入力作業が約2,900時間減の効果!業務効率化で、教員は生徒と向き合う時間が増加
広域・通信制課程(単位制)の3校「鹿島学園高等学校」「鹿島朝日高等学校」「鹿島山北高等学校」の総称である「鹿島教育グループ」。提携している学習等支援施設(サポート校)が全国に500以上あり、全国47都道府県どこからでも入学することができます。同校では教育のICT化を推進しており、2018年から1人1台、タブレット端末を導入しました。ところが、端末に不具合が生じた際に学習に影響が出てしまうことがあり、特定の端末に依存しないシステムに置き換え、運用方法を見直そうと「learningBOX」の導入に至りました。インタビューでは、導入前の課題や、システム移行に向けての機能開発、導入により得られた効果などについて伺いました。
- レポート課題に活用していた、生徒1人1台のタブレット端末に不具合が発生した際に、学習への影響や、教職員の不具合対応にあたる時間増加が問題となっていた
- 毎年約6,000台の端末を一括購入して配布するため、調達に多大な労力がかかり、その一括購入費用も大きな負担になっていた
- 学習も円滑に進み、不具合対応が減って、生徒指導により時間を割けるように
- タブレット端末の一括調達ならびに、一括購入費用が不要になった
- learningBOX導入で業務のオンライン化が進み、印刷代、郵送費等も大幅削減できた
- 出席情報の自動連携で入力作業が約2,900時間削減し、他業務に当たれるように
- 意図をくみ取り、想像以上の解決策を見出す、企画力と提案力
- 学習意欲をかき立てるような、出題形式が13種類も用意されていること
- 使いやすい直感性の高いUI、洗練されたビジュアルデザイン
- 希望する機能の開発を依頼できる仕組みが整っていること
年間約6,000台のタブレット端末の調達や、不具合による学習の阻害をなくしたい
まずは、ご担当者さまの業務内容をお伺いできますでしょうか。
大迫様:私は、岡山県に本校のある「鹿島朝日高等学校」にて、教務部主幹教諭として、教務システムや学習システム管理を担当しています。
小林様:私は、「鹿島学園高等学校」の通信制課程で、主に情報管理と広報業務を担っています。教務システムや学習システムの管理、ホームページやSNSの管理なども行っています。
新システムを検討されることになった背景や、導入前に抱えていた課題についてお聞かせください。
小林様:導入を検討することになった背景ですが、生徒は1人1台、学校指定のタブレット端末を利用していました。 そのタブレットには専用のレポートシステムアプリがインストールされていて、生徒たちはそのアプリを使ってレポートを提出していました。
しかし、その端末で不具合が発生した際に、学習に影響が出てしまい困っていました。また、端末は毎年入学してくる生徒用に、学校側で一括購入してから生徒に配るという形式だったため、毎年約6,000台が必要で、その調達自体が大きな課題でした。
また、端末を一括で揃えるために高額な費用がかかっており、一時金の支払いとして、大きな負担となっていました。
これらの課題を解決すべく、特定の端末に依存しないシステムに置き換えようという方針が決まり、約1年での実現を目指し、急きょ製品展示会等に足を運んで、探し始めました。
直感的UIなど「システム」の優位性と、企画力・提案力という「人」の部分、双方が決め手に
数あるシステムの中で、learningBOXに興味を持っていただいたきっかけをお伺いできますでしょうか。
小林様:導入までの時間もなかったので、パッケージシステム(汎用的に作られたソフトウェアを、自社の業務に合わせて導入・設定して使う製品)を比較検討し、3社~4社と打ち合わせを進めていました。
大迫様:しかし、納期が間に合わないという話もあり、ニッチなニーズでしたので、求めていること自体の実現が難しいとも感じました。悩んでいた時に、一緒に検討を進めていた他のメンバーから、自由度が高いlearningBOXはどうかと提案を受けました。
導入の決め手となったポイントは何だったのでしょうか?
大迫様:当初、私共は「要件定義」(システム開発の初期段階で、開発するべきシステムの機能や要求を明確にする作業のこと)という言葉すら知らない状態からのスタートでした。
御社のご担当の方に、要望についてお伝えしたところ、非常に具体的なご提案をいただいたので驚きました。learningBOXなら、他社でできなかった部分の要望にも応えてくれそうだ、と確信しました。
小林様:私は「出題形式」の多様さが非常に魅力的でした。 以前のシステムでは、2種類しか作成できませんでしたが、learningBOXは「組み合わせ問題」や「穴埋め問題」など、13種類も用意されています。学習意欲をかき立てるような多様な問題が作成できるので、よく考えられているなと思います。
大迫様:移行期間が短いこともあり、利用者の負担を増やすことのないよう、直感的で使いやすいUIを重視しました。加えて、使いやすいだけでなく、ビジュアルも“今風”だとなお良いと思っており、learningBOXはこれらの要望がかなうシステムでした。
メンバーの意見も一致して、learningBOXにしようという話が進んでいきました。希望する機能の開発をお願いできるという点も良かったです。

使い勝手や運用を心配したが、特に問い合わせや苦情もなく、使いやすさが勝ったと実感
システムを置き変えるにあたって、どのような懸念点がありましたか?
小林様:以前のシステムは、オフラインでも使えるのが特徴だったので、完全オンラインになることへのギャップを、生徒や学習等支援施設の教員がどう感じるか、という懸念はありました。
大迫様:出席管理のために、さらに別のシステムが必要になるかもしれないという懸念点もありました。
生徒や教員の方からは、システム移行についてどのような意見があり、それにどう向き合いましたか?
小林様:最初の頃は、通信環境についてなど、いろいろな問い合わせもありました。「教材のダウンロードに何メガ必要なのか」という詳細な質問もありましたが、1件ずつ対応しました。
使用端末については、推奨環境についての資料を配布し、各個人が使いやすいものを選んでいただくようにしました。導入時には、操作マニュアルやPR動画も作成しました。
心配もあったのですが、実際に運用を開始してみると、特に問い合わせや苦情もなく、使いやすさが勝ったのだと実感しました。
learningBOXの現在の活用方法について教えてください。
小林様:learningBOXの主要な役割は、課題(レポート)の作成・提出や添削、スクーリングの予約と出席確認です。学習等支援施設や生徒への一斉連絡ツールとしても活用しています。本校職員、学習等支援施設、生徒、添削者などのグループを作成し、それぞれに権限を付与して運営しています(グループ権限設定)。

大迫様:3校全体では、生徒数約1万2,000名、本校職員約100名で利用しており、提携学習等支援施設は500校以上に上ります。
「N1開発」でニーズに合った機能を開発。既存機能と組み合わせて、独自のカスタマイズを実現
「N1開発(旧称:特急開発)」とは
learningBOXでは、有料で希望する機能の開発を依頼できる仕組みのことを「N1開発」と呼称しています。ただし、特定の企業のための特別機能ではなく、標準化した機能として開発を行うため、共用環境を利用しているユーザーも活用できるように機能が解放される仕組みとなっています。詳細は弊社サポートまでお問い合わせください。
出席管理については、二次元コードを活用してlearningBOXでも運用できるようになりましたね。
小林様:別のシステムを検討しなければならないと考えていたので、二次元コードでの運用(予約管理)を考えていただき、実現できて良かったです。
他にも「N1開発」でさまざまな機能を実装していますが、最も重視されていることについて教えてください。
大迫様:初期のフェーズで重視したのは、以前のシステムでできていたことを、learningBOXでも問題なくできるようにすることでした。
当初は、教員側の画面の見え方や操作性についての説明が十分にできていなかった部分もありました。教員から意見を吸い上げ、その都度改良を重ねることで、次のフェーズに進むごとに学習進捗を把握しやすくするよう努めています。
さらに、これからのフェーズでは、生徒側の使いやすさも重視していきたいと考えています。
小林様:教員にとっては、以前のシステムでの成績の見え方が強く印象に残っていたため、慣れるのに少し時間がかかったようです。
学習等支援施設の教員は「この生徒は課題が提出されていないから、確認の連絡をする」などの業務に時間がかかっていることもあり、「カルテ」の画面を拡張し、グループごとの進捗や、採点状況確認も可能にしていただきました。さらに、カルテ画面からも、未学習の通知メールを送信できるように追加で依頼しました。
実現したいことや困りごとを上手にくみ取り、想像以上の提案をしてくれる
導入決定から、運用開始までの期間はどのくらいでしたか?
大迫様:半年強ですね。それに対応してくれた御社は本当にすごいと思います。かなりニッチな要望も多かったと思いますが、毎回の打ち合わせで、こちらの実現したいことや困りごとを上手にくみ取り、想像以上の提案をしてくれました。
ありがとうございます。learningBOXのサポートについてはいかがでしょうか?
小林様:質問や相談などのリアクションも早く、これ以上の要望はないですね。大変満足しています。
大迫様:学習等支援施設の規模が大きく異なるため、要望が一辺倒ではないところが非常に難しいポイントでした。そのような中でも、教員側の満足度を均等に上げるようにするには、どうすべきか、についていろいろと相談し、一緒に作り上げていきました。良きパートナーに巡り合えたと思っています。
端末一括調達のための高額な費用や、情報入力にかかっていた約2,900時間などが削減できた
learningBOXを導入後、どのような効果が得られていますか?
小林様:金銭的な面で言いますと、年間約6,000台のタブレット端末の一括調達に必要だった費用の削減と、紙ベースからオンライン化したことでの、紙代、インク代や郵送費等の削減があります。
大迫様:スクーリングの出席管理では、紙に印鑑を押したものが全国から本部に送られてきて、人の手でその情報を入力していました。入力作業のために、約半年の間、派遣社員の方3名に来ていただいていましたが、今は二次元コードで出席をとり、基幹システムに連携できるようになったため、入力作業が不要になりました(外部システムとの連携)。
入力作業がなくなった分、教材作成や導入サポートに入っていただくことができ、助かっています。

スクーリング期間の偏りを考慮すると、実質5.5ヶ月の稼働で、1日8時間勤務、1カ月22日と仮定した場合、1人あたり968時間の作業が見込まれます。これが3名分で合計2,904時間となり、約2,900時間の削減ということですね。
大迫様:ほかにも、アンケートや体調不良時の申請など、大幅にオンライン化が進みました。紙の削減効果は具体的な数字で出すのが難しいのですが、例えば「鹿島朝日高等学校」の岡山本校では、6畳ほどの部屋の半分を占めていた紙の保管スペースが、ほとんどなくなりスッキリしたという印象です。
ヘルプデスクへの問い合わせ数が激減。教員は、生徒の指導により時間を割けるように
業務の効率化という面では、どのような変化がありますか?
小林様:以前の端末を使用していた際は、ヘルプデスクへの端末に関する問い合わせが多く、専任職員を配置して対応するほどでしたが、今では月数件に減りました。以前の端末を使い続けている生徒もいるので、そこからたまに問い合わせがあるくらいです。
管理者側の部分では、ユーザーや、グループを一括でCSVで更新(一括操作)できるので、非常に助かっています。また、特定の生徒だけに課題を割り当てたり、一括で割り当てたりすることもできて便利です(コンテンツ割当)。
本部のお2人が、教員の方々の業務効率化という面で、何か変化を感じる場面はありますか?
小林様:システムの不具合対応などが減った分、生徒の指導により時間を割けるようになったと感じています。
大迫様:learningBOX上の教材を、プロジェクターで投影して授業を行っている教員もいます。動画などの副教材を用意することで、紙ベースの一方的な講義から、多様な教材を活用した授業へと進化してきているのを感じます。
必ず助けてくれるという安心感がある。まずは一歩を踏み出してみることが大切
learningBOX導入を検討している方にメッセージをお願いします。
小林様:learningBOXさんは、必ず助けてくれるという安心感があります。
大迫様:私共もそうだったように、校務を担当されている方は、システム導入に関する流れなどが分からないケースもあると思います。learningBOXさんはそのあたりもくみ取ってサポートしていただけました。まず一歩を踏み出すために、システム移行時の参考として、私共の事例をお役立ていただけたらと思います。
インタビューにお応えいただき、ありがとうございました!


