世界中に「医療という希望を創る」
公開日:
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- 多くの医療機関で、在宅医療との関わりが欠かせなくなってきており、現場スタッフの教育が必須となっている
- 入職時研修の補完や、復習にも使えるeラーニングシステムが必要だった
- 検討していた別会社のシステムは使い勝手が良くなく、予算も合わなかった
- 専門的で難しい内容も多いが、集合研修とeラーニングを併用することで相乗効果が生まれている
- 講義の補完や、復習に活用することで記憶の定着に役立っている
- 使い勝手も良く、導入しやすい価格だったためlearningBOXに決めた
株式会社シーユーシーは、課題が山積する日本の医療を変えたい、という思いに共感した仲間が集まり2014年に創業された企業です。「医療という希望を創る。」のミッションのもと、続々と仲間が集まり企業単体で300名を超え、グループ連結で約1,000名(2019年7月)の規模に急成長。日本全国の病院・クリニック、介護施設の経営コンサルティング・運営支援に取り組み、各地の医療介護を支えています。国内にとどまらず、世界を舞台に医療変革に挑戦していくことを目的としている同社に、お話を伺いました。
eラーニングシステムを導入しミッション遂行に欠かせない人材育成を加速
御社を取り巻く状況と、事業に対する思いをお聞かせ下さい。
弊社は、今流行の言葉でいうとユニコーン企業であると自負しています。ちょうど今年が創業5年目で毎月新しいメンバーが入社し、組織がどんどん拡大しています。4月には新卒を含め20名以上が入社(来年度は40名以上を想定)しました。まだまだ知られていない会社かもしれませんが、新卒も東京大学や京都大学、東京工業大学卒の人や、中途入社でも大きな企業の幹部だった人などもいます。
社会背景として今後、在宅医療のニーズが一層高まるとされています。というのも、現在は皆さん病院で亡くなられることが多いと思うのですが、実際は患者さんに聞くと、家で最期まで過ごしたいとおっしゃる方が多いんですよね。戦前までは、家で過ごしながら、最期も家でお看取りする、というケースが多かったのですが、戦後の高度成長に伴って、病院がたくさん設立され、最期を病院で過ごすというのが当たり前となりました。
海外、特にヨーロッパでは、最期を病院で過ごすのではなく、最期はやはり家で過ごしたいという方が多いです。日本でアンケートを取っても、7割~8割の方は最期を家で過ごしたいという方が多いです。そこで国も体制を整えましょうということで、2006年頃から徐々に、在宅医療をしっかりと提供できるような仕組みを作り始めたのです。
病院にずっと居るのではなく、家に帰りたいという方にはなるべく、家に帰してあげて最期まで家で過ごせる医療を提供していきましょう、という方向で国も力を入れていこうとしています。そこで我々も、家で過ごせるように支えていきましょう、という国の方針に沿って、医療法人の人材育成支援を行っています。
learningBOX導入のきっかけとご利用状況を教えて下さい。
現在、弊社の約半数のスタッフが在宅医療のクリニック運営支援や診療サポートに関わっています。一般的な外来診療を行う病院やクリニックなどとは違って、在宅医療は比較的新しい分野です。ですので、これからどんどんと普及させなくてはということもあり、在宅医療に関わりたい人を、新卒も含めて随時募集をかけています。
しかし、病院で外来の窓口経験があるからといって、いきなり在宅医療ができるというものではありません。そこでまず、医療法人に入職した人を対象に、2週間の集合研修を行っています。私自身が実際に集合研修で2週間講習をしており、その中で色々と分からないところを聞き取りしながら進めているのですが、内容がなかなか難しいんですよね。
異業種から転職した人にとっては、医療業界自体が初めてですし、医療経験者でも在宅医療はこれまでと全然違うと感じることがありします。しっかりと勉強していくけれど、なかなか覚えられないという現実があり、eラーニングで補完しなければならないな、と考えたのが導入のきっかけです。
当初は動画を使った研修ツールとして、別のシステムを想定していました。しかし実際使ってみるとさまざまな制約があり、特に利用したかった受講管理機能についても結局利用できず、1IDあたりの利用単価も見合わないものでした。そこで改めてシステムを検討したところ、御社のlearningBOXがベストな選択だと判断し、導入を決定しました。
選定する上で、御社のシステムが優れていると感じたのは以下のポイントです。Learning Management System(LMS)としての機能があり履歴管理ができること、またコストが安価であることです。さらに、管理者側としてその場で問題を作ることができる各種UIの提供と、ユーザー側のデザインが優れており、マルチデバイス対応していることも挙げられます。またSCORMにも対応していて、オーサリングツールで作成したコンテンツも取り込めるという点も決め手となりました。
利用状況については、医療機関でのトラブルが多いことや、来年から職場におけるハラスメント防止対策が強化されることもあり、パワーハラスメントを中心としたハラスメント研修を「iSpring」というオーサリングツールで制作し、6月と7月にリリースしました。
御社からiSpringがlearningBOXとの相性が良いという情報を教えていただき、英語版ながら導入したところ、非常に使いやすいオーサリングツールであることが分かりました。PowerPointと動画講義を組み合わせたリッチコンテンツが簡単に制作できます。しかも今月iSpringが日本語化されるというお知らせがあり、より使いやすくなりそうです。
このeラーニングハラスメント研修は、現場で実際に起こった事例などを基にしていますので、かなりリアル感があり、イメージしやすいイラストもふんだんに盛り込んで仕上げました。その結果医療現場からも大変好評で、他のメンバーにも受講させたいという声が多数挙がっています。
記憶の定着に有効、集合研修 × eラーニングの相乗効果があった
learningBOXを実際に使用したスタッフからの反響はありましたか?
特に異業種からの転職者には、しっかりとした研修・教育をしてくれますね、と言われます。しかし研修や教育を受けても、そのままにしておくと、どんどん記憶からなくなってしまうので、復習としてlearningBOXを確認することで「今日やったところはこういうことだったのか」と納得してもらいやすくなります。
私が講習した内容をそのまま動画教材としてlearningBOXに上げています。改めて聞き逃した内容や、しっかりと研修を受けたけれど、どうしてもイメージできない内容などを、空き時間や通勤時間にスマートフォンで繰り返し学習ができるのも利点です。
learningBOXで学習したスタッフからは「集合研修に参加したけれど、内容を改めて復習できるのが良い」「集合研修に参加できなかったので、自己学習できて助かる」という声や、「通勤中にスマートフォンでも学習できるので助かっている」「繰り返し何度も問題を解けるので習熟に役立つ」という声があります。また管理者側では、learningBOXでの研修が始まる前に入ったスタッフにも、ぜひ学習させたいという声も出ています。
医療に関する専門の内容なので、1回聞いただけだとなかなか覚えられない言葉ってあるんですよね。「エビングハウスの忘却曲線」でいわれるように、研修を受けてもそのままにしておくと1日後には74%忘れ、さらに放置していると1カ月後には77%忘れ、どんどんと記憶からなくなってしまいます。
それがこのlearningBOXで復習を繰り返すことで記憶に定着させることができるわけです。10回程度繰り返す事で、習熟してくるケースが多いですね。異業種(飲食業)からの転職者を採用したときの話ですが、最初はやはり専門的な内容で自信がなく不安そうだな、という印象を受けたのですが、だんだん研修が進むにつれて自信をつけてきて、研修が終了する頃には「この研修を受けたので、自信を持って現場にいけます!」と言ってくれました。このような感想を聞くと、集合研修とeラーニングでの相乗効果があったと感じ、うれしかったです。
多くの専門知識が必要になる医療業界ですが、実際に作成されているコンテンツを確認させていただくことは可能でしょうか?
もちろんです。在宅医療で訪問するスタッフを「サポートスタッフ」と呼んでいるのですが、サポートスタッフを育成する為のサポートスタッフ(SS)研修のコースをお見せしますね。
最初にお話しした通り、多くの医療機関では国も力を入れている在宅医療との関わりが欠かせなくなってきており、現場スタッフの教育が必須となっている状況です。「日本の医療を取り巻く現状」「自分らしい暮らしと両立した在宅医療とは」「複雑な在宅医療における診療報酬制度」「高齢者がかかりやすい疾患」などをコンテンツとして提供しています。
初期研修として12項目をメインとして進めていきます。入社した際に2週間かけて、理解度100%になるまで学習します。主な疾患の解説については、スーパー医師が続々登場というような感じで、各専門分野の医師による、分かりやすい30分の動画講義(例. 認知症の仕組みと処方薬剤など)を収録したものをラインナップ化しています。
ありがとうございます。すごく内容の濃い、コンテンツばかりだと思います。
learningBOXの場合、基本の入力フォームが整っていますので、誰でも簡単に作成できるところが良いですね。特別なオーサリングツールを使わずとも、インスタント的なUIをご用意いただいていますので、とても使い勝手が良く、ありがたいことだと思います。特別な知識が必要なく、直観的に簡単に作成できるのが本当にすごいと思います。
需要が高まっている外国人材の教育にもlearningBOXを活用したい
実際運用していく中で、機能に関する問題等もあったかと思います。その時の弊社スタッフの対応はいかがでしたか?
こちらの要望に対して、きちんと応えていただけることを大きく評価しています。不具合が起こること自体は、それほど問題視していません。システムには何かしら問題が起こるものだと思っていますので。ただ何か起こったときの対応が素早く、ヒューマン対応力と技術力の素晴らしさを感じます。
具体的には、画像リンクさせた問題で、画像のサイズ変更ができない不具合を暫定HTMLベースでの修正方法を教えていただき、後日正式に対応いただけたことや、ドラッグアンドドロップ形式の「穴埋め問題」が、iPhoneで正しく動作しなかった際にも、すぐに修正していただきました。
また、動画エンコードがいつまでも完了しないバグについても原因を検証いただき、解消いただいたことや、動画が1ファイル最大500MBまでのところ、iSpringコンテンツだと30MBまでの制限があり、それを動画と同じ容量まで緩和いただけたこともとても助かりました。動画を組み込んだり、ナレーションを入れると30MBはあっという間に超えてしまいますので。
今後の展望についてお聞かせ下さい。
在宅医療におけるサポートスタッフ育成では、eラーニングの活用はとても喜ばれているので、引き続きコンテンツを充実させていこうと思っています。幅広い知識が求められる病院のMD(Managing Director)や事務長養成講座のeラーニング化も進めていますが、受講者のテスト正答率が低く、補講として講義を収録した動画を格納しています。そして受講者同士でそれぞれの発表を見てもらうという取り組みも行っています。繰り返し実践してもらうことで習熟度を高めていますね。直近では、透析の仕組みを理解するためのeラーニングも予定しています。
最近チーム内で、ビジョンを定めました。「いつまでもサプライズを 世界標準を作り続ける」とちょっと壮大な感じではありますが、今月から国の規制緩和を受けて、弊社社員が数十人海外に赴任し、外国人材を日本に呼び込んで仕事をしてもらうための育成も始めていく予定です。
ベトナムをはじめとする東南アジアから日本に人材を呼び込む、といったところでの教育は今後どこでも必要となってくると思いますので、ベトナム人が日本の介護の仕事をしたい、という場合、まずはベトナムでlearningBOXを使って研修を行ってから来日していただく、というプランも考えています。すでに社内のミャンマーから来たスタッフには、IDを発行して学習してもらっています。今後も外国人材も含めてどんどんと教育が広がっていくのではないかと思っています。
最後に、私は教員免許やマイクロソフトのトレーナー資格などを保持し、これまでも大手通信会社や官公庁、大学の公開講座などに対してeラーニングの研修コンテンツの納入実績があります。そのような研修のベテランの目から見ても、御社のlearningBOXは高く評価しています。他の企業利用者さまに比べてさまざまな技術的な注文が多いかと思いますが、今後ともlearningBOXに期待しています。
インタビューにお応えいただき、
ありがとうございました!