eラーニングで学習者のメタ認知を支援する方法

learningBOX, 管理者blog

こんにちは、開発部の森下と申します。入社2ヶ月の新米プログラマーです。
早速ですが、皆様は「メタ認知」をご存知でしょうか?仕事力向上に効果的と評され今、注目を浴びている「メタ認知能力」。
どんな能力でなぜ仕事力が高まるのか?業務を効率よく進めていくうえでは、仕事のスキル以外にも必要な要素があります。その中のひとつが「メタ認知」です。本稿では「メタ認知」と「eラーニング」の関連性についてご紹介します。

目次はこちら

  • 1. メタ認知とは
  • 2. メタ認知が学習分野で注目されている理由とは?
  • 3. eラーニング学習とメタ認知の関係性
  • 4. learningBOXは、そんなメタ認知を促進できる機能が充実しています!
  • 5. まとめ

メタ認知とは

「メタ認知」とは、今まさに何かを考えている自分の思考や、何かに取り組んでいる自分の行動について、一歩引いて、今よりも高い視点から把握する能力「客観的に自己評価する力」のことです
1970年代にJ.H.Flavellによってその概念が提案されて以来、心理学や脳科学、教育学などの分野で広く認識されています。

学習活動を自分自身で適切に評価していくことができれば、効果的な学習を継続させることができます。これはよく「メタ認知(metacognition)」という概念によって説明されています。

最近では、ベネッセホールディングスと東京大学による共同研究(2019年3月プレスリリース)が行われ、なんと、その研究によると、成績が上昇した高校生は自分の学習を客観的にとらえる「メタ認知」を持っている(持つようになった)、という報告がされました。成績アップに「メタ認知」が関係している、なんて皆さんご存知でしたか?そしてこれらの研究によると、「何が分かっていないのかが分かる」「何のために取り組んでいるか」などといったことを意識できているかどうかが学習をスムーズに進めていく上できわめて重要なポイントである、と言われています。
加えて、学習における自己評価を「メタ認知的活動」として、福井大学の遠藤氏(2018)は以下のように述べています。

 人は,メタ認知的モニタリングとして,自分の認知過程を確認・点検し,そして,モニターした結果にもとづき,メタ認知的コントロールとして,自分の認知活動を改善・調整していきます。このメタ認知的活動が,自己評価活動の中核となります。
                          田中耕治 編 , 遠藤貴広 著 (2018).『よくわかる教育評価 第2版』ミネルヴァ書房 (Ⅴ-5.子どもの自己評価  61頁)

メタ認知的活動のモデル

eラーニング_メタ認知

もう一人の自分が、一つ高い視点から自分自身を観察(モニタリング)し、自分の思考や行動を修正(コントロール)していますね。これは日常生活の中でも、私たちが自分を客観的にとらえて言動などをコントロールしようとしている場合にも当てはまります。

メタ認知が学習分野で注目されている理由とは?

そもそも人間は、、
・自分を客観的に俯瞰(ふかん)し評価できる人間は多くない(とても難しい)
・それは「勉強、学習」についても同じことがいえる
・なぜなら、学習目標や学習状況を「客観的に」評価できていないから

⇒そこで「メタ認知」が注目されているんですね。

学校に所属している間は、学校の先生が貴方を評価してくれます。社会人になると「先輩社員」が仕事に必要な知識やスキル、社会人としてのルールを指導します。大きな会社では「OJT担当者」がいたり「メンター制度」もあるかもしれません。

ただ、自分の学習状況を評価してくれる人が常にそばにいてくれる、ということは普通ほとんどありません。特に課題が複雑なものであるほど、作業内容や自分のやり方そのものが本当に適切なのかどうかを、自分で何度も判断し修正していく必要があります。

メタ認知の向上が学習効果に大きな影響を与える

メタ認知が学習効果に影響を与えた例をご紹介します。

ケース1「同じ高校生を3年間追跡「メタ認知」が成績上昇に効果」
2018年3月に高校を卒業した子どもの、高校3年間の追跡データ(703人)を用いて、子ども1人ひとりの変化をみたところ、成績が上昇した高校生は、内発的な学習意欲や将来の目標を持っている(持つようになった)ことに加え、自分の学習を客観的にとらえる「メタ認知」(「メタ認知的方略」)を持っている(持つようになった)ことがわかりました。この傾向は、特に難関大学合格者において顕著であり、「メタ認知」の有無が、成績上昇や大学合格など、高い学習成果を上げることに効果的であることが示唆される結果となりました。(参考資料:ベネッセ教育総合研究所)

ケース2 メタ認知は子どもの成長のプロセスに必要な環境や働きかけに関与する
高2~高3の成績変化が「ずっと上位」「上昇」の子どもは、「テストで間違えた問題をやり直す」「何がわかっていないか確かめながら勉強する」といった勉強方法(メタ認知的方略)を活用している比率が高くなっていることがわかった。また、成績が「上昇」した子どもは、これらの勉強方法を活用するようになった比率が高くなっている。
(参考資料:「メタ認知」が成績上昇に効果がある)

メタ認知能力のおさらい

POINT

メタ認知機能を高めることで、「何がわかっているのか分析する力」が身につき、「問題解決に必要な段取りや作業工程を評価・フィードバックする」力が養われる。適切なモニタリングとコントロールを行うことで、学習効果を高めることが期待できる。

学習目標が曖昧だとどのように勉強すればよいか分かりません。またその範囲がはっきり定まっていなかったり、難しすぎるものから取り組んでしまうのも挫折の要因です。
「結構勉強したつもりなのに思っていたよりも身についていなかった…」ということはありませんか?
それは、自分の学習状況を細かく評価・把握できていない場合が考えられます。

eラーニング学習とメタ認知の関係性

☑POINT

eラーニングを使うと学習に必要なメタ認知能力を高めることができます。
・eラーニングシステムは成績データや学習状況を数値化し可視化することができる
・学習者のレベルや目標に合わせて「学習コース」を自由自在に設定できる
・成績管理を細かく分析できるカルテ機能を使うと個人の学習の進め方タイプが一目でわかる(駆け込み型、学習習慣が身についている型、先行逃げ切り型など)
➡自分の学習の進め方や段取りを把握することによって「メタ認知能力をさらに高める」ことができる!!

メタ認知を常に高いレベルで保ちながら学習を続けることは難しいことです。eラーニングがメタ認知的活動の一端を担うことによって、学習者のメタ認知を向上させる手助けになり、結果として効果的な学習成果につながることが期待されます。

learningBOXは、そんなメタ認知を促進できる機能が充実しています!

learningBOXの成績管理機能を使うと、学習者の学習進捗情報を簡単に確認することができます。学習状況や成績デートを数値しグラフ化することで学習者の正確なモニタリングを支援することができます。
learningBOX_成績管理機能

個人の成績情報もすぐ確認することができます。

今回は龍野情報システムの研修で使われている「情報セキュリティ研修」を使ってご紹介します。

eラーニング_メタ認知
学習活動にeラーニングを積極的に用いることで毎回の学習状況を正確に可視化させることができます。それは単にモニタリングの精度を安定させるだけでなく、学習者自身がモニタリングに費やす負担も軽減され、その後の適切なコントロールや、さらに高次のモニタリング(自分のより詳細な思考過程)にも注力できる余裕を生み、学習者のメタ認知向上を支援することが期待されます。

learningBOXのオススメ機能

学習者が簡単にスマホで成績や学習進捗を確認できる!
→成績管理機能を使うと学習状況を可視化することができます
学習者の成績や学習状況はコース作成の資料として活かすことができる!
→学習者のレベルに合わせたコース作成やグループ設定が簡単にできます
テストや試験の理解度をチェックする問題作成機能にすごい!
→パソコン操作が苦手な方でもマニュアルを読んだその日からクイズや試験問題が作成できます
learningBOXは成績管理以外にも学習者の教育を支援・フォローするコンテンツ機能がたくさんございます!機能や設定方法についてはこちらの使い方ページに詳しく紹介されています。

メタ認知を促進するなら、ぜひlearningBOXに今すぐオーナー登録へ!

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まとめ

今回の記事では業務を効率よく進めていく上で必要なメタ認知能力についてご紹介いたしました。効果的な学習成果を生み出すためには、適切な自己評価が必要です。
自己評価の中核であるメタ認知的活動は、「モニタリング(確認・点検)」の結果に基づいて「コントロール(改善・調整)」を行うことが重要です。eラーニングは学習状況を可視化(データ化)し、学習者の正確なモニタリングを支援する。

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