多様化する採用試験とWebテスト、どんな種類がある?

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就活や転職(中途採用)の選考プロセスにおいて、必ずと言って良いほど採用試験が行われます。受験する側の対策はもちろん、実施する企業でも自社に最適な採用試験を選び、準備する必要があるでしょう。

今回は多様化する採用試験を紹介しながら、導入パターンや実施する際の注意点も見ていきましょう。企業の人事で採用担当者を務める方は、ぜひ参考にしてみてください。

採用試験の種類

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企業が実施する採用試験の種類は、大きく分けて次の3つです。

筆記試験

筆記形式で能力を測る試験方法です。具体的な試験内容は、社会人として必要な資質があるかを確かめるための一般常識問題、どのような考えを持っているのかを確かめるための論作文などがあります。

また技術系・専門職メインの企業であれば、その分野に関する専門試験も課されることが多いでしょう。

適性検査

職業に対する素養や性格を判断する適性検査があります。適性検査は自宅のパソコン、もしくはテストセンターで受検が可能です。詳しくは後述しますが、SPI3、CAB、GABなどは多くの企業で採用されています。

面接試験

対面で自己PRや志望動機を聞き取る試験です。面接には個人面接や集団面接、グループディスカッションなどがあります。筆記試験ではわからないような、人柄を評価するときに用いる試験方法です。最終的な合否を判断する際に必須の試験と言えるでしょう。

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採用試験の導入パターン

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採用試験は大きく分けて筆記とWebの二つのパターンが存在します。どちらにもメリット・デメリットがあるので、企業の特性に合わせて選ぶようにしましょう。

筆記採用試験

まず筆記採用試験のメリット・デメリットを見ていきましょう。

筆記採用試験を導入するメリット

筆記試験は、応募書類だけでは判断できない応募者の人柄を判断できるのがメリットです。自社で実施する場合は、挨拶ができているか、ビジネスマナーが備わっているかなどもチェックできます。

また会場と時間を設定すれば試験を監督しやすくなるので、不正も防げるでしょう。

筆記採用試験を導入するデメリット

筆記採用試験は手作業で行うため、集計までに時間やコストがかかってしまう点がデメリットです。そして企業によっては、委託ではなく自社の担当者が採点や結果の管理をすることもあり、社員に負担がかかってしまいます。

また問題用紙の作成による費用のほか、運搬が必要となればサービス料金や保管費用などが別途発生することもあるかもしれません。

Web採用試験

次にWeb採用試験のメリット・デメリットを見ていきましょう。

Web採用試験を導入するメリット

Web採用試験を導入するメリットは、何と言っても検査結果の集計や分析が簡単にできることです。特に応募者の多い総合職の採用試験は、Webが最適と言えるでしょう。

また紙で管理しないので、情報の破損や紛失といった問題も起こりません。そして作業効率が上がることで、採用期間の短縮や採用コストの削減もできます。

Web採用試験を導入するデメリット

Web採用試験のデメリットは、本当に本人が受けているかどうかを確認しづらいことです。実際に一部の企業では、替え玉受検やWeb採用試験代行による問題が起こっています。

そのため、正確に実施するのであればWebであっても試験を監督する、本人確認書類を提示させるといった企業側の対策が必要になるでしょう。

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Webテストの種類

採用試験を行うときに用いられるもの、いわゆるWebテスト(適性検査)も数多くの種類があります。主に次のとおりです。

  • SPI
  • CAB
  • GAB
  • TAP
  • IMAGES
  • 内田クレペリン検査
  • IMAGES
  • 玉手箱
  • TG-WEB

SPI(Synthetic Personality Inventory)

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参照 : https://www.spi.recruit.co.jp/

SPIは、受検者の性格と基礎能力を測定する適性検査です。リクルートマネジメントソリューションズ社が提供するもので、多くの企業で採用されています。特に新卒採用に用いられることが多い適性検査ですが、最近では公務員試験でも採用されています。

出題は言語と非言語、性格検査の3つから構成されています。言語では国語の知識が、非言語では数学や算数といった数理の知識を問うのが特徴です。性格検査は、日ごろの行動や考え方について問われます。
SPI自体の難易度はそこまで高くありませんが問題数が多く、時間配分も考慮しなくてはいけません。

筆記以外にも、自宅によるWeb受検や専用会場(テストセンター)の受検があります。なおSPIは2005年、2013年と順次バージョンアップが行われており、SPI3が最新版です。

CAB(Computer Aptitude Battery)

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参照 : http://www.shl.co.jp/

CABはComputer Aptitude Battery(コンピューター職適性診断テスト)の略で、主にSEやプログラマーを対象に行われる適性検査です。CABの出題範囲は下記の4つです。

  • 暗算
  • 法則性
  • 命令表
  • 記号

いずれも事務処理能力や知的能力、適性などを問うものばかりです。そして、チームワークやヴァイタリティといった9つの特性についてもリサーチできます。
基本的にマークシート形式の筆記試験で実施されますが、Webテスト版のWeb-CABもあります。

GAB(Graduate Aptitude Battery)

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参照 : http://www.shl.co.jp/

GABはGraduate Aptitude Battery(総合適性診断テスト)の略称で、総合的な適性検査です。総合商社や専門商社、証券会社などSPIと同じく、多くの採用試験に用いられています。

言語や非言語、性格診断が出題科目です。SPIと似ていますが、GABは処理能力を問う能力試験が中心で解答スピードが求められています。
GABは筆記試験のほか、テストセンター(C-GAB)や自宅のWebで受検可能です。

TAP

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参照 : https://www.tap-tekisei.com/

TAPは飲食業界や流通業界、金融業界などで実施されることが多い適性検査です。知名度は他に比べると低めですが難易度が高く、質の高いテストをが実施できます。TAPは下記3つからテスト形式を選べるのが特徴です。

  • 総合タイプ:能力問題と性格問題を出題するスタンダードなテスト
  • 性格タイプ:性格問題のみで、試験時間も15分と短め
  • 短縮タイプ:総合タイプよりも試験時間が30分と短い

能力検査では四則計算や損益算、n進法など数学的知識を中心に出題され、マークシート形式の筆記とWebで受検ができます。

IMAGES

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参照 : http://www.shl.co.jp/

IMAGES(イメジス)とは、新卒の総合適性検査で用いられることのある適性検査です。内容はGABと大きく違いはありませんが、IMAGESは能力検査と性格検査がそれぞれ30分ずつと短時間で行えるのが特徴です。「多くの募集があるので、基礎的な能力を短い時間で測定したい」という企業の採用で選ばれています。

言語や非言語のほか英語問題もあり、応募者の英語力を確かめたいときにも利用できる適性検査と言えるでしょう。

内田クレペリン検査

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参照 : https://www.nsgk.co.jp/uk

内田クレペリン検査は、日本・精神技術研究所が実施している独自の心理テストです。簡単な1桁の計算を前半・後半15分ずつ行うもので、受けた人の精神が安定しているかどうかがわかります。単調な作業を漏れなく精密にできるかどうかを確かめられるので、企業だけでなく官公庁でも取り入れられているのが特徴です。

なお、内田クレペリン検査はWebに対応しておらず、基本的に筆記のみで実施されます。

玉手箱

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参照 : http://www.shl.co.jp/

玉手箱は、CABやGABで知られる日本エス・エイチ・エルが提供する適性検査です。自宅で受検できるWebテストとして、大手企業でも広く実施されています。言語と非言語、英語といった能力テストのほか、企業とのマッチングや就業意欲を測る性格テストで構成されているのが特徴です。

1問あたりに使える時間が短く、1問を10秒程度で解かなければいけません。応募者の正確性とスピードを測るのに最適な適性検査です。

TG-WEB

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参照 : https://www.humanage.co.jp/service/assessment/service/tg_web.html

  TG-WEBは、言語・非言語や性格適性を測定する適性検査です。まだ知名度は低いものの、SPIや玉手箱よりも難易度が高く各企業でも導入の動きが広がっています。

非言語分野では暗号を読み解くような問題が出題され、他の試験とは色味が異なります。
TG-WEBは基本的に筆記はなく、Webとテストセンターで受検が可能です。

learningBOX

参照 : https://learningbox.online/

learningBOXには、受検者の特性や知識レベルを把握することができる診断テスト作成機能があります。求める職種に必要なスキルや能力に合わせて、適切な質問を臨機応変に自分で用意できることが特徴です。

分析した結果をもとに、受検者の適性や能力に応じた適切な対応を行うことができるでしょう。採用判断の参考にもなります。

また診断テストを作成するだけでなく、テストの実施状況や結果も管理することができます。

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適性検査を実施する際の注意点

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採用試験に適性検査を用いれば、採用活動に役立つデータが手に入るでしょう。ここでは外部の適性検査を実施する際の注意点やポイントを紹介します。

信頼性に注目する

外部の適性検査を実施する場合、その適性検査の信頼性の高さをチェックしましょう。低コストで導入できたとしても、信頼性のないものを活用すれば十分な効果が得られないからです。

具体的には「どのような企業が導入しているのか」「年間受検者数はどれくらいか」といった導入実績を見れば信頼性を確かめられます。

自社ニーズに沿ったものかを確認

次に自社のニーズに沿ったものかどうかを把握しましょう。適性検査で得られた情報を、採用以外の場面でも役立てることが重要だからです。正しく導入することで採用後の評価や人材配置、育成もしやすくなります。

調べるのが難しい場合は、実際の導入事例を見てみましょう。同業他社の導入事例があれば、自社にとってもニーズを満たしてくれる適性検査だと言えます。

検査結果を鵜呑みにしない

適性検査は採用に役立ちますが、あまり結果だけにこだわり過ぎないようにしましょう。応募者の体調や状態によって結果が変わることもあるからです。また結果は良くなかったとしても、入社後に高いパフォーマンスを発揮する社員が出てくるかもしれません。

あくまでも適性検査は一つの採用プロセスであると理解・認識し、面接で実際に話してみたときの印象や応募書類の内容もしっかり加味することが大切です。

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まとめ

さまざまな種類の採用試験を紹介しました。採用試験の多くは、筆記試験もWeb試験も受けられますが、メリットとデメリットの両方があります。自社にとって最適な能力検査、適性検査を取り入れるようにしましょう。

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