に対応するための独自の学習支援メソッドを確立することだと考えています。とにかく“とことんできるまで面倒を見る”ということを念頭に置きましょうと言っています。
現在、FDハンドブックの原稿を作成しておりまして、この教育方針を記載するとともに、そのためのツールとして、全教員にeラーニングの実施をお願いすることも明記しています。
現在は、どのような問題を作成されたり、どのように活用されたりしているのでしょうか?
豊田様:例えば、私の救急医学の講義では、覚えていくだけで済むことも多いのですが、検査の「感度」「特異度」など、暗記するだけではなく、じっくりと順を追って理解し、腹落ちをしていただかないといけない事項が時々あるのです。
この手の理解を要する事項は、普段の講義の時間内では、すべての学生に理解してもらうことは非常に難しいです。そこで、learningBOXで習熟度に応じて簡単なステップ1から難易度の高いステップ4までの問題を作成しました。
そして、ステップごとに、それを読めば誰でも問題が解けるようになると思われる解説資料をPDFで作成し、learningBOXに貼り付けました。ステップ1~4はマスターモードで100%回答できて合格という設定にし、全てのステップに合格したら、ノーマルモードで時間制限ありのCBT方式(コンピュータがランダムにプールされた問題を選ぶ方式)で試験をし、90%以上の点数を取れば合格として、合格証の提出を求めます。
覚えたら済む事項については、5つの選択肢から2つ正解を選ぶ問題や正解数を伏せて正解を選ばせる問題を作り、再度問題を解く場合は、設問肢をシャッフルするように設定します。穴埋め問題では、学生は穴に入る言葉しか覚えないので、同じ文章で穴をずらした問題も別に作ります。
このようにさまざまな形式でいろいろと工夫をして、適宜イラストなども挿入して飽きがこないようにし、合計で250問くらい作りました。
三浦様:私はLMS研究部会の部会長ということで述べさせていただきますが、先日第9回のLMS研究部会で御社からも発表をお願いしまして大変好評でした。ありがとうございました。その際の資料を、learningBOXの中で教員向けコンテンツとして共有しています。
LMS運用にポジティブな姿勢で望む教員も増えてきた
他の先生方からはどのような反応があるのでしょうか?
三浦様:実は今回のインタビューに先立ちまして、アンケートを実施しました。
良いと思う点としては、「問題の作成、移植がしやすい」「学生の学修度合いが分かる」「演習のスケジュール管理、採点の手間が省略できる」「学生が隙間時間に勉強できる」「学生が振り返りを気軽にできる」「講義ごとにポイントを○×問題で作成しているが、学生からは復習しやすいと好評」などがありました。
また改善していただきたい点としては、「学生の学習時間の履歴について、一括ダウンロードできるようにしてほしい」「メンバー設定がうまくできなかった」「メンテナンスが講義時間中にあった」「国家試験の過去問題などを一括登録できるようにしてほしい」「動画容量が小さすぎる」などがありました。
分かりやすくまとめてくださりありがとうございます!改善点については随時検討させていただきます。また学生の方々の成績管理も行っていると思いますが、リマインドメールなども使われているのでしょうか?
田口様:私はアンケートの作成と動画の掲示で主に利用しており、アンケートのリマインドを行っています。私の授業は木曜日にあり、講義終了から翌週の講義の前々日23時までをアンケートの回答期間にしています。100名ほどの履修学生のうち、30名ほどは授業が終わると回答してくれます。
アンケート未回答の2/3の学生に対して締切日の夕方にリマインドメールを出すようにしてみました。すると残りの約半数がそこから返答してくれるので効果をとても実感しています。リマインドメールが自動で送信されるともっと良いと思います。
あとは、私の講義では昨年度の講義動画を、今年度の予習用にすべてアップしています。講義準備の時に、ディレクトリごとにコピーできるのが非常に助かりました。
他に導入してからの反応や感想などはございますでしょうか?
武藤様:田口先生のお話にも出たアンケートについて付け加えさせてください。放射線技術科学科では一足先に活用していたので、他の先生方も利用されるとなった時に、アップするコンテンツを持っていらっしゃらない先生や、そもそもあまり乗り気ではない先生に向けて、非常にプラスになるということを教育改善提案という形で提案させていだきました。
その際に、講義に組み込むだけではなく、授業について学生がどのように思っているかのフィードバックをとるのにlearningBOXのアンケート機能が有効だということもお伝えしました。
三浦様:LMS研究部会でも、教員の皆さんからの質問がだんだんポジティブになってきていると感じます。LMSを導入しようと話が上がった4年ほど前はまだ抵抗感がありましたが、今では授業をより良くするにはどうすればよいか、といったコメントや質問が増えてきています。
ありがとうございます!では、今後のlearningBOXへのご要望やご希望などはございますでしょうか?
河尻様:入学時に、学生の基礎学力を測るテストをマークシート方式で行っていたのですが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で中止になり、2021年度はlearningBOXで実施しました。
当時はlearningBOXでどこまでのことができるのか手探りだったこともあり、数式をTeXで入力しなければならず、戸惑いや大変だと感じる部分も多くありました。もう少し直感的に使えるように、改善していただきたいですが、数式を扱う方法をまた教えていただければと思います。
武藤様:問題作成の操作性は非常に満足しています。その後、学生がどう取り組んでいるのか、どれくらいの点数を取れているのかなど、評価をする際の操作性がもっと良くなるとありがたいと思っています。
松浦様:確かに、学生別で取り組んだ時間がリスト化されたり、どの問題が苦手なのかがひと目で分かるような機能があると、先生方がもっと利用しやすくなると思います。
豊田様:御社からプレゼンいただいた際の資料に「アダプティブラーニングのシステムを今後開発していく」といったプランが示されておりました。私どもは先程も述べたように、学修習熟度に応じたラーニングシステムをなんとか作り上げたいと思っていますので、ぜひリアルタイムで共有してお互いに協力し合えると、非常にうれしいと思います。
インタビューにお応えいただき、
ありがとうございました!