コンプライアンス経営とは?実施の方法から成功させるポイントまで
企業が長く経営を続けていくためには、コンプライアンスへの配慮が欠かせません。とはいえ、コンプライアンスとはそもそも何を意味するのか、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。コンプライアンス違反が社内で起こることのないよう、コンプライアンスについてしっかり把握しましょう。
今回は、コンプライアンス経営の詳細について、重要視される背景や違反例を紹介します。コンプライアンス経営を実施する方法や、実施時のポイントなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
コンプライアンス経営とは?重要視される背景
コンプライアンス(compliance)は「法令遵守」を意味する言葉であり、コンプライアンス経営とは法令を遵守した上で、企業倫理を大切にしながら実践する経営を指します。
企業が経営を続けるためには、社会から信用されることが重要です。しかし、粉飾決算など企業の不祥事が相次いだ背景もあり、コンプライアンスという言葉がよく聞かれるようになりました。
企業による不祥事が多発する現在、1つの不祥事が企業に大きな損害を与える可能性もあります。一方、不正に対するリスク管理ができている企業は、社会から信用されて企業価値も高まります。企業経営において、コンプライアンスを意識することはとても重要です。
コンプライアンスを強化するメリット
コンプライアンスを強化できれば、企業にとってうれしいメリットがたくさんあります。具体的なメリットを紹介します。
1つ目のメリットは、長期的な利益を考えられることです。コンプライアンスを意識しない経営では、目先の利益だけを追求してしまうケースがよく見られます。しかし、コンプライアンスを意識することで誠実な価値観で物事を判断でき、長期的な視野に立って利益を生み出すことができます。
2つ目のメリットは、投資家からの評価が高まることです。投資家の中には「企業の社会的責任(CSR)」を重視する人もいます。企業に対する監視の目が厳しい現在、コンプライアンス経営を重視している企業は投資家から評価され、資金調達などの場面で有利に働きます。
目次に戻るコンプライアンス違反の例
企業によるコンプライアンス違反にはいろいろな例がありますが、その中でも今回は3つの違反例を紹介します。
労働基準法違反
現在は働き方改革が推進されているものの、長時間労働や残業代の未払いを筆頭に、労働基準法に違反する経営を行う企業は少なからず見られます。コンプライアンス違反の中でも、よく見られる例と言えるでしょう。
個人情報の漏えい
個人情報保護法の改正により、個人情報の扱いに対する世間の視線は非常に厳しくなっています。セキュリティ対策に力を入れていても、不正アクセスによって個人情報が漏えいするケースは珍しくありません。
ハラスメント
「セクシュアルハラスメント(セクハラ)」や「パワーハラスメント(パワハラ)」など、ハラスメントの種類は非常に多くなっています。行動・言動がハラスメントに当たるかどうかは、受け取り手の感覚によって決定されます。
以前であればハラスメントに当たらないと考えられていた行動・言動が、現在はハラスメントに当たることもあるので、行動・言動には十分な注意が必要です。
目次に戻るコンプライアンス経営を実施する方法
コンプライアンス経営を実施する方法はいろいろあるので、どの方法が合っているのか検討して実施しましょう。ここでは5つの方法を紹介します。
業務プロセスに潜むリスクを洗い出す
コンプライアンス違反は、日常的な業務から発生する可能性があります。ですから、日頃の業務プロセスに隠れたリスクが潜んでいないかどうか、洗い出すことから始めましょう。
具体的な方法として、社員にヒアリングを実施する方法があります。労働時間が長くなりすぎていないか、マニュアルは適正かどうかなど、組織に対する不満の有無を確認することがポイントです。
コンプライアンス研修を実施する
全従業員を対象にしたコンプライアンス研修の実施は、従業員の倫理観やモラルの育成に効果的です。社内で守るべきルールや、世間的に常識とされていることなどを共有しましょう。
また、法令に関する知識の教育も欠かせません。法令に関する知識がない状態では、従業員はコンプライアンス違反をしていることに気付かない場合があります。
社内風土の見直しを実施する
研修でコンプライアンスの大切さを訴えても、業務の場面で実践するためには、従業員の意識を変える必要があります。成果を優先するあまりコンプライアンスに対する意識が薄れている状態なら、まずは社内風土を見直しましょう。
不正が発覚した場合の対応などを経営陣が発信し、従業員にコンプライアンス経営の重要性を伝えることがおすすめです。
文書などを適切に管理する
日々多くの文書を取り扱う場合、文書を適切に管理することが求められます。機密性の高い文書が誰でも手に触れられるような状態になっていたり、ファイリングがされていなかったりする場合は、管理方法を再考しましょう。
紙での管理に限界を感じているなら、ペーパーレス化を進める方法がおすすめです。簡単に共有できたり、印刷代などのコストをカットできたりするなど、たくさんのメリットがあります。
コンプライアンス相談窓口を設置する
会社内で不正が横行することを防ぐためには、コンプライアンスに関する相談窓口を設置しましょう。内部から不正を明るみにできる環境があれば、何か問題が起こったときも迅速な対応ができます。
なお、内部通報者に対して不利益な扱いをしないなど、通報者の意思を尊重することが大切です。
目次に戻るコンプライアンス経営を実施するときのポイント
コンプライアンス経営を実施するには、ポイントを押さえておくことが重要です。以下の2つを意識してコンプライアンス経営を実施しましょう。
経営者がリーダーシップを発揮する
経営者が「コンプライアンス経営を実施する」という強い姿勢を発揮しなければ、従業員はコンプライアンスの重要性を認識できないでしょう。不正は絶対に起こさないことを徹底し、経営者が本気でリーダーシップを発揮することで、従業員のコンプライアンスに対する意識が高まります。
コンプライアンスの専任者を育てる
長期にわたってコンプライアンス経営を実施するには、自社でコンプライアンスの専任者を育てましょう。第三者によるチェック機関を利用する方法もありますが、あらかじめ社内で担当者を育てておけば、外部人材に頼る必要がなくなります。
外部の勉強会に参加させるなどして、可能であれば部署ごとに専任者が配置できるよう努めましょう。
目次に戻るまとめ
今回はコンプライアンス経営の概要について、コンプライアンス違反の例などを踏まえつつ解説しました。
企業活動を継続する上では、会社はコンプライアンス強化に取り組むことが大切です。経営者がコンプライアンスの重要性を認識しつつ、リスクマネジメントにも取り組みましょう。
社内でコンプライアンスに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のコンプライアンス研修コンテンツをご活用ください。
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