「よりよい薬をより早く」患者さまへ
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- 組合員企業に所属するCRC(臨床試験コーディネーター)の研修において、自社内研修と組合研修に加えて、すきま時間に手軽に取り組める研修の実施要望があった
- コスト面と使いやすさを兼ね備えたシステムが希望だった
- 対面で行う研修に加えて、learningBOXを導入することで、eラーニング研修も実施できるようになった。知識の定着と確認を目的にテスト等を実施している
- 低コストで使い勝手が良く、サポートの対応にも満足している
協同組合 臨床開発支援ネットワーク(SMONA※1)(読み:スモナ)は、中小企業等協同組合法に基づいて2001年5月に厚生労働省関東信越厚生局より認可された、この業種では日本唯一の協同組合です。治験の正確度とスピードを高めるために、臨床試験支援事業者は日々業務を遂行しています。厳しい経済環境の中で新しい時代に対応するために、中小企業ゆえの制約や企業単独での課題などを克服するために、SMOやCRO(※2)を中心とする臨床試験支援事業者が相互に連携し、新薬を待つ患者さんのために社会貢献することを目的としています。導入の決め手や活用方法などについて語っていただきました。
※1 SMONAは、 Strategic Management and Operation Network Association for Clinical Studyの頭文字を取ったもの
※2 SMOは、CRC(臨床試験コーディネーター)が治験が円滑に進行するよう各種業務の調整を行う組織。CROは、CRA(臨床開発モニター)が治験が計画通り進行しているか監査を行う組織のこと
learningBOXは「コスト面」と「使いやすさ」兼ね備えたシステム
learningBOX導入のきっかけをお教え下さい。
SMONAは臨床試験を支援する企業の協同組合で、組合員企業同士が課題に対して連携し取り組んでいけることが強みです。中小企業が相互扶助の精神で力を合わせれば、実現できることがたくさんあるとの確信のもとに、協同組合がスタートしました。
臨床試験は、治験を実施する医療機関において、治験責任医師の指示のもとCRC(臨床試験コーディネーター)が進行の支援をします。そのため組合員企業に所属するCRC教育が重要なのですが、自社内研修と組合研修のほかにeラーニングを使って効率的にトレーニングを実施したい、という声がありました。それがきっかけで導入を検討することになりました。
learningBOX導入の決め手となったポイントを教えてください。
導入するにあたっていろいろと調べました。もちろん予算は限られますし、コスト面は非常に重要です。そして同じく重要なのが使いやすさです。eラーニング学習者が手軽に学べて知識が身に付くこと、そして管理者側が使いやすいかどうかというところです。
私自身が運用管理を担当しているのですが、私はとてもアナログなので、導入の話が出た際も「私が管理するのは無理なのでは」と思いました。しかし組合員企業からの要望ですので、多々あるシステムの中で使い勝手が良さそうなものはどれだろう、と考えていたところ、learningBOXに出会いました。learningBOXは「コスト面」と「使いやすさ」の2つを見事にクリアしたシステムでした。
協同組合にはさまざまな企業が参加されていて、専門性が高い内容が求められる状況ですが、具体的にはどのような学びになりますか?
learningBOXのシステムの主な学習者は組合員企業のCRCです。組合では「実践GCPトレーニング」(以下GCPトレーニング)というプログラムを作成し、GCPの知識の定着と理解を深めることを目的にlearningBOXを活用しています。GCPとは、医薬品の臨床試験実施の際に、企業や医療機関が守るべき基準をまとめた省令で、治験における法律です。
治験に参加していただく方の人権や安全を最大限に守るため、また治験において有効性や副作用を科学的な方法で正確に調べるためのルールが定められています。患者さん、医療機関、依頼者から信頼されるCRCになるために、GCPを正しく理解することが求められます。
100点を取るまで繰り返すことが知識の定着につながる
learningBOXはGCPトレーニングの中でどのような役割を担うのでしょうか?
基本的にGCPは各組合員企業の自社内研修とOJTで学びますので、このGCPトレーニングは、各社で学んだGCPをしっかり理解しているか、知識の定着と確認が目的となります。learningBOXでテスト等を実施しています。
組合として、このレベルまでいきましょうという基準を制定するテスト等をeラーニングで行っているわけですね
はい。まずはGCPトレーニングで全員100点を取っていただくことが目標です。GCPは法改定がありますので、以前OKだった事が改定によりルール違反になることもあります。そういう意味では、キャリアに関係なく新しい知識を継続して更新できるというメリットがあります。
また、SMONAでは「CRC認定試験」を年に1回実施しています。合格者は「SMONA認定」を得ることができます。「CRC認定試験」は筆記試験で運用しており、今年で18回目になります。learningBOXを導入してからは、認定者の継続認定を支援する為のテストにも活用しています。
実際のコンテンツはどのように作られていますか?運用方法についてもお聞かせください。
専門性の高い内容ですので、問題作成は組合員企業の教育担当者の方が中心となりSMONA教育研修委員として参画していただき作成しています。メール連絡と月1回のミーティングで最終調整をしています。GCPトレーニングの解答は正誤問題(〇×問題)だけではなく、解説の部分を重視しており、受講者が解答した後に読んで「ここが大事なんだ」と納得できるような解説を付けるようにしています。
運用は1回につき20問×年4回で、新しい問題を公開するごとに解答期限を1カ月間に設定しています。CRCが業務の合間にできるよう約20分で解答できる分量で考えています。1カ月間で「100点になるまで繰り返し行ってください」とお願いしており、繰り返すことで知識の定着につながります。
各回のGCPトレーニング後には、成績管理の機能を使用して結果確認をしています。ユーザー管理で会社ごとにグループ登録できるのもありがたいです。
将来的に、地方組合員企業のための動画配信も視野に
導入検討中にlearningBOX以外で迷われたeラーニングシステムはございますか?
最終的に3社まで絞った中で、learningBOXが最も使いやすそうな印象がありました。また、コスト面でも条件に合っていました。最終的には私が御社へ伺い、実際にスタッフの方々とお会いして、ここなら大丈夫と実感しました。問題をシステムに登録する作業や管理面での不安も大きかったのですが、親身に分かりやすくご説明いただき、learningBOXのサポート体制にも安心感を得ることができました。
CRCは患者さんをはじめ、臨床試験に関わる方々との信頼関係が大切なので、組合ではコミュニケーションに関する集合研修も多く、とても重視している事柄です。御社のスタッフの方はコミュニケーションスキルがとても素晴らしいと感心しました。
ありがとうございます!最後の決めては「人」だったのですね。
私は「人」こそが重要だと考えています。eラーニングですが、何かあった際に頼るのは「人」です。相談に乗ってもらえて、的確なアドバイスをもらえる安心感がとても大きいです。
learningBOXの使い勝手はいかがでしょうか?
感覚的に使えるのがとても良いところです。問題の登録や運用が簡単にできると感じています。企業規模を問わず、実際にこれから導入を考える方には、感覚的に簡単に使うことができる点がとてもおすすめです。IT担当者がいなくても、このシステムだったら使えそうと思わせてくれます。
learningBOXの価格は他社と比べていかがだったでしょうか?
もう比べ物にならないくらい、安かったです。導入時に「そんなに安くて大丈夫なの?」と皆に心配されました。ですので、東京から兵庫県たつの市の本社までお伺いしたのは、そのような面も含めて、信用できるかどうかを確かめるため、といった意味合いが強かったです。価格面と使い勝手、サポート対応など、本当にlearningBOXだからこそ、導入できたと思います。
eラーニングを使用して今後こうしていきたい、という展望はございますか?
GCPトレーニングを活用することで、CRCが臨床試験の支援業務に自信を持って取り組むための一助となればと思います。それは患者さん(被験者)の安心・安全にもつながります。またCRCは、GCP、ALCOA(※3)の知識はもちろんですが、医療現場で患者さんと直に接して、治験の説明のほか、心的負担のサポートも求められます。
learningBOXの機能を活用して、今後はコミュニケーションなどの人間力向上に関するeラーニングコンテンツも作っていけたらと思っています。将来的には地方の組合員企業のために、集合研修を動画配信できるようにしたいと考えています。
※3 ALCOAとは、治験の事実経過の再現と評価に必要な記録(原資料)に求められる以下の基本5要素「Attributable(帰属性)」「Legible(判読性)」「Contemporaneous(同時性)」「Original(原本性)」「Accurate(正確性)」の頭文字を取ったもの
インタビューにお応えいただき、
ありがとうございました!