『eラーニングの問題作成のコツについて』

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誰でも簡単に作れるeラーニングの問題作成を効果的・効率的に作成する方法

『eラーニング活用をご検討、迷われている担当者様へ』

eラーニングの問題作成では、一般的に知識の習得度や達成度を確認するために用いられます。学習内容の理解度を確認することを主な目的とし、それに基づいた出題を選定することが望まれます。ですが、この作業がなかなか大変です。
※eラーニングを導入する場合、問題に関しての『 正解 』にあたる学習内容だけを把握してればよいわけではないからです。

本稿では『誰でも簡単に作れるeラーニングを効果的・効率的に作成する方法』について解説したいと思います。「よい学習教材」と「よいテスト」の両者を受講者に提供することがeラーニングによる教育を成功に導くカギです。ぜひ参考にしてみてください。

目次

  • 1.eラーニングにおける「よい」問題・テストとは?
  • 2.まずは学習教材!eラーニングにおける教材作成の流れ
  • 3.教材を作成したら問題・テストを作ろう!
  • 4.まとめ

1.eラーニングにおける「よい」問題・テストとは?

実施目的が明確である
そもそも『eラーニングの目的は何か?』目的がなければ問題の仕様検討や設問・解説などの作成は開始できません。目的が曖昧なままの状態で制作をスタートさせると、制作過程で手戻りが発生する可能性が高くなります。問題作成スケジュールの遅延や制作コストの増加を誘発し、さらに意図していない関連の薄い問題が出来上がってしまう場合もあります。何事もスタートが肝心です。作っている最中に『こんなはずではなかった』と後悔しないためにも、『目的は何か?』を明確に考えるところから始めましょう。

妥当性、信頼性がある
2つ目の条件はテスト問題に妥当性や信頼性があるということです。そのためには、『学習した範囲内の知識で解答できる問題』を作成しなければなりません。テストは、受講者に教材を通じて学習した内容を問い、その理解度を測ることを目的としています。問題を作りやすい理由で、学習の範囲外にある概念や考え方を題材とすることはやめましょう。これは受講者に混乱をもたらすほか、問い合わせの増加要因になってしまいます。

ストレスなく解答できる
テスト問題を作成する際に大切なのは、『受講者の立場』で考えることです。例えば学習していないことについて問われた受講者は、「こんなこと学習してない!」と混乱するでしょう。また、たとえ学習の範囲内の知識を問う問題であったとしても、問題の内容によっては、学習者に不要なストレスを感じさせることがあります。簡単な問題から徐々に難易度をあげましょう。解けない問題が多ければ多いほど学習意欲は低下し、課題に取り組むこと自体を止めてしまいます。
※テスト問題は、あくまでも学習した内容について明確かつ率直に問うものでなければならない。

質問の意図が分かりやすい
問題を作成する場合には言い切った『断言された文章』をより活用しましょう。言い回しがくどい文や二重否定の文章は誤解や誤った解釈につながる恐れがあります。

画像や動画教材を使う
私たちは、『情報のほとんどを視覚』から得て認識しています。ついつい文字が長くなり、まとまりのない文章になりそうな場合は思い切って画像や動画をどんどん活用しよう。

2.まずは学習教材!eラーニングにおける教材作成の流れ

分析
「何のために教材を作り・誰をターゲットにするのか」「学習時間をどれくらい設け・どこをゴールにするのか」「システムの利用方法」など、教材の作成に必要な情報を検討する。

 ↓ ↓ ↓ 

設計
分析のプロセスで固まった情報をもとに、「教材の仕様書」「学習内容の構造」「作成スケジュール」などの準備を進める。

 ↓ ↓ ↓ 

開発
設計イメージ図をもとに、教材を実際に作っていきます。完成した教材は第三者に見てもらうなどして、分かりやすい・使いやすいコンテンツになっているかを確かめながら修正・作成を進めます。

 ↓ ↓ ↓ 

実施
完成した教材を基に受講者に運用スタート。

 ↓ ↓ ↓ 

評価
一定の期間運用したのち、受講者の受講履歴やアンケート結果をもとにして学習者の傾向を把握し、当初の目的が達成できているかを分析します。これらの情報は、教育内容の見直しの際に有益なデータとなります。

Free-Photos / Pixabay

3.教材を作成したら問題・テストを作ろう!

eラーニングにおける「問題・テスト作成」の具体的な流れを確認していきましょう。基本的に問題は以下の流れで作成します。

何をどのような基準で測るのかを決める
「試験内容の理解度を確認すること」が主な目的ですが、その理解度の広さや深さは、テストと対を成す学習教材の目的に応じて変わります。以下の3点について確認しましょう。
▼ テストと対を成す「学習教材」の目的は何か?
▼ 学習教材を踏まえたテストの目的は何か?
▼ 受講者の理解度を測る基準は?

※このポイントを前提に問題の作成基準を設定しましょう

問題の仕様(種類、出題形式、解説の有無、合格基準など)を決める
問題の目的が固まったら、その目的を達成するために必要となるテストの仕様を検討します。検討すべき主な仕様としては以下があります。
▼テストの種類
テスト形式にはいくつかの種類があります。目的に応じて最適な種類を選びましょう。
事前テスト:学習者の現時点での実力測定をするためのテスト。
事後テスト:事前テストの結果と比較することで学習者の知識の獲得度合いを測る。
確認テスト:学習単位ごとの理解度を測ることを目的としたテスト。
修了テスト:学修コース全体についての理解度を測り、設定した基準点を達成した場合には修了とするテスト。

▼テストの出題形式
出題形式としては、「択一式」「複数選択式」「○×式」などが一般的に利用されています。受講者の理解度をより厳密に測りたい場合は、「○×式」よりも「択一式」、「択一式」よりも「複数選択式」を選ぶとよいでしょう。さらに難易度をアップさせる方法として「ランダム出題」があります。これは、テストを実施するたびに問題の出題順を変えるというものです。このほか、選択肢の順番を変える「選択肢シャッフル」もあります。※解答を文章で記載させる記述式もあります。この記述式に関しては、テスト実施後の採点が難しいことを理解しておきましょう。➡難易度「○×式」<「択一式」<「複数選択式」

▼解説の要否
採点後に解説を出すか出さないかを決める必要があります。学習教材の内容について単純に問う問題については解説は不要です。なぜなら、合格基準を下回る点数しか取れなかった場合には、知識があやふやな部分についてもう一度学習してから確認テストを受けたほうがより高い学習効果が見込めるからです。

演習形式の問題の場合には、基本的に解説をつけます。演習式は、学習教材で学んだ知識を織り込んだ応用問題なので、なぜその解答になるのか分かり難いことがあるからです。応用的な考え方を身に付けてもらうためにも、解説は有効です。
➡この場合、テストは単に「測るもの」ではなく、それ自体に「学び」の要素が含まれることになります。

▼合格基準
テストには合格基準を設けるのが一般的ですが、その基準は、学習内容や学習目的に応じて調整する必要があります。下記の例のように、100%の得点率とする場合もあります。

受講者全員に必要最低限の知識を習得させたい場合には 70%
一定の水準をクリアしていれば問題ない場合は 80%
完璧な対応が求められる場合は 100% など

問題の仕様に合わせて原稿を作成する
▼設問文の仕様統一
設問文の仕様はできるだけ統一するようにしましょう。仕様が複数あると、学習者にストレスを与え、解答作業に集中できなくなる可能性があるからです。テストの原稿は「です・ます」調、または「だ・ある」調で作成します。気をつけたいのは、2つの調子が1つの文章内に混在しないようにすることです。この場合も、学習者に不要なストレスを与えてしまいます。

問題作成ツールを使って実際に作成する
原稿が完成したら、実際に作成していきます。ここでは、当社の問題作成ツール「Quiz Generator」を使った制作手順について簡単に説明します。まず、作成ツールに取り込むためのファイルフォーマットに準拠した原稿を作成します。以下は弊社の教材作成ツールにテスト原稿を取り込むために使用するExcel・テキストファイル画面の一部です。


このファイル(原稿)をツールに取り込んで作成した教材のイメージは以下のようになります。
サンプル問題弊社のツールで作成したサンプル問題
※このように、問題作成ツールに対応したファイル(原稿)さえ作成すれば、問題・テストの作成は短時間(数分程度)で実施することができます。また、改訂作業も容易になります。

詳しい作業手順はこちらからご確認いただけます
テキストファイルで問題を作る
エクセルで問題を作る

テストの実施結果を分析して改善する
作成した教材をLMSに搭載して運用しますが、作成してばっかりでは意味がありません。テスト結果の分析や学習者へのアンケート結果をもとに次の施策作りに取り組むこと、あるいはテスト自体の改善に取り組むことが大切です。分析のポイントとしては以下があります。

・目的を達成することができたか
・問題と学習者のレベルは合っていたか
・合格基準は適切だったか
・学習者はストレスを感じていなかったか etc.
➡このような分析と改善の継続的な実施がテストの品質、さらにはeラーニングを活用した教育研修の品質を高め、学習者の満足度の向上につながります。

4.まとめ

今回、eラーニングを用いた問題作成に関するお話しをしました。新たな発見などはあったでしょうか?
簡単に振り返ってみましょう。

・eラーニングの目的は何か?をまず考えよう。
・eラーニングにおける教材作成の流れを把握しよう。
・教材を作成したら問題・テストを作ろう。
・問題作成ツールを活用して効率化しよう。
・テストの実施結果を分析して改善しましょう。

最後に、テストは、実施したら終わりではありません。テスト結果や学習者の声(評価)を分析して次の施策、あるいはテストの改善につなげていく必要があります。そのためにも、テスト作成の担当者は、学習教材の内容に精通することが求められます。テスト作りは大変ですが、目的を明確にした上で、手順を踏んで制作すればそんなに難しくはありません。この記事を参考に是非、問題作りに挑戦してみてください。

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