人材育成

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ビジネススキルが学べるeラーニング「KaWaL eLearning」で、楽しく学べて仕事で使えるスキルを身に付ける ~社内で使ってみた[中堅社員研修]~

みなさんの会社では、中堅社員の研修に関してどのような課題をお持ちでしょうか。自身の成長のために、積極的に新しい仕事に取り組むような向上心・主体性を育てたいという思いはありつつも「一人ひとりのキャリアに沿った個別の道筋を提供できていない」「どのような研修内容を実施すべきか迷っている」という方も少なくないのではないでしょうか。 今回はこのようなお悩みをお持ちの研修担当・人事部門の方に、楽しく学べて仕事で使えるスキルが身に付くeラーニングコンテンツ「KaWaL eLearning」(カワル イーラーニング)をご紹介します。社員研修に役立つさまざまなコンテンツが収録されており、今回はlearningBOXの中堅メンバー2人が実際に研修を受講しました。その感想を交えつつお伝えします。 KaWaL eLearningとは 人材育成に関わる全ての人の悩みを解決すると同時に、メンバーの“行動がカワル"をコンセプトとした「株式会社チェンジ」が提供するeラーニングです。受講一辺倒の学習スタイルではなく、受講者が成果物を作成・反復できる仕掛けを組み込んだ学習を提供しています。新入社員や若手の研修はもちろん、中堅社員の研修にも活用できるコンテンツが揃っています。 KaWaL eLearningの特徴 「課題」に取り組むから身に付く、「楽しく学べる」から続く 子どもが一生懸命ドリルに取り組んで漢字を覚えるように、人は課題に取り組み、成果物を作ることで初めて学びを得ます。KaWaL eLearningは、視聴しながら課題に取り組むという新しい映像学習のスタイルです。楽しく学べるからこそ続けやすいと好評です。 必要なビジネススキルだけに絞った無駄のないカリキュラム インターネットで検索をすれば多くの情報が手に入りますが、本当に必要なものを探し出し、習得するには苦労が多いものです。KaWaL eLearningでは、人材育成のプロが本当に必要なカリキュラムに絞ることによって、無駄を省き効率的な学習を支援しています。 100万人を超える若手育成の経験 創業以来100万人(※1)を超える若手の成長を応援し、現場で活躍するためには「何をどのように学べば効果的か」「どんなところでつまづくのか」を問い続けてきた豊富な経験に基づき、カリキュラムを構成しています。 ※1 株式会社チェンジ調べ KaWaL eLearningのラインアップ KaWaL eLearningは全てのビジネスパーソンに必要な内容が満載の学習カリキュラムです。学習者の年次に合わせたコースを設計しているため、最小限の時間でビジネススキルが習得できます。新入社員や若手の意識醸成はもちろん、話題のリスキリングやスキル向上にも役立つコンテンツです。 KaWaL eLearningのコース紹介 ※上記以外にも複数のコンテンツがあります。詳細はこちらをご覧ください。 目次に戻る 「プロジェクト型業務の進め方」受講してみた 今回は数あるコンテンツの中から「みんなが使える!プロジェクト型業務の進め方」を、営業部の中堅社員Oが受講しました。プロジェクト型業務の進め方を学習し、VUCA時代(※2)における業務の効率化を学習するコンテンツです。 ※2 VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取ったもので、将来の予測が困難な状態のことです コンテンツの構成 1章 プロジェクト型業務の働き方とは コロナ渦やVUCA時代によって、今まで以上に先々まで考えて行動する必要が出てきており、PMBOK(※3)に基づいた内容を、普段のプロジェクト型業務で使えるようにエッセンスを抽出し、動画で分かりやすく解説されています。 ※3 PMBOKは「Project Management Body Of Knowledge」の略で、プロジェクトマネジメントの基準となる知識体系です 2章ゴール設計 この業務を行った結果、何がどうなっていたら良いかを明確にする「業務のゴール設計」、何を最優先してその業務にあたるべきかを必ず整理・確認するなどの「スコープ(要求・要件の定義)」、「最終アウトプット(成果物)の定義」などについて順序立てて紹介されています。 3章 計画策定スキル さまざまなタスクを抱える日常に応用するための「計画策定の概要」、「作業の構造化(タスクの分類とスケジュール管理)」、作業開始タイミングを前倒しするなどの「リスクの洗い出しと対応」、「コスト(費用)の見積」についてを学び、最後にプランニングチャート作成などの演習問題を実践します。 4章 人間関係スキル タイミングとタスクを整理して依頼するという「仕事に必要なコミュニケーションとは」、「ステークホルダーを理解する」、巻き込んで動いてもらうためのポイントを学ぶ「ステークホルダーを巻き込む」について確認し、演習でステークホルダーマップを作成します。 5章 実行管理スキル 社内外の人に対する「交渉スキル」、報告の4要素(進捗、成果、問題点、残作業)や相手の気持ちを受け止め理解するなどのメンバー間コミュニケーションが重要となる「業務実行中のコミュニケーション」について理解したら、社内交渉に関する演習を実施します。 理解度チェック(テスト) 「みんなが使える!プロジェクト型業務の進め方」の確認テストを制限時間20分で解答します。 実際の学習画面。「みんなが使える!プロジェクト型業務の進め方」の動画から 受講してみた感想など O:私は新規開拓などを行うこともあり、今一度自分のスキルを確認する意味でも、この研修を受けてみたいと思い選びました!(顔出しが恥ずかしいのでアイコンで失礼します) 親しみやすく実践的な内容の動画 まず受講してみて感じたことは、動画の内容が非常に実践的であるということです。仕事が上手く回せず悩んでいる社員とそれに対してアドバイスを行う社員のやりとりでストーリーが進んでいきます。各章に進む前にワークシートのダウンロードもあります。 「締め切りに追われて自分のペースで仕事が進められない」といった個人のスキルに関する悩みや、「他の社員との連携の方法が分からない」など普段からの心掛けが重要なものも含まれており、単なるスキルの習得になっていない点が特長的だと思いました。動画も20分前後と受講しやすい時間設定になっています。 感覚に頼りがちな概念を体系立てて理解できる 普段薄っすらと聞き及んでいる業務改善の方法や、やった方がいいと言われている手法を部分的に取得されている方も少なくないのではないでしょうか。そういった普段なんとなく意識していることを体系立った理論として整理し、学ぶことができます。 例えば◆タスク管理のため業務を洗い出しWBS(work breakdown structure:作業分解構成図)を作成する ◆利害関係者をステークホルダーと呼び、関連する社員などもステークホルダーとして意識する、など体系だった理論として学ぶことができます。 全てのビジネスパーソンに共通する内容 このコンテンツはあらゆるビジネスパーソンにおすすめの内容だと思いました。「プロジェクト」というと、どうしても弊社ではSE(システムエンジニア)、PM(プロジェクトマネージャー)などのエンジニア職をイメージしてしまいます。しかし動画のテーマは業務を進める上では誰もが感じる悩みだなと思いました。 社内での依頼の仕方や、上司・後輩との付き合い方、関係の築き方など幅広いテーマで学習することができます。リーダーを目指される方はもちろん、上司や先輩の考えていることが分からず悩んでいる若手の方にも役立つ内容に仕上がっていますよ。 目次に戻る 「自立型人材になる」受講してみた 続いては、営業部の中堅社員Kが「自立型人材になる~期待に応える仕事の進め方~」を受講しました。「自立的に働き、成果を創出する」ことができる人材を目指すべく、仕事の土台として持つべき3つの意識を学習するコンテンツです。 コンテンツの構成 1章 自立型人材と3つの意識 動画では入社2年目の社員と5年目の先輩が登場して、実際のクライアントとの打ち合わせ場面などを通じて、どこが問題だったかを確認していくドラマ仕立てのストーリー展開です。 自立型人材とは、自立的に働き、成果を創出することができる人材であり、自分で仕事の方向性を決め、周囲を巻き込みながら進めることができる人材のことです。ここでは自立型人材としての動きとマインドについて学習します。 2章 先読み思考とは 先読み思考を発揮すると仕事のスピードや質が上がるようになりますが、その先読み思考を発揮するための具体的なポイント「最終的に達成すべきゴールを、具体的に想像する」などについて確認します。 3章 全体感とは 全体感を身に付けると、他のチームとも整合をとりながら動けるようになり、業務全体の目的達成に向けて円滑に動けるようになりますが、その全体感を発揮するための具体的なポイントについて説明されています。 4章 優先順位とは 優先順位を理解することで、より重要な仕事に注力して効率的に仕事を進めることができるようになりますが、ここでは優先順位を発揮するための具体的なポイント「緊急度を正しく把握する」などについて解説されています。 5章 ENDING、理解度チェック(テスト) まとめとして、これまでの章を振り返って復習をしたら、最後に「自立型人材になる」の確認テストを制限時間20分で解答します。 実際の学習画面。「自立型人材になる~期待に応える仕事の進め方~」の動画から 受講してみた感想など K:私自身が、指示をもらってからの方が行動に移しやすいと感じていますが、このままではいけないと思い、この研修を選びました! 目的が明確で、理解しやすい 動画の時間も10分前後のものがほとんどで、集中して学習することができました。全体のカリキュラムの時間もちょうど良く、途中で離脱することなく受講できました。内容も実際に仕事でよくあるシチュエーションで共感できる場面が非常に多く、すぐに自分の業務に反映できそうだなと思いました。 この章ではどういったスキルが身に付くのかというところが明確で非常に受講しやすかったです。研修にありがちな目的を見失うということがなかったように思います。また理解度チェックでは、覚えた内容からの応用問題もあり、学習効果を実感することができました。 どのような職種でも活用できる内容 自立型人材というと少々分かりづらいですが、自己管理能力、主体性、チームワークなどが必要となります。この自立型人材に求められるスキルこそが、さらに年次を重ねてステップアップするには必須だと感じました。 自立型人材は、どのような職種にも求められるスキル、心構えであり、幅広く役に立つと思います。自分のスキルに自信が持てていないと感じる方は、一度受講してみることをおすすめします。 ほかにも、中堅社員の研修におすすめのコンテンツはこちら! ★仕事のさばき方 ~仕事に追われず、仕事を追うビジネスパーソンになる~仕事が忙しいのは、仕事がコントロールできていない状況にあるためで、“仕事を追う”ビジネスパーソンになるためのポイントについて学ぶことができます ★OJTトレーナーの心構えOJTトレーナーとして押さえるべきポイントやコミュニケーション方法を、ゲームを通じて楽しみながら理解できます。初めて指導担当者になる方に最適です 目次に戻る 令和に通用するビジネススキルを身に付けよう 楽しく学べて仕事で使えるスキルが身に付くeラーニングコンテンツKaWaL eLearningを、learningBOXメンバーの感想等を交えてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。 人手不足が深刻化する中、労働生産性のさらなる向上が求められ、リスキリングの必要性が叫ばれるなど、ビジネスパーソンに求められるスキルは日々高くなっています。KaWaL eLearningの受講を通して、令和に通用するビジネススキルを身に付けましょう。 企業や団体の人材育成を強化するなら、企業で必須となる研修コンテンツが複数用意されている「learningBOX ON」をご活用ください。「KaWaL eLearning」も搭載されており、無料体験コース(無料版では、KaWaL eLearningの一部の内容をお試しいただけます)もご用意しています。登録方法についてはこちらの記事をご覧ください。 「learningBOX」にまだ登録されていない方も、10名までなら無料・無期限でほぼすべての機能(有料オプションを除く)がご利用いただけるフリープランも用意していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。 KaWaL eLearning詳細についてはこちらのページをご覧ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る

KaWaL診断の「社会人基礎力 客観診断」で、効果的な若手育成を~社内で使ってみた[若手社員×上司の1on1]~

みなさんの会社では、若手の育成や能力評価についてどのような課題をお持ちでしょうか。「現状のチェックシートは抽象度が高く使いづらい」「効果的な1on1の実施はどうすれば?」「若手社員が人事評価に納得感を持っていない」等の声をよく耳にします。今回は、このようなお悩みをお持ちの研修担当・人事部門の方に、若手本人と上司の双方の目線から若手の「社会人基礎力」を知る客観診断ツール「KaWaL診断」をご紹介します。learningBOXメンバーが「KaWaL診断」を実際に使用し、その結果を基に1on1を実施した様子を交えてお伝えします。 社会人基礎力とは 初めに社会人基礎力という言葉の意味や定義を解説します。そして近年、社会人基礎力が重視されている理由にも触れます。まずは基本から確認してみましょう。 社会人基礎力は経済産業省が提唱した概念 社会人基礎力は、2006年に経済産業省が提唱した概念です。「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力と、12の能力要素から構成されています。12の能力要素については下図を参照してください。 社会人基礎力は“人生100年時代の社会人基礎力”へ 2006年に「人生100年時代」や「第四次産業革命」の下で発表された「社会人基礎力」ですが、現代においてはさらにその重要性が増しており「人生100年時代」ならではの切り口・視点が必要となっていました。 このような状況を踏まえ、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」とし、新たに定義されました。 社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素について、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切り開いていく上で必要と位置づけられています。 【参考】 経済産業省 / 社会人基礎力 目次に戻る KaWaL診断について KaWaL診断は、人材育成事業等を手掛ける「株式会社チェンジ」が提供している「社会人基礎力 客観診断」です。その概要についてご紹介します。 KaWaL診断とは 社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素を、本人及び上司(育成担当者)の双方の目線で診断します。比較グラフやチャートに落とし込むことで、若手の能力を可視化することができるアンケートタイプのアセスメントツールです。 「具体的な行動基準(パフォーマンス・スタンダード)」を尺度としたアセスメントツールのため、主観によるブレを小さくおさえ、客観的な診断を実現しています。 【参考】 KaWaL診断 KaWaL診断は若手育成におすすめ 内定後、入社後、1年目終了時などに複数回診断することで、強み・弱み、成長課題、上司と本人の認識ギャップ等について分析でき、社員の「今後の自己開発やキャリア形成」に役立てることができます。 また業界の平均と本人及び上司(育成担当者)の評価も比較できるようになっており、同業界における本人の立ち位置が客観的に把握できます。 複数回の診断を実施し、客観的な自己分析が可能となることで、本人の強み・弱みが明確になり、伸ばすべき能力が見えてきます。 目次に戻る 社会人基礎力 客観診断について それでは、ここからはKaWaL診断の「社会人基礎力 客観診断」の内容について見ていきましょう。アンケートタイプでサクサクと回答を進めることができ、結果も即日確認することができるようになっています。 社会人基礎力 客観診断の内容(自己診断・上司診断) 社会人基礎力 客観診断では、社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素に関する質問が36問用意されています(自己診断・上司診断共通)。本人と同じ項目で上司が評価することで、能力に対する認識のギャップを可視化し、適切な育成が可能となります。 「自己診断」では、自分の日々の行動に最も近いと考える選択肢を選び、回答を進めていきます。「上司診断」では、診断対象者の現在の仕事のやり方の記述として、最も当てはまる選択肢を選び回答を進めます。 36問全てに回答したら「診断する」ボタンを押して完了となります。 質問の一例を掲載します。 learningBOXメンバー、マーケティング課の若手・廣田と、マーケティング課の課長・依田が実際に診断を実施してみました! マーケティング課 廣田いのり(若手) ★実際に診断を受けてみた印象について36問もあって、結構大変かなと思ったのですが、直感的に答えていけるので、そこまで苦に感じることなく完了できました! マーケティング課 課長 依田さおり(上司) ★実際に診断を受けてみた印象について改めて、廣田さんの普段の仕事ぶりなどを振り返りながら回答していくという作業ができて、自分の頭の中も整理できたと思います! 社会人基礎力 客観診断の結果について 社会人基礎力 客観診断は、直感的なUIで結果が見やすく、成績表は本人の診断後すぐに確認することができます。社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素別にスコア化されており、上司診断との比較や、業界平均との比較なども表・グラフ化され、感覚的に理解することができるよう工夫されています。 直感的なUIと見やすい成績表で、結果が分かり、行動につながります この診断は、診断対象者の社会人基礎力(社会人として仕事をしていくうえで必要な力)が、どの成長段階にあるかを調べるためのものです。診断の結果は、診断対象者が今後成長していくために、どのようなことに取り組めばよいかを知るための手助けになります。 learningBOXメンバー、マーケティング課の若手・廣田と、マーケティング課の課長・依田が診断結果を確認してみました! マーケティング課 廣田いのり(若手) ★診断結果を見た感想について表やグラフがとても見やすく、確認するのが楽しいです!自分の強みや弱みなど、思いもしなかった部分がピックアップされていて新たな発見がありました。 マーケティング課 課長 依田さおり(上司) ★診断結果を見た感想について本人の診断と上司診断の結果がチャート上で分かりやすく示されている点が特に良いと思いました。どこにズレがあるのかがすぐに分かりますね。 目次に戻る 社会人基礎力 客観診断を1on1に活用しよう 社会人基礎力 客観診断では、本人及び上司(育成担当者)の双方の目線で診断を行うことで、上司と本人の認識のギャップが早期に明らかになり、伸ばすべき能力が明確になります。診断結果を活用し、効果的な1on1の実施につなげましょう。 ここからはマーケティング課の若手・廣田と、マーケティング課の課長・依田の1on1の様子も交えてお伝えします。 認識がズレている行動基準の認識を合わせよう 成績レポートでは、上司と本人の認識のズレがあった場合「上司とギャップのある能力要素」という項目が表示されます。上司と本人の、普段の行動に対する認識のズレが一目瞭然となり、本人の成長のための次のアクションを検討することができます。 上司と本人による1on1の実施によってズレを解消し、若手の能力開発を促しましょう。 実際の診断結果より ★実際の1on1の様子 廣田(若手)は兵庫県の本社勤務、依田(上司)は東京勤務のため、オンラインで1on1を実施しました 依田(上司):「計画力」でギャップがあったと出ていますね。物事を進めるにあたって、ゴールを設定することが大切であることは理解できていると思います。そこから、関係者とコミュニケーションをとって目指すゴールの共通認識を持つところからやってみましょう! 廣田(若手):そうですね。自分が考えているゴールとの認識のズレがあったこともあるので、まずはそこから意識して始めたいと思います! 依田(上司):共通認識が持てたら、ゴール達成に向けて、作業を分解してやるべきことを明確にしてみましょう。困ったことや分からないことがあれば、いつでもサポートするので声を掛けてね! 強み・弱みを確認し、とるべき行動を確認しよう 成績レポートでは、上司・自己診断結果によって抽出された診断対象者の「強み」「弱み」がそれぞれ3項目ずつ表示されます。またチャートでは、同じ部署内などの「グループ平均」との比較もできるようになっており、本人の立ち位置が客観的に把握できます。 上司は曖昧なイメージではなく、本人の日ごろの行動に対してフィードバックができるようになるでしょう。 実際の診断結果より:強みの項目 実際の診断結果より:弱みの項目 ★実際の1on1の様子 依田(上司):まずは「強み」の部分からですが、「柔軟性」という面では、これまでのやり方に固執せずに、状況に応じて柔軟にやり方を変えていますね。特に意見が対立した際は、相手の立場や主張の背景をできるだけ理解し、お互いの妥協点を見出そうとしている点もすばらしいと思います! 廣田(若手):ありがとうございます。なるべく相手の立場に立って考えて、仕事がうまく進むように心掛けています。 依田(上司):とても良い心掛けですね!さらに成長するために、他の人の考え方や価値観の違いを受け入れたら、その中で自分にないものを新たに取り入れて活用してみてはどうかしら? 廣田(若手):実践してみます!「弱み」の創造力についてですが、これは自分でも不足していると感じています。興味のあることはいろいろと調べるのも楽しいのですが… 依田(上司):そうよね、私たちの仕事の範囲はとても広くて、もちろんあまり興味の湧かない内容もあると思うのよね。課の勉強会でもさまざまな題材を取り上げるけれど、最新のトレンドやテクノロジーに常にアンテナを張って、自身の視点も加えつつ周囲に共有する、ということをやってみませんか? 廣田(若手):はい!視野や発想を広げることを常に意識して、がんばってみます! 過去診断との比較で成長を可視化しよう 複数回診断すると、上司診断・自己診断それぞれについて、過去の診断結果と比較することができます。3つの能力/12の能力要素それぞれについての成長が可視化されるので、育成の成果と課題が明確になります。 育成計画のPDCAサイクルを回すためには、継続的にアセスメントを行う必要があります。伸ばすべき能力が本当に身に付いているのかを定期的にチェックし、次のアクションにつなげることができます。 実際の診断結果より:過去の診断との比較 ★実際の1on1の様子 依田(上司):「課題発見力」がわずかに下がっているようだけれど、前回の診断時から振り返ってみて、どうだったかしら? 廣田(若手):日々の業務に追われていて「何か改善できるところはないか」「次はどう改善できるか」という視点が持てていなかったように感じています。 依田(上司):バタバタした時期だったものね。課題があっても、その課題の原因を見極めて、解決しようとするのには労力が必要ですからね。さっき言ってくれたように、課題に直面した際には「何か改善できるところはないか」「次はどう改善できるか」という視点を持って、その課題の根本的な原因は何か、自分なりに考えてみるところから実践してみましょう! マーケティング課 廣田いのり(若手) ★実際に1on1をしてみた感想自分だけの診断結果ではなく、上司の診断結果もあるので、“客観的に”自分の今の社会人基礎力について知ることができたのがとても新鮮でした。また結果を見ながら実際に1on1をすることで、次はどう行動しようと自分の中でも具体的にイメージできたのが良かったです! マーケティング課 課長 依田さおり(上司) ★実際に1on1をしてみた感想従来の診断とは違い、客観的な指標が示されることで、1on1でもより具体的に日頃の行動を振り返りながら話すことができたと思います。若手の自己開発やキャリア形成に役立てることができるツールだと感じたので、今後もぜひ活用していきたいと思いました! 目次に戻る 人材育成に客観的な指標を取り入れよう 社会人基礎力を知る客観診断ツール・KaWaL診断を、learningBOXメンバーの感想等を交えてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。 人材育成が上手くいった、あるいは失敗したとき、それをノウハウとして蓄積するためには、客観的なデータが不可欠です。人材の客観的かつ定量的なデータが蓄積されることで、 若手育成の営みを会社の資産(育成ノウハウ)にも昇華させることができます。 企業や団体の若手社員などの育成を強化するなら、企業で必須となる研修コンテンツが複数用意されている「learningBOX ON」をご活用ください。「KaWaL診断」も搭載されており、無料体験コース(無料版では、KaWaL診断の一部の機能をお試しいただけます)もご用意しています。登録方法についてはこちらの記事をご覧ください。 「learningBOX」にまだ登録されていない方も、10名までなら無料・無期限でほぼすべての機能(有料オプションを除く)がご利用いただけるフリープランも用意していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。 KaWaL診断詳細についてはこちらのページをご覧ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る

リスキリングとは?定義から導入、推進方法までを徹底解説

生産性向上を目的とした既存事業の抜本的な改革、DX文脈を含む新規事業の開発・拡大などを目的として、「プロフェッショナル人材」の採用や既存社員の教育(リスキリング)に力を入れていこうとしている、あるいは既に力を入れている企業は増加の一途をたどっています。 一方でプロフェッショナル人材の確保は、採用コスト・採用機会の観点から容易ではなく、既存社員をリスキリングすることで、既存事業の改革やデジタルを活用した新規ビジネスの開発など、企業の新しい価値創出に向かっているケースも見られます。 しかし、リスキリングを推進していても成果につながりづらく失敗を繰り返していたり、リスキリングという言葉が社内で一人歩きしているだけで、具体的な推進方法が分からなかったりと、お悩みの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、リスキリングの定義から、導入・推進方法まで分かりやすく解説していきます。リスキリングに課題を感じている方、導入をご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。 リスキリングとは リスキリング(reskilling)とは、新しい職業につくために、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを習得する・させることを指します。世界に目を向けると、生き残りをかけて多額の投資が行われており、企業戦略の一つとなりつつあります。日本では、政府の「骨太の方針2021(2021年6月)」や経団連の「新成長戦略(2020年11月)」においてデジタル人材の育成やリスキリングの必要性が言及されるなど、国内で関心が高まっている分野です。 リカレント教育・学び直しとの違い リスキリングはリカレント教育や学び直しと混同されることがありますが、その本質や目的はまったく異なります。職を離れる「リカレント教育」や単純な「学び直し」は、あくまで現在の役割をより良くこなすための個人のスキルアップにすぎません。一方、「リスキリング」は企業が新たな価値創出を目指すための事業戦略の一環なのです。 リスキリング リカレント教育 定義 新たな業務に必要なスキルや知識を習得すること 生涯にわたって教育と就労のサイクルを繰り返すこと 目的 既存社員を新たな役割におけるプロフェッショナル人材にすること 現在の役割をより良くこなすためのスキルアップ 学びの主体 企業 個人 リスキリングが注目される理由 リスキリングが注目される理由として、DXやGX(グリーントランスフォーメーション)の普及・推進が挙げられるでしょう。企業はこれらの影響により、戦略から製品・サービス、業務フローまで、企業経営の大幅な変革を迫られつつあります。その結果、消滅する職務だけでなく新たな職務や業務フローが生まれ、対応できる人材の確保が急務になってきているのです。 目次に戻る リスキリングが必要とされる背景 リスキリングが必要とされる背景を「市場動向」「経営戦略」「人材戦略」の3つのポイントから見ていきましょう。 市場動向 一つの大きな背景として、外部環境(市場)の急速な変化が挙げられます。主な要因を3つ挙げていきます。 デジタルを中心とした技術の発展(DX・GX) SDGs・ESG・LGBTQなど、企業の社会的な適任やソーシャルインパクトを重視する潮流 新型コロナウイルスのパンデミックなどによる半強制的な社会の移り変わり 経営戦略 市場動向の変化に伴い、企業の経営戦略は「既存の枠組みにとらわれない経営の志向」が必要となってきています。既存事業においては、デジタル活用による事業改革や業務効率化が、新規事業においてはDXを念頭に置いた開発・拡大がそれぞれ必要となるでしょう。 人材戦略 市場動向と経営戦略を踏まえると、新たな価値を創造できるプロフェッショナル人材の確保が必須になっていきます。しかし、以下2つの点から人材の採用・確保は困難と言わざるを得ない状況です。 圧倒的な売り手市場で、慢性的にプロフェッショナル人材が不足している 企業に潤沢な予算や採用におけるストロングポイントがない限り、プロフェッショナル人材の採用を人材戦略の主軸に据えられない つまり、新たな人材を採用するよりも、既存社員をプロフェッショナル人材へ育てるリスキリングが求められているのです。 目次に戻る リスキリングに取り組むメリットとは リスキリングが注目される理由や必要とされる背景を踏まえたうえで、実際に取り組むメリットを紹介していきます。 人材不足の解消 前節で触れた通り、新たな価値を創造できるプロフェッショナル人材の確保は困難になりつつあります。既存の社員にリスキリングを行い、事業に必要なスキルを持った人材を育成することで、社内での人材確保が可能となります。さらに、人材不足を解消しながら採用コストの削減も期待できるでしょう。ただし、人材採用と比較して、既存社員のリスキリングには時間と相応のコストがかかります。 業務効率化 リスキリングによってデジタル技術を習得できれば社内のDX化が進み、既存業務の自動化・効率化による時間短縮やコスト削減に加え、正確なデータ分析やデータの一元管理も可能となります。業務を効率化することで、より高度で新しい業務に取り組む余裕が生まれ、さらには残業時間の減少による人件費の削減、ワークライフバランスの向上なども見込めるでしょう。 新しいアイデアの創出 リスキリングで新たなスキルを獲得することによって、既存の枠組みを超えた新しいアイデアを創出できる可能性が高まります。新たなスキルやアイデアは新規事業の立ち上げ・成長につながるだけでなく、既存事業への貢献も期待でき、企業全体の成長にもつながっていきます。 企業を理解した既存社員による新規事業への取り組み 高度なプロフェッショナル人材を外部から採用した場合でも、経営理念やパーパスなど「企業そのもの」と合わなかったり、既存業務との連携や既存社員とのコミュニケーションが円滑に進まないリスクがあります。企業文化や業務に精通した既存社員をリスキリングすることで、リスクを減らして新規事業に取り組むことが可能となります。 目次に戻る リスキリングの進め方と押さえるべきポイント 以下に挙げた5つのステップに沿って進めることで、今、企業に求められているリスキリングを進めることができます。 STEP1:対象スコープ(範囲)設定 まず、経営戦略や事業戦略から、リスキリングの対象となる職種を定めます。対象職種を重要性×必要数で象限分けして、重要性が高く、かつ必要数が多い領域の職種を対象とすることをお勧めします。限られたリソースの中で、新たな価値創出に最もインパクトの大きい職種を優先させることが重要です。 STEP2:職務/能力要件定義 対象スコープを定めたら、対象職種の職務概要を明文化し、必要な能力要件(例:小・中規模のプロジェクトマネジメントスキル)を定義します。能力要件を定義したら、各能力を学習要素レベルに細分化しましょう。能力要件に含まれる学習要素を取り入れながら研修プログラムを開発することで、効果的なリスキリングプログラム構築に役立ちます。 STEP3:研修体系構築 次に、研修体系を構築します。研修体系の構築とは、到達させたいゴールに対して、必要な研修プログラムや学習プロセスを設計することを指します。リスキリング施策を通して到達させたいゴールはSTEP2で定まっているため、各研修のゴール、ゴールから逆算した研修プログラムの開発、学習定着を促す前後施策の検討、学習の前後関係や並行関係を加味した学習プロセスの構築など、リスキリングの研修体系をチェックしていきましょう。 STEP4:研修実施 研修体系が構築されたら、スケジュールにのっとり研修を実施します。研修実施においては、講師の選定と講義の準備が極めて重要です。講師には、学習要素に精通していること、学習者の受講意欲・理解度にかなった講義を実施でき、急なトラブルにも対応できる柔軟な運営力が求められます。抜かりない準備と柔軟な運営で、STEP3で描いた絵を実現させましょう。 STEP5:効果測定・フォロー/次施策の高度化 一連のOff-JTを終えたら、Off-JTの効果の最大化・測定と、OJTのフォローを推進します。リスキリング施策を通したゴール・各研修のゴールを達成しているか測定し、足りていない部分は別途ケアをします。Off-JTの追加実施・受講環境の整備を始め、OJTを推進する現場との連携、OJTのモニタリングが手段として有効です。また、当該施策で判明した改善点や継続的に採用する点は次のリスキリング施策の高度化に向けたインプットになります。 目次に戻る まとめ この記事では、リスキリングの定義から導入、具体的な推進方法まで解説しました。リスキリングを実施することで、既存事業の改革や人材不足の解消、DX文脈を含む新規事業の開発・拡大など、さまざまなメリットが生じます。 リスキリングの実施においては、研修体系の構築と研修実施が重要なポイントとなりますが、運用に適したツールの一つとして「learningBOX」をおすすめします。eラーニングシステムのlearningBOXは、研修教材の作成配布・成績管理・受講者管理の機能がひと通り揃っています。誰でも簡単にWeb学習環境を構築できるのがおすすめのポイントです。 さらに、多彩な研修コンテンツを追加できる「KaWaL eLearning」と組み合わせれば、より研修の幅がより広がるでしょう。リスキリングの施策では、ぜひ研修コンテンツ作成の内製化に便利なサービスをご利用ください。 learningBOXのフリープランなら10アカウントまで無料でご利用いただけます。まずはお気軽にお試しください。 ※この記事は、株式会社チェンジさまのお役立ち資料を基に執筆し、同社に監修いただいたものです。リスキリングを推進しプロフェッショナル人材を育てるサービス「リスモア」を提供されていますので、記事を通じて興味を持たれた方はぜひご確認ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る

失敗しない!ナレッジマネジメントツールの選び方と活用ポイント

ナレッジマネジメントツールとは、組織や個人が持つ知識や技術・経験といった情報を効果的に収集・共有・活用する目的で導入されます。ナレッジマネジメントに適したツールがさまざまな企業からリリースされているため、どのような基準で選定するか迷われる方が多いのではないでしょうか。 この記事では、ナレッジマネジメントツールの選び方と、導入後の活用ポイントについて解説していきます。ナレッジマネジメントツール導入をご検討の際はぜひ参考にしてみてください。 ナレッジマネジメントとは ナレッジマネジメント(KM:Knowledge Management)とは、企業や組織において個人が持っている知識や経験、ノウハウを集約・共有し、組織力の向上に生かす一連のプロセスのことです。 企業・組織が保有しているナレッジには、個人が仕事を通して感覚的に得たもの(暗黙知)と、社内の誰が見ても理解できるよう言語化・文書化され、組織に共有されるようになった客観的な知識(形式知)の2つがあります。 ナレッジマネジメントにおいては暗黙知を形式知に変換し、共有・活用することが重要です。 ナレッジマネジメントの手法「SECIモデル」 SECI(セキ)モデルは、ナレッジマネジメントを実現するための代表的なフレームワークです。大きく分けて4つのステップに分けられます。 共同化(Socialization):共通体験を通して暗黙知を伝達させるプロセス 表出化(Externalization):個人の暗黙知を言語化し、メンバー間で共有するプロセス 連結化(Combination):表出された形式知を組み合わせて新たな知を創造するプロセス 内面化(Internalization):新たに得た形式知を暗黙知として体得するプロセス SECIモデルに取り組む際は、4つのステップを循環させるのが成果をあげるポイントです。 目次に戻る ナレッジマネジメントツール導入のメリット ナレッジマネジメントツールの導入で得られる主なメリットは、「運用の効率化」「属人化の防止」の2つです。組織内のコミュニケーションや知識共有が促進され、生産性の向上や持続的な成長の実現が期待できます。以下で2つのメリットについて確認していきましょう。 運用の効率化 ナレッジマネジメント運用の効率化という面では、以下のメリットを得ることができます。 検索性の向上:データベースにアクセスすることで必要な情報が取り出しやすくなり、作業時間の短縮につながります。 重複作業の回避:情報がすでに存在しているかどうかを確認することができるため、情報の登録や更新作業の重複を防止します。 チームワークの強化:情報の共有や協業が簡単に行えるようになります。複数のメンバーが同じプロジェクトに関わる場合、即時に情報を共有して意見やアイデアを交換することでチームワークが向上し、効率的な業務遂行が可能となります。 属人化の防止 ナレッジマネジメントツールの導入により、個人が保有する豊富な経験やスキルといった高度な情報を共有できるようになるため、属人化の防止という点でも以下のメリットを得ることができます。 ナレッジの消失防止:社員の異動や退職があってもノウハウが失われることなく、業務を遂行できるようになります。 業務の見える化:個人が感覚的に獲得した暗黙知が言語化され業務フローが明確になるため、ナレッジの共有が進みマネジメント体制の整備にもつながります。 組織全体のレベル底上げ:ベテラン社員や優秀な社員の働き方を他の社員が習得することにより、組織全体の知識やスキルを底上げすることも可能です。 属人化が排され業務の見える化が実現できれば、業務上のミスやトラブル防止にもつながるでしょう。 目次に戻る ナレッジマネジメントツールの種類 ナレッジマネジメントツールは組織・個人内の知識や技術・経験などの情報を集約し、体系化してデータベースを構築します。その機能や用途によって、主に以下の4種類に分類できます。 ヘルプデスク(FAQ)型 よくある質問と回答(FAQ)を体系的に分かりやすくまとめ、社内外からの問い合わせを自己解決するタイプのツールです。カスタマーサポートやヘルプデスクチームのユーザー対応など、組織における業務の作業手順や関連知識に素早くアクセスする目的で導入されます。 ドキュメント管理(ファイル共有)型 組織内で文書やファイルを共有、整理、検索するために使用されます。ドキュメントをアップロードし共有できるだけでなく、アクセス制限や更新情報などの管理機能も備えたツールを導入することで組織内の情報共有がより効率化されるでしょう。 マイニング・検索特化型 大量のデータやドキュメントから価値ある情報を抽出し、素早く検索できるタイプのツールです。テキスト管理や機械学習の技術を活用して、文書内のパターンを識別し、関連情報を見つけるのに役立ちます。社内向けの検索エンジンとして、情報収集などに利用されます。 知識共有(グループウェア)型 個人が持っている知識や情報を組織内で効果的に共有し、協業を促進するために使用するツールです。グループウェア機能(グループチャットや掲示板などのメッセージング、ファイル共有、タスク管理など)を組み合わせていることが一般的であり、チームの生産性を向上させるのに役立ちます。 目次に戻る ナレッジマネジメントツールを選ぶ際の基準 ナレッジマネジメントツールの種類について確認してきましたが、導入を検討する際はどのような点を重視すると良いのでしょうか。価格や機能面だけで選ぶのではなく、以下に挙げた7つのポイントも重要となります。 1.目的と要件の明確化 ツールを選ぶ前に、まずは利用目的と必要条件を明確化することが重要です。組織として解決したい課題は何か、どのような目的でツールを導入するのか、目的にかなった必要条件は何かを明確にすることで、最適なツールを選ぶ基準を確立させましょう。 2.ユーザーにとって使いやすいツールか ユーザーが使いやすいツールを選ぶことで、個人や組織の持つ知識や情報はより共有しやすくなります。直感的なインターフェースか、専門的な知識がなくても簡単に登録・更新・閲覧できるか、検索機能が使いやすいかどうかなどを確認しましょう。無料試用期間やデモンストレーションの活用、既存ユーザーのレビューを参考にすることも有効です。 3.カスタマイズと拡張性 中長期的な運用を考慮して、組織のニーズに合わせたカスタマイズが可能か、機能を付加できる拡張性があるかも大事な要素です。ツールが柔軟性を持ち、組織独自のプロセスやワークフローに適応できるかどうかを確認しましょう。 4.モバイル対応とオフライン環境でのアクセス 現代のビジネス環境では、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などモバイルデバイスが重要な役割を果たしています。移動先やリモートワーク中の自宅など、社外で情報確認や登録作業ができるよう、モバイルデバイス対応かどうかを確認しましょう。 モバイルアプリやレスポンシブデザインを備えたツールであれば、ユーザーはいつでもどこでもアクセスできます。また、オフライン環境でのアクセスも重要です。ネットワークに接続されていない状況でも情報にアクセスできるかどうかも併せて確認しましょう。 5.強固なセキュリティ ナレッジマネジメントツールで集約・共有される情報は機密情報などを含むこともあり、自社にとって重要な情報資産です。不正アクセスによる情報漏えいなど、脅威に対しては必ずリスクヘッジをとる必要があります。導入を検討しているツールのセキュリティについても必ず確認しましょう。 6.導入後の定着支援(カスタマーサクセス) ナレッジマネジメントツールを導入した後も、効果的に活用するための継続的な支援が重要です。ツールの提供元がカスタマーサクセス(CS)プログラムを提供しているかどうかは選定時の重要なポイントの一つです。CS担当者による導入支援や操作トレーニング、定期的なアップデートや技術サポートなど、導入企業がツールを最大限に活用できるようなサポートが提供されているか確認しましょう。これにより、組織内でのナレッジ共有と効果的なコミュニケーション・協業が促進されます。 7.利用コストと費用対効果の評価 ナレッジマネジメントツールを選ぶ際には、利用コストと費用対効果の測定も重要です。導入時の初期費用と利用料、カスタマイズやカスタマーサポートにかかる追加費用、メンテナンス費用など、導入・運用にかかるコストを把握すると良いでしょう。費用対効果の評価については以下のような指標を用い、導入前後の数値変化を測定・比較することをおすすめします。 情報共有や問題解決にかかる時間やリソースの変化 特定のタスクやプロセスの実行にかかる時間の変化 目次に戻る ナレッジマネジメントツール活用の際の注意点 次は、ナレッジマネジメントツール利用の際に注意しておきたいポイントについて詳しく見ていきます。以下の4つのポイントを参考に、ツールを有効に活用していきましょう。 1.ナレッジマネジメントツール活用の目的を設定する 4章の「ナレッジマネジメントツールを選ぶ際の基準」でも触れましたが、まずは活用目的の設定が必要です。社員間でどのような情報を共有し、どのようにツールを利用するのかを明確にするための重要なステップです。 ポイントはユーザーの目線で設定すること。「業務効率を向上させる」「新規プロジェクトの進行をスムーズにする」「新入社員の教育を効率化する」など、具体的な目的を設定することで、ツールの利用方法や必要な情報共有の内容が明確になります。 2.共有するナレッジを明確にする ツール活用の目的が設定できれば、共有すべきナレッジも明確になってくるでしょう。例えば技術的な知識、業務マニュアル、社内研修資料、市場動向など、共有したいナレッジを確定させます。共有すべきナレッジが決まったら、「どのような方法で共有するか」も活用のポイントです。具体的には以下の3つが挙げられます。 FAQ形式でまとめる 検索性を上げて、ナレッジを探しやすくする ツール内のチャットや掲示板を活用する 共有方法については、ナレッジの用途や利用する社員のレベルなどによって最適な方法は異なります。ユーザーの意見をくみ取りながら、ベストの共有方法を選択しましょう。 3.ナレッジマネジメントツールを業務に取り入れる仕組みをつくる ツールの有効活用には、日々の業務に組み込むための明確な仕組みが求められます。定期的な情報更新や修正のスケジュール設定、ツール利用のスキルアップを目的とした社内研修の実施、実際の業務に応じて段階的にツールを取り入れるなど、ナレッジ共有・活用のための仕組みづくりが必要です。 4.業務フローの改善と効率化 ツールを活用した業務フローの文書化やプロセスの見える化などにより、ボトルネックを特定し効率的な改善方法を見つけることが可能となります。ワークフロー管理やタスク管理機能を活用すれば、作業の進行状況を把握しながら必要な調整や優先順位付けを行うこともできるようになり、組織全体の生産性向上と競争力の強化につながるでしょう。 また、ツールの運用によってデータが蓄積されていきます。データを基に構築した仮説から改善案を作成し、実行後に改善できたこと・できなかったことを振り返りながら次の改善案を考える「PDCAサイクル」を実践しましょう。 目次に戻る ナレッジマネジメントツールを有効に活用しよう 本記事では、ナレッジマネジメントツールの選び方と活用方法について解説しました。組織の導入目的を明確にして、利用したい人が誰でも簡単に使えるか、導入後に定着するよう適切なサポートがあるかなど、ポイントを押さえてツールを選ぶのが理想的です。 ナレッジマネジメントに適したツールの一つとして、「learningBOX」をおすすめします。eラーニングシステムのlearningBOXは、教材の作成配布・成績管理・受講者管理の機能がひと通り揃っています。誰でも簡単にWeb学習環境を構築できるのがおすすめのポイントです。 さらに、多彩な研修コンテンツを追加できる「learningBOX ON」と組み合わせれば、オリジナル教材を設計し、ナレッジ共有の幅がより広がるでしょう。ナレッジマネジメントの施策では、ぜひ研修コンテンツ作成の内製化に便利なサービスをご利用ください。 learningBOXのフリープランなら10アカウントまで無料でご利用いただけます。まずはお気軽にお試しください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る

【マニュアルの作り方】手順・ポイント・必須ツールを徹底解説

社員のレベルに関係なく業務の質を標準化させるために重要なのがマニュアルです。効率的な業務の遂行や社員のスキルアップのためにも、マニュアルは欠かすことはできません。しかし「マニュアルの必要性は理解しているが作成のための知識を持っていない」とお悩みをもつ経営者や役職者の方も多いのではないでしょうか。 この記事では、効果的なマニュアルを作成するにあたっての手順やコツ、必須ツールなどを解説していきます。これからマニュアルを作りたい、内容を一新させたいと考えている方はぜひ最後まで読み進めてください。 マニュアルとは マニュアルとは、ある業務を遂行するにあたっての手順やポイントなどを一つの文書にまとめたものです。業務に携わる全員が同じ成果を挙げつつミスを防ぐために運用され、業務の標準化や体系化を目指す上で必要不可欠です。マニュアルがあることで、新入社員や異動してきた社員が業務の質を保ちながら、迅速かつ正確に業務を実行できるようになります。 手順書とのちがい マニュアルと似た意味を指す言葉としては「手順書」が挙げられますが、両者の根本的な性質は異なります。以下の表で確認してみましょう。 マニュアル 手順書 役割 業務の手順に加え、概要・背景・理由も説明する 手順を具体的に説明する 内容 業務全体をスムーズに進めるための手順を網羅的にまとめた文書。業務全体のフロー・ノウハウ・ルールなど、幅広い情報が提供される。 具体的な作業手順を示した文書。作業手順が細かく記述され、工程と作業の進め方がまとめられている。 記入範囲 業務全体 業務を分解した特定の作業 マニュアルは業務全体についてまとめられているのに対し、手順書の範囲は業務を分解した特定の作業となっている点がポイントです。 マニュアルが必要な理由 では、業務遂行にあたってなぜマニュアルが必要とされるのでしょうか。主な理由としては以下の4点が挙げられます。 業務の効率化 業務中に作業ミスや手戻りなどの時間と労力が削減され、業務効率化につながります。 業務品質の向上 業務フローが明確になるため、作業の抜けや品質のばらつきが少なくなり、業務品質の安定化・向上が見込めます。 属人化の防止 業務の手順やコツ、ルールがマニュアルに明文化されることで、業務の属人化防止にもつながります。マニュアルによって業務手順が共有されるため、標準化を図ることができるでしょう。 人材育成の効率化 必要な情報を素早く伝えることで、新たに配属された人員が効率的なスキル習得や組織への適応が可能となるため、より早い段階で実務にあたれるようになります。 目次に戻る マニュアル作成の手順 次に実際のマニュアル作成の手順について紹介します。工程は、下記の5段階に分けられます。 STEP1:目的と利用者を明確にし、対象範囲を決める まずはマニュアル作成の最初のステップとして「マニュアルの目的は何か、誰が利用するのか」を明確にしましょう。この2点を明確にすることが、マニュアルに必要な情報を正しく選択し、利用者のレベルに合った内容のマニュアルを作るコツです。 目的と利用者が明確になったら、次にマニュアルの対象範囲を決めていきます。「新入社員の教育」「新しく部署に配属された人向けの資料」など、運用の目的に沿って対象範囲を明確にすることで、十分な効果を発揮しやすくなります。 STEP2:完成までのスケジュールを設定する 作成すべきマニュアルが決まったら、完成までのスケジュールを決めましょう。まずはマニュアルをリリースしたい期日から逆算して必要な期間と工数を割り出し、各工程の期限も設定していきます。 全体の業務のうち、マニュアル作成にかけられる時間も考慮しながらスケジュールを決めていくことで、無理なく作業を進めることができます。例えば、4月入社の新入社員向けマニュアルであれば、2月から3月までには完成させておくと良いですね。 STEP3:業務内容や作業手順を整理してまとめる マニュアルに記載する業務内容や作業手順を整理しておきましょう。関連するタスクや手順をグループ化し、それぞれの関係性を明らかにすることで漏れや重複がないかを確認でき、情報を取捨選択することができます。 STEP4:構成案を作成して目次を確定させる マニュアルの全体像を分かりやすくするために、骨子となる全体の構成を決めていきましょう。そのマニュアルで何を伝えたいのかを全て洗い出した上で、体系的に構成案を作成するのがコツです。 目次を整えて全体構成が決まれば、STEP3で整理した情報をマニュアルのどこに当てはめていくのかが見えてきます。また構成が固まった時点でマニュアル作成の関係者・責任者にも確認を取ることで、本文作成後の手戻りが減り、効率的に作業を進めることができるでしょう。 STEP5:マニュアル本文を作成する 構成・目次が完成したら、いよいよマニュアルの内容を詰めていく段階です。STEP4の構成をベースとして具体的に業務や指示事項を記載していきます。文章だけでなく図や表も効果的に組み込んでいくことで、読み手が理解しやすい内容となるでしょう。 目次に戻る マニュアル作成・運用のポイント マニュアルを作成するにあたって重要な点は、読み手に分かりやすい内容を意識することです。あまりに難解な内容では、必要なスキルを効率的に得ることが難しくなるでしょう。ここでは、分かりやすいマニュアルを作成するためのポイントを6点紹介します。 5W1Hを意識する マニュアルを作成する際には、5W1Hを意識しましょう。5W1Hとは「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」のことで、この6点を意識しながら作成すると相手に伝わりやすい内容となります。 実際にマニュアルを読むのは、当該業務の初心者です。業務に慣れていない人であっても読むだけでどのように業務を進めていくのか理解できる内容を目指しましょう。 読み手のレベルに合わせた文体・内容にする マニュアル作成においては、文体や内容を読み手のレベルに合わせることも非常に重要です。例えば読み手が新入社員だった場合には、業界に精通した熟練者しか分からない専門用語や業界独自のルールをまとめても正確に理解することは難しいでしょう。 こういった懸念を避けるためにも「誰が読んでも分かりやすい内容」であることを押さえておくことが大切です。 重要な点を明確にする マニュアルは必要な情報を網羅しなければならない性質を持っており、文量が多くなりがちです。マニュアルの情報量は多ければ多いほど、重要な点が見えづらくなり、読み手にとって理解しにくいものとなります。 そのため、重要な点は太字や赤字、サイズを大きくするなどして強調することを意識しましょう。箇条書きや番号付けを取り入れるのも効果的です。 マニュアルを作成した目的を記載する マニュアルの内容を正確に把握し、実務に生かしていくためには「マニュアルが作られた目的」を読み手が理解する必要があります。マニュアルを作成する際には目的もしっかりと記載するようにしましょう。 「なぜ従わなければならないのか」という理由付けがなくては、読み手が無意識にマニュアルの内容を軽んじる可能性もあります。「これまでマニュアル無しでやってきたら多くのミスが生じてきた」などの理由を記載し、意図を効果的に伝えられる内容にすることが大切です。 図やイラストを活用する マニュアルを作成する際には、できるだけ図やイラストを挿入して視覚的に分かりやすい内容にすることを心掛けましょう。煩雑な手順や細かい内容を伝える際には、文字だけでは情報がすぐに入ってこない可能性があります。図やイラストを適宜使用することで、マニュアルが読みやすくなり理解度も向上するでしょう。 マニュアルを運用・改善する マニュアルが完成し、実運用に携わる人に配布した後は、使いながら改善も行っていきましょう。最初に完成したマニュアルを実際に運用してみると、内容の漏れや作成時には想定していなかったシチュエーションなどが出てくる可能性があります。適宜改善を行い、より完成度の高いマニュアルにアップデートしていくことが必要とされます。 目次に戻る マニュアル作成から運用まで一元管理するならプラットフォームが効率的 マニュアルは作成・公開後の適切な運用が非常に重要なポイントです。プラットフォームを利用することで、マニュアルへのアクセス性を向上させ、利用者は必要なタイミングにすぐにマニュアルを閲覧できるようになります。プラットフォームの導入により生じるメリットを見ていきましょう。 時間とコストの節約に 従来の紙のマニュアルや電子マニュアルによる運用と比較して、プラットフォームは情報の共有、更新、管理を簡素化して、管理者・利用者にとって使いやすい環境を提供してくれます。紙のマニュアルでは必須になる印刷もデジタルに置き換えられるため、コストの節約にもつながります。 マニュアルの更新・変更もスムーズ マニュアルの更新や変更が誰でも簡単に行えるようになるだけでなく、更新・変更を利用者に自動的に通知したり、フィードバック機能によってマニュアルの改善点を収集するなど、運用の効率化・最適化を図ることも可能です。 選ぶプラットフォームによっては、マニュアル自体を作成できる機能があるので、そのようなシステムを選ぶと作成から運用まで一元管理できるので便利ですね。 learningBOXのご紹介 learningBOXは教材の作成や配布、採点、学習者の管理など研修に必要な機能が揃った学習管理システムです。LMSとしての利用だけではなく、プラットフォームとしてマニュアル作成・運用においても多くの方々にご活用いただいています。 マニュアル作成・運用でlearningBOXを活用するメリット5つ 動画やPDFなど、豊富な教材形式で簡単にマニュアルを作成できる 社内に点在しているマニュアルをlearningBOXに集約し、効率的に一元管理できる 学習管理機能を活用して、社員のマニュアル理解度・習熟度を把握できる マニュアルを基にテストを作成し、社員教育に活用できる マルチデバイス(PC・スマホ・タブレット)で利用できるため、場所を選ばずマニュアルの確認・更新が可能に learningBOXの活用事例 「learningBOX」を業務マニュアル作成・運用に活用している2つの事例をご紹介します。 株式会社No.1 日本全国の中小企業を取り巻く、オフィス環境・業務効率・経営環境をトータルでサポートしている株式会社No.1は、マニュアル作成や社内研修、認定試験対策などの幅広い用途でlearningBOXを活用しています。 これまでは、社外では紙でしかマニュアルを確認できませんでしたが、learningBOX導入によって社外でもスマートフォンでマニュアルを閲覧できるようになり、業務効率化につながっています。 株式会社ナック 個人宅や企業などで愛飲されている宅配水「クリクラ」を提供している株式会社ナック は、配送員のサービスレベルの向上・均一化を目的としてlearningBOXを導入しています。 マニュアルを基にテストを作成し、全国の配送員に受験してもらうことで、マニュアルに立ち返り業務知識を深める取り組みをしています。テストを継続的に続けることで社内にも浸透してきており、スタッフも前向きに取り組めるようになったと実感されています。 目次に戻る まとめ 今回はマニュアルの作り方や手順、ポイントなどについて解説しました。 マニュアルがあることで、さまざまな業務を円滑に進められるだけでなく、業務の手順やコツ・ルールが共有されるため属人化の防止にもつながります。 また、マニュアル作成・運用を効率的に行うには、ツールの導入がおすすめです。「learningBOX」は、誰でも簡単に使えて、マニュアル作成の「手間」や「コスト」を削減することができる、プラットフォームです。 フリープランでは、管理者を含め10アカウントまで無料・無期限でほぼすべての機能をご利用いただくことができます。「試しに使ってみたい」という方はお気軽にお問い合わせください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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社員研修の種類│形式・階層・職種・テーマ別の目的や特徴を比較

社員研修は、優秀な人材の育成には必要不可欠です。研修のタイミングは新入社員や中途社員の入社時、人事異動の際に実施する企業が多い傾向にあります。しかし、社員研修にもさまざまな種類があり、どのような研修を実施すべきか悩むケースも少なくありません。 そこで今回は、形式・階層・職種・テーマ別に研修の種類をご紹介します。新しく社員研修を実施する際や既存の研修を見直す際の参考にしてみてください。 社員研修の主な種類 企業では、人材育成やスキルアップを目的として随時研修が実施されています。ここでは、社員研修の種類を実施形式別にご紹介します。 研修形式の種類 OJT研修 OJT研修とは、職場で業務を実践しながら指導を行う教育研修のことです。OJTは「On the Job Training」の略称で、職場内研修とも呼ばれます。職場の新人や若手を対象にした教育手法として用いられることが多い傾向にあります。業務をこなしながら効率的にノウハウを学べるため、研修後は即戦力としての活躍を期待しやすく、多くの企業で採用されている研修方法です。 OJT研修の進め方は、まず先輩社員や上司が手本を見せ、次に本人に挑戦させて指導やフォローを行う流れが一般的です。実践的な内容を学べるため、モチベーションや満足度の向上につながりやすい一方、指導者側の負担が大きくなりやすいデメリットもあります。 Off-JT研修 Off-JT研修とは、実務の現場から離れて行われる教育研修のことです。「Off the Job Training」の略称で、職場外研修とも呼ばれます。 Off-JT研修は、オンライン研修と集合研修に大別できます。オンライン研修とは、Web会議システムなどを通じて受講する研修のことです。パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを利用して研修を実施します。 オンライン研修は「eラーニング研修」とも呼ばれます。対面型の研修とは異なり、時間や場所に関係なく参加できるため、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い注目を集めている手法です。実施コストの削減や学習効率の改善、教育機会の均等化などの効果が期待できます。 一方、集合研修とは一つの会場に講師や受講者が集合して行う、セミナーなどのオフライン形式の研修を指します。集合研修は、座学形式と対話や体験の形式に分かれるのが特徴です。対話や体験の形式では、ロールプレイングやワークショップ、グループワークなどを実施します。    研修の内製化と外部委託 社員研修を外部に委託せずに社内で実施する研修を社内研修と呼びます。一方、研修を外部に委託する社員研修は社外研修といわれています。具体的には、研修カリキュラムや講師、進行役、場所などを委託するのが一般的です。 目次に戻る 階層別研修の種類 社員研修は、社員の役割や階層ごとに求められるスキルや経験が異なることから、一般社員や管理職などの階層別に研修内容を分けて行うケースがあります。続いては、階層別研修の種類をご紹介します。 新入社員向けの研修 新入社員向けの研修は、社会人としての意識改革や基本的なビジネスマナーの習得などを目的に実施されます。ビジネスマナー研修やコミュニケーション研修、ExcelやWordなどのOAスキル研修などが研修テーマの代表例です。 新入社員向けの研修では、OJT研修とOff-JT研修を組み合わせるのがおすすめです。基本的な知識のインプットをOff-JT研修で行い、習得した知識の理解度を確認する場としてOJT研修を用意すると良いでしょう。OJT研修とOff-JT研修を組み合わせた研修に向いている研修テーマには、名刺の受け渡しや電話対応、ビジネスメールの作成など挙げられます。 若手社員向けの研修 若手社員向けの研修は、一般的に2年目~3年目の社員向けに行う研修です。成長途中の若手に対して、仕事を全うする基礎力や目標達成のための応用力を身に付けさせる目的で実施します。 主な研修テーマとしては、セルフマネジメント研修やキャリアマネジメント研修、問題解決能力研修などが挙げられます。主体的な行動力やセルフマネジメント能力、ロジカルシンキングなどを磨き、組織の中心人物へと成長するための考え方やヒントを学ぶ段階です。 中堅社員向けの研修 中堅社員とは、勤続年数だけでなく組織におけるリーダーの補助や、部下との円滑な関係の構築に尽力する人材を指すケースが一般的です。そのため、中堅社員向けの研修ではフォロワーシップ研修やメンター研修を実施し、現場と管理職の橋渡し役となれる人材を育成します。そのほかには、顧客との良好な関係の構築や課題解決能力の向上を目的に、クレーム対応研修を開催している企業もあります。 ただし、中堅社員は組織で中心的な役割を担っており     多忙なケースも多いことから、研修を実施していない企業も少なくありません。次世代のリーダーを育てるためにも、人事部や運営者が中堅社員に求められる能力を明確にし、効率的に習得できる研修を提供する必要があるでしょう。 管理職向けの研修 管理職は、部長や次長など経営層に近い視点で現場をマネジメントし、成果に対する責任を持つ立場の人材です。管理職向けの研修テーマの例としては、リーダーシップ研修やコーチング研修、マネジメント研修、チームビルディング研修、労務管理研修などが挙げられます。 リーダー研修やコーチング研修では部下のケアや指導技術を学び、マネジメント研修やチームビルディング研修などでは人材を適切に管理する能力を養います。管理職の活躍は企業の経営戦略に直結するため、正しいタイミングで研修を実施することが大切です。 目次に戻る 職種別研修の種類 ビジネスパーソンに求められるスキルは職種ごとに異なるため、研修内容も職種に合わせて最適化するのが理想です。こちらでは、営業職・事務職・企画職別におすすめの研修をご紹介します。 営業職向けの研修 営業職向けの研修は、個人や会社全体の営業成績の向上、営業手法の改革などを目的に実施されます。主なテーマとしては、提案力向上や営業戦略の思考力向上、リモート営業のスキル、営業マインドの醸成などが代表的です。 営業研修は、新入社員や若手社員はもちろん、中堅の営業パーソンやベテランにも有効です。経験の浅い社員向けにはビジネスマナーや資料作成などの基礎的な内容も盛り込み、実績のある社員には今までの営業手法をアップデートできる研修にすると良いでしょう。営業職はオフィスを離れる機会が多いため、研修効果を高めるには、eラーニングを活用するなど時間や場所を問わず学習できるよう工夫するのがおすすめです。 事務職向けの研修 事務職向けの研修には、ビジネスマナー研修やセールスマインドの醸成研修、ビジネス文書研修などがあります。事務職の仕事にはルーティンが多く、成果が見えにくいことから、現状の変更に対する意識が希薄になりがちです。そのため、研修の実施によって事務職に求められているスキルを見直し、業務の効率化やミスの防止につなげる狙いがあります。 また、現代のビジネスシーンでは、事務職が顧客の初期対応を行うケースも少なくありません。そのような場合は、電話応対研修やCSマインド向上研修などを実施し、顧客目線を持ったスタッフへと育成する必要があります。 企画職向けの研修 企画職向けの研修は、企業が抱える課題の本質を見抜く能力や分析力、実現可能性のあるアイデアの発想力などを磨く目的で実施されます。主な研修テーマとしては、情報活用や企画力向上、マーケティング思考などが代表的です。 また、発想力が求められるのは企画職だけではありません。顧客と直接向き合う営業職や新たな感性を持った新入社員からアイデアが生まれ、新規事業につながるケースもあります。そのため、企画職向けの研修は、幅広い社員を対象に実施するのが望ましいでしょう。 目次に戻る テーマ別研修の種類 社員研修の効果を最大化するには、自社の課題を洗い出したうえで目的に沿ったテーマを選ぶことが重要です。そこで最後は、テーマ・目的別に研修の種類をご紹介します。 情報セキュリティ研修 情報セキュリティ研修は、情報漏えいやサイバー犯罪といったセキュリティリスクを未然に防ぐために行われる研修です。ビジネスパーソンはあらゆるシーンで機密情報に触れる機会があります。そのため、情報セキュリティ研修は、役職や職種にかかわらず全社員を対象にすることが望ましいといえるでしょう。 また、情報セキュリティ研修は、座学を中心としたOff-JTの形式に適しており、テレワークを導入する際にリテラシーを高める目的で実施されることが多い傾向にあります。情報セキュリティに関する最新の事例やリスクを迅速に共有するには、カリキュラムの追加や変更を柔軟に行えるeラーニングを導入するのがおすすめです。 コンプライアンス研修 コンプライアンス研修は、企業運営に必要な法令遵守の徹底や企業価値の向上を目的に実施されます。コンプライアンスの意味は近年拡大傾向にあり、法令だけでなくモラルや倫理観も含めて意識を強化することが重要です。例えば、研修のテーマにSNSの利用方法を盛り込み、プライベートでの言動が企業に損害を与えるリスクについて理解させるケースもあります。 コンプライアンス研修は、インプットを中心とした学習になりやすいため、Off-JTの形式やeラーニングに適しています。業界や業種ごとに問題となりやすいコンプライアンスの事例をピックアップし、教材に活用するのが良いでしょう。 ハラスメント研修 パワハラやセクハラなどの迷惑行為を未然に防ぐために役立つのが、ハラスメント研修です。上司や管理職向けの研修と捉えられがちですが、ハラスメントはあらゆる立場で生じる可能性があるため、対象者は限定しないほうが良いでしょう。また、全社員に向けて研修を実施することでハラスメントの基準が統一され、問題の早期発見につながるメリットもあります。 ハラスメントに対する認識は、世代や価値観によって変わってきます。そのため、ハラスメント研修は適宜内容をアップデートし、時代に沿ったプログラムを提供することが大切です。 ダイバーシティ研修 ダイバーシティ研修は、多様な人材や働き方を尊重し合いながら業務を行い、企業競争力を高める目的で実施される研修です。労働人口が減少し、人材の流動化が進む現代のビジネスシーンでは、ダイバーシティに関する理解が欠かせません。特に、女性の管理職登用の推進や、外国人・高齢者・障害者の雇用などを進めている企業は、積極的にダイバーシティ研修を実施しましょう。 ダイバーシティ研修は、座学による知識のインプットだけでなく、参加者によるディスカッションの場を設けるのがおすすめです。幅広い考え方や価値観に触れることができ、ダイバーシティへの理解が深まります。 目次に戻る 研修の種類を使い分けて企業が抱える問題を解決しよう 今回は、社員研修の基本的な種類についてお伝えしました。社員研修の効果を高めるには、企業が抱える課題や人材育成の方針に応じて、適切な種類の研修を実施することが重要です。ルーティンで毎年同じ研修を実施するのではなく、自社の課題やゴール、対象者を明確にした上で、新たな研修の構築や内容の修正に取り組みましょう。 研修の際に利用するマニュアル動画の作成や、ナレッジの動画化に活用できるサービスをお探しの方は、「learningBOX」をご検討ください。learningBOXは教材の作成や配布、採点、学習者の管理など研修に必要な機能が揃った学習管理システムです。 また「learningBOX ON」には、企業で必須となる研修コンテンツが複数用意されています。無料で使える情報セキュリティ研修やコンプライアンス研修などもあり、自社で内製したコンテンツと組み合わせることで、オリジナルの研修プログラムを簡単に設計することができます。 10アカウントまでなら無期限・無料でほぼすべての機能がご利用いただけるフリープランも用意していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。    ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る

適性検査とは?実施するメリットと出題問題の例を紹介

多くの企業で採用選考の工程に導入されている適性検査は、書類や面接では把握しきれない応募者の人柄や、仕事への適性を効率的に見極めるための手段として活用されています。 しかし、実際に導入を検討しているけれども、「種類が多いためどのように活用すればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。 本記事では、適性検査の種類や導入するメリットや出題される例題について詳しく解説します。多くの企業で利用されている適性検査もあわせて紹介しますので、導入への比較検討の参考にしてください。 適性検査とは 適性検査とは、人材を公平に見極めるためのテストのことです。面接や書類では見えにくい応募者の能力や性格などを把握するために使用されます。 企業側が求める能力値や、企業理念・社風にマッチした人材を採用するための判断基準に使用されることが多いですが、適性検査結果が良くないからと言って適性ではないとは断言できません。個人の一面を把握する検査として考え活用しましょう。 最近では既存社員の評価やストレス耐性、メンタルチェックなどに使用する企業も増えてきています。 目次に戻る 適性検査を実施するメリット 多くの企業で採用試験に導入されている適性検査は、効率的かつ公平に応募者の人柄や能力を見極められるといったメリットがあります。その他、適性検査を実施するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。 ここでは適性検査を実施するメリットを3つに分けて紹介します。 応募者を客観的に評価できる 適性検査では、履歴書や面接からは見極めにくい応募者の素質や性格、自社への適性を客観的に知ることができるでしょう。 採用試験では学歴や見た目にとらわれない客観的判断も必要です。しかし、特に中途採用の応募者は面接慣れしている人も少なくないため、自社に合った人材なのか見極めるのが難しい場合も多いでしょう。 適性検査を使用すれば採用担当者による評価のばらつきをなくせるので、より高い精度で応募者の選考が可能です。 採用選考の振り返りに活用できる 適性検査の結果は採用選考に利用するだけでなく、採用活動全般で有効活用できます。 例えば、適性検査の結果からどのような人材が自社の選考に集まりやすいのか傾向を知れるので、ほしい人材が集まっていない場合は採用広報を変えるなど対策を立てることが可能です。また、雇用してからの評価や人材配置、育成の場面でも参考にできる結果が得られる適性検査を選べば、採用後もそのデータを活用できるでしょう。 応募者との接触機会を増やせる 適性検査には結果を受検者へフィードバックするサービスがあるものを使用することで、応募者を集めることにも活用可能です。 インターンシップや就活中の学生は自分がどのような仕事・会社に向いているのかを知りたがっている人が多い傾向にあります。そこで、インターンシップ期間や新卒採用時期に「結果をフィードバックします」とアピールすることで注意を引いて集客を狙いましょう。 受講者からすると、自分の能力を客観的に知れる機会にも繋がるため「無料で自分の能力を検査できる」「企業との相性が知れる」といったニーズを獲得できれば、接触機会を増やすことが可能です。その場合、フィードバックシートは理解しやすくわかりやすいものであるか、必ず確認しておきましょう。 目次に戻る 適性検査の実施方式 適性検査の実施方法は、大きく分けてWeb受検と紙受検の2つに分けられます。その中でも受検会場の違いや、運営企業によっても受検方法はさまざまです。 以下では、適性検査の実施方式について詳しく解説していきます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社に適した方法を比較しながら選択しましょう。 マークシート方式 マークシート方式とは、指定のペーパーシートに問題の該当する箇所を鉛筆で塗りつぶして回答する方法です。問題と用紙の用意、採点までを適性検査提供企業が行うケースが一般的ですが、企業によっては採点を自社で行っているケースも見られます。 マークシート方式を採用する場合は、数字や記号で回答する場合がほとんどのため、問題の作成方法に対策が必要です。また、自社で採点する場合は分析結果が出るまで時間や手間がかかることも頭に入れておきましょう。 インハウス方式 インハウス方式とは、自社で会場とパソコンを用意し検査を行う方式です。受検者は会場に用意されたパソコンで適性検査を受検します。 会場やパソコンを自社で用意しなければいけませんが、検査の後すぐに結果を見て選考に活用できるなど、結果がわかるまでの時間と手間を短縮できるのが魅力です。 テストセンター方式 適性検査の提供会社が全国各地に会場を用意し、そこで受検するのがテストセンター方式です。受検者は会場に用意されているパソコンで回答を入力します。 監督者による不正リスクがない点と、受検の運営を委託でき、手間がかからない点がメリットです。手間が省ける代わりに、委託するためのコストが高い点はデメリットといえます。 Web方式 Web方式は受検者が自宅などで適性検査を受検する方式で、適性検査の受検期間は企業側で指定可能です。受検者は自分のタイミングで検査を受けられるので、受検に対するハードルが低いのが魅力といえます。 企業側も会場やパソコン、人を用意する必要がないため、手間やコストの削減が期待できるでしょう。検査結果の分析・集計も容易ですが、身代わり受検などの不正が行われる可能性があるため、注意が必要です。 目次に戻る 適性検査の測定項目と問題例 測定項目は大きく分けて「能力検査」と「性格検査」の2種類に分けられます。 能力検査とは、国語的・数学的能力のような基礎的な学力と、業務の中で必要となる一般常識や基礎能力を測る検査です。学力テストのような形で出題されますが難易度自体は高くなく、言語分野と非言語分野に分けて出題されるのが特徴です。 性格検査とは、名前の通り個人の人間性や価値観・思考的な部分を測る検査のことです。入社後に、円滑なコミュニケーションが取れるか、向上心があるかなどを把握し、企業とのミスマッチを防ぐ目的で使われます。 能力検査(言語分野) 言語分野からは、日本語の言語力を試す問題が出題されます。 二語の関係 対になった2つの語句の関係を読み解く問題です。出題された問題の語句と同じ関係に当たる語句を選択肢の中から選びます。 語句の意味 問題文と同じ内容の語句を選択肢の中から選ぶ問題です。頻出される語句には傾向があるため、正確な意味を理解しておく必要があります。 語句の用法 問題として示された語句と同じ用法のものを選択肢から選ぶ問題です。例えば、同音異義語や比喩的用法の語句、文法的に同じ使用法のものを見抜く問題が出題されます。 文の並び替え バラバラになっている文章を正しい順番に並べ替える問題です。選択肢から文章全体のつながりを推測していきます。 空欄補充 問題文の中にある空欄に、適切な語句や文章を当てはめる問題です。空欄の前後にある文章から推測して、正しい意味になるように選択肢を選ぶ必要があります。 能力検査(非言語分野) 非言語分野の問題は計算能力を問うもので、計算問題を中心に出題されます。 鶴亀算 鶴の足を2本、亀の足を4本として「鶴と亀を合わせて〇匹、足の数を合わせて〇本なら、鶴と亀はそれぞれ何匹か」といった問題が出題されます。算数の文章問題で頻出する問題として有名です。 代金の支払い 代金の精算や値引き、分割払い、割り勘などに関する問題です。支払い代金の平均や、割合を求める問題が多い傾向にあります。 集合 グループの中から問題で聞かれている条件に合う人数や数量を導き出す問題です。ベン図を書いて視覚化すると、答えが導きやすくなります。 確率 ある事柄が起こる確率を計算により導き出す問題です。例えば、「裏表あるコインを2回投げた場合、1回だけ表が出る確立を求めなさい」といったパターンの問題が出題されます。 表・資料の読み取り 問題として提示された表やグラフ、文章などの資料の中から必要な情報を読み取り、取捨選択して計算する問題です。 場合の数 サイコロを何回か振った時の目の出方など、さまざまな事柄について全部で何パターンあるかを計算して求めます。 推論 推論とは、問題文で与えられた情報を読み解き、「必ず正しい」と推論できる事柄を選ぶ問題です。推論は適性検査非言語分野の「論理問題」の中でも、特に重要視される分野となっています。 速度算 「速さ・時間・距離」について公式を用いて求める問題です。速度算の応用として「旅人算」が出題されることもあります。 損益算 商品の定価や利益、売価などを求める問題です。原価・定価・売価の関係をしっかり理解しておくことが重要です。 性格検査 性格検査には好ましいと考えられる回答はありますが、正解がないのが特徴です。頻出される問題には3つの傾向があります。 性格の特徴 社内の雰囲気は企業によって多種多様です。受検者が自社の社風に合った性格であるかを測る問題が出題されます。 組織への適応性 業界や職種の違いに限らず、会社によって仕事の進め方や社風は異なります。人事評価の考え方にも企業によって違いが出やすいのが特徴です。その中で組織への適応性を確認し、社風に合った人間性や考え方であるかを確認します。 職務への適応性 企業の中でも営業職や技術職など、職種はさまざまです。その中でどのような職種にマッチするのかを見極めるのに使用します。 目次に戻る 適性検査の主な種類 適性検査は利用目的を明確にした上で、どの検査を採用するか検討を進めていくことが重要です。適性検査の種類は多岐にわたりますが、その中でも多くの企業で利用されている主な適性検査を紹介します。それぞれの特徴を比較し、自社に合ったものを取り入れましょう。 SPI3 [参照:https://www.spi.recruit.co.jp/] SPIとは、国内企業の約10,000社以上が導入しているといわれるほど主流な適性検査です。「性格適性」と「知的能力」を測定し、応募者がどのような仕事が合っているのか、どのような組織に馴染みやすいかなどを測定します。 1名実施するごとに費用が掛かる形式になっており、Webテスト形式は4,400円、テストセンター形式だと6,050円です。Webとマークシート両方から受検方法が選べるので、自社の都合に合わせて選択できます。 玉手箱 [参照:http://www.shl.co.jp/] SPIに次いで利用企業が多いのが、玉手箱の適性検査です。人事コンサルティング会社である日本エス・エイチ・エル株式会社が、企業向けの適性検査として販売しています。 「玉手箱I Ver.2」では基礎能力と性格以外に、業務を円滑に遂行するための能力としてストレスへの耐性や仕事へのモチベーションについて、どの程度の能力があるのか予測した値と面接の際に活用できるチェックポイントを出力することが可能です。 検査手段はWebテスト方式で所要時間11分と短いため、受検者に負担なく実施できるのも魅力。導入費用は132万円ですが、受検人数に制限はありません。 CUBIC [参照:https://www.e-jinjibu.jp/] CUBICは、e-人事株式会社が販売している適性検査です。「料金の安さ・診断スピード・親切丁寧な対応」をモットーとしており、検査後に回答用紙をFAXまたはメールで送ると、最短30分で登録したメールアドレスに診断結果が納品されます。利用登録手続きをしたその日には利用ができる手軽さも魅力です。 受検時間は採用適性検査が20分、能力検査が5分と、短い時間で実施できるのも特徴です。採用適性検査は1,870円/人、能力検査は550円/科目なので、他の企業提供適性検査より比較的安価に受検することができます。利用人数が多いほど料金単価が安くなる従量課金プランや定額プランの用意もあります。 GAB [参照:http://www.shl.co.jp/] GABとは、日本エス・エイチ・エル株式会社が販売している新卒の採用を目的に開発された検査です。言語・計数的知能に関する部分や、パーソナルな部分について測定すると、入社前に確認しておきたい「ヴァイタリティ」や「チームワーク」などに関する9つの特性や入社後に期待できる管理・運営能力、受検者が向いている職務について予測できます。 実施時間はWebテストだと80分、マークシート方式は90分の検査です。費用は問題の冊子価格が660円、採点処理価格が3,850円となっています。 内田クレペリン検査 [参照:https://www.nsgk.co.jp/uk] 「はい」か「いいえ」の2択で示された選択肢の中から回答する検査に比べ、望ましいと思われる回答を受検者が意図的に出すことが難しいため、妥当性と信頼性の高い試験だと考えられています。実施時間は50分で、1名ごとの個別診断判定は2,420円ですが、判定形式によって価格が異なるのが特徴です。 learningBOX [参照:https://learningbox.online/] learningBOXには、受検者の特性や知識レベルを把握することができる診断テスト作成機能があります。管理者が用意したさまざまな質問に受検者が回答することで、回答に応じた結果を見ることができる機能です。 採用選考のための適性検査であれば、求める職種に必要なスキルや能力を測定できる質問を用意します。分析した結果をもとに、受検者の適性や能力に応じた適切な対応を行うことができるでしょう。 また診断テストを作成するだけでなく、テストの実施状況や結果も管理できることが特徴です。質問の内容を臨機応変に編集することができるので、適性検査を実施する際はlearningBOXの診断テスト作成機能がおすすめです。 目次に戻る 適性検査の実施は「learningBOX」で管理するのがおすすめ 受検者の能力や性格など、面接だけでは見えにくい部分を公平に見極められる適性検査は、採用試験だけでなく、入社後の部署配置や育成の場でも役立ちます。 適性検査にはさまざまな種類がありますが、導入の際はそれぞれの特徴を比べて、自社に適したものか確認しながら検討を進めましょう。 弊社の「learningBOX」では、診断テスト作成機能で適性検査のコンテンツを作成することでWebテストの実施が可能です。他にも成績管理、受講者管理にいたるまで適性検査に必要な機能をひと通り揃えております。10アカウントまでなら期間無制限・無料で利用できますので、まずは無料トライアルからお気軽にお試しください。    ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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多様化する採用試験とWebテスト、どんな種類がある?

就活や転職(中途採用)の選考プロセスにおいて、必ずと言って良いほど採用試験が行われます。受験する側の対策はもちろん、実施する企業でも自社に最適な採用試験を選び、準備する必要があるでしょう。 今回は多様化する採用試験を紹介しながら、導入パターンや実施する際の注意点も見ていきましょう。企業の人事で採用担当者を務める方は、ぜひ参考にしてみてください。 採用試験の種類 企業が実施する採用試験の種類は、大きく分けて次の3つです。 筆記試験 筆記形式で能力を測る試験方法です。具体的な試験内容は、社会人として必要な資質があるかを確かめるための一般常識問題、どのような考えを持っているのかを確かめるための論作文などがあります。 また技術系・専門職メインの企業であれば、その分野に関する専門試験も課されることが多いでしょう。 適性検査 職業に対する素養や性格を判断する適性検査があります。適性検査は自宅のパソコン、もしくはテストセンターで受検が可能です。詳しくは後述しますが、SPI3、CAB、GABなどは多くの企業で採用されています。 面接試験 対面で自己PRや志望動機を聞き取る試験です。面接には個人面接や集団面接、グループディスカッションなどがあります。筆記試験ではわからないような、人柄を評価するときに用いる試験方法です。最終的な合否を判断する際に必須の試験と言えるでしょう。 目次に戻る 採用試験の導入パターン 採用試験は大きく分けて筆記とWebの二つのパターンが存在します。どちらにもメリット・デメリットがあるので、企業の特性に合わせて選ぶようにしましょう。 筆記採用試験 まず筆記採用試験のメリット・デメリットを見ていきましょう。 筆記採用試験を導入するメリット 筆記試験は、応募書類だけでは判断できない応募者の人柄を判断できるのがメリットです。自社で実施する場合は、挨拶ができているか、ビジネスマナーが備わっているかなどもチェックできます。 また会場と時間を設定すれば試験を監督しやすくなるので、不正も防げるでしょう。 筆記採用試験を導入するデメリット 筆記採用試験は手作業で行うため、集計までに時間やコストがかかってしまう点がデメリットです。そして企業によっては、委託ではなく自社の担当者が採点や結果の管理をすることもあり、社員に負担がかかってしまいます。 また問題用紙の作成による費用のほか、運搬が必要となればサービス料金や保管費用などが別途発生することもあるかもしれません。 Web採用試験 次にWeb採用試験のメリット・デメリットを見ていきましょう。 Web採用試験を導入するメリット Web採用試験を導入するメリットは、何と言っても検査結果の集計や分析が簡単にできることです。特に応募者の多い総合職の採用試験は、Webが最適と言えるでしょう。 また紙で管理しないので、情報の破損や紛失といった問題も起こりません。そして作業効率が上がることで、採用期間の短縮や採用コストの削減もできます。 Web採用試験を導入するデメリット Web採用試験のデメリットは、本当に本人が受けているかどうかを確認しづらいことです。実際に一部の企業では、替え玉受検やWeb採用試験代行による問題が起こっています。 そのため、正確に実施するのであればWebであっても試験を監督する、本人確認書類を提示させるといった企業側の対策が必要になるでしょう。 目次に戻る Webテストの種類 採用試験を行うときに用いられるもの、いわゆるWebテスト(適性検査)も数多くの種類があります。主に次のとおりです。 SPI CAB GAB TAP IMAGES 内田クレペリン検査 IMAGES 玉手箱 TG-WEB SPI(Synthetic Personality Inventory) 参照 : https://www.spi.recruit.co.jp/ SPIは、受検者の性格と基礎能力を測定する適性検査です。リクルートマネジメントソリューションズ社が提供するもので、多くの企業で採用されています。特に新卒採用に用いられることが多い適性検査ですが、最近では公務員試験でも採用されています。 出題は言語と非言語、性格検査の3つから構成されています。言語では国語の知識が、非言語では数学や算数といった数理の知識を問うのが特徴です。性格検査は、日ごろの行動や考え方について問われます。SPI自体の難易度はそこまで高くありませんが問題数が多く、時間配分も考慮しなくてはいけません。 筆記以外にも、自宅によるWeb受検や専用会場(テストセンター)の受検があります。なおSPIは2005年、2013年と順次バージョンアップが行われており、SPI3が最新版です。 CAB(Computer Aptitude Battery) 参照 : http://www.shl.co.jp/ CABはComputer Aptitude Battery(コンピューター職適性診断テスト)の略で、主にSEやプログラマーを対象に行われる適性検査です。CABの出題範囲は下記の4つです。 暗算 法則性 命令表 記号 いずれも事務処理能力や知的能力、適性などを問うものばかりです。そして、チームワークやヴァイタリティといった9つの特性についてもリサーチできます。基本的にマークシート形式の筆記試験で実施されますが、Webテスト版のWeb-CABもあります。 GAB(Graduate Aptitude Battery) 参照 : http://www.shl.co.jp/ GABはGraduate Aptitude Battery(総合適性診断テスト)の略称で、総合的な適性検査です。総合商社や専門商社、証券会社などSPIと同じく、多くの採用試験に用いられています。 言語や非言語、性格診断が出題科目です。SPIと似ていますが、GABは処理能力を問う能力試験が中心で解答スピードが求められています。GABは筆記試験のほか、テストセンター(C-GAB)や自宅のWebで受検可能です。 TAP 参照 : https://www.tap-tekisei.com/ TAPは飲食業界や流通業界、金融業界などで実施されることが多い適性検査です。知名度は他に比べると低めですが難易度が高く、質の高いテストをが実施できます。TAPは下記3つからテスト形式を選べるのが特徴です。 総合タイプ:能力問題と性格問題を出題するスタンダードなテスト 性格タイプ:性格問題のみで、試験時間も15分と短め 短縮タイプ:総合タイプよりも試験時間が30分と短い 能力検査では四則計算や損益算、n進法など数学的知識を中心に出題され、マークシート形式の筆記とWebで受検ができます。 IMAGES 参照 : http://www.shl.co.jp/ IMAGES(イメジス)とは、新卒の総合適性検査で用いられることのある適性検査です。内容はGABと大きく違いはありませんが、IMAGESは能力検査と性格検査がそれぞれ30分ずつと短時間で行えるのが特徴です。「多くの募集があるので、基礎的な能力を短い時間で測定したい」という企業の採用で選ばれています。 言語や非言語のほか英語問題もあり、応募者の英語力を確かめたいときにも利用できる適性検査と言えるでしょう。 内田クレペリン検査 参照 : https://www.nsgk.co.jp/uk 内田クレペリン検査は、日本・精神技術研究所が実施している独自の心理テストです。簡単な1桁の計算を前半・後半15分ずつ行うもので、受けた人の精神が安定しているかどうかがわかります。単調な作業を漏れなく精密にできるかどうかを確かめられるので、企業だけでなく官公庁でも取り入れられているのが特徴です。 なお、内田クレペリン検査はWebに対応しておらず、基本的に筆記のみで実施されます。 玉手箱 参照 : http://www.shl.co.jp/ 玉手箱は、CABやGABで知られる日本エス・エイチ・エルが提供する適性検査です。自宅で受検できるWebテストとして、大手企業でも広く実施されています。言語と非言語、英語といった能力テストのほか、企業とのマッチングや就業意欲を測る性格テストで構成されているのが特徴です。 1問あたりに使える時間が短く、1問を10秒程度で解かなければいけません。応募者の正確性とスピードを測るのに最適な適性検査です。 TG-WEB 参照 : https://www.humanage.co.jp/service/assessment/service/tg_web.html   TG-WEBは、言語・非言語や性格適性を測定する適性検査です。まだ知名度は低いものの、SPIや玉手箱よりも難易度が高く各企業でも導入の動きが広がっています。 非言語分野では暗号を読み解くような問題が出題され、他の試験とは色味が異なります。TG-WEBは基本的に筆記はなく、Webとテストセンターで受検が可能です。 learningBOX 参照 : https://learningbox.online/ learningBOXには、受検者の特性や知識レベルを把握することができる診断テスト作成機能があります。求める職種に必要なスキルや能力に合わせて、適切な質問を臨機応変に自分で用意できることが特徴です。 分析した結果をもとに、受検者の適性や能力に応じた適切な対応を行うことができるでしょう。採用判断の参考にもなります。 また診断テストを作成するだけでなく、テストの実施状況や結果も管理することができます。 目次に戻る 適性検査を実施する際の注意点 採用試験に適性検査を用いれば、採用活動に役立つデータが手に入るでしょう。ここでは外部の適性検査を実施する際の注意点やポイントを紹介します。 信頼性に注目する 外部の適性検査を実施する場合、その適性検査の信頼性の高さをチェックしましょう。低コストで導入できたとしても、信頼性のないものを活用すれば十分な効果が得られないからです。 具体的には「どのような企業が導入しているのか」「年間受検者数はどれくらいか」といった導入実績を見れば信頼性を確かめられます。 自社ニーズに沿ったものかを確認 次に自社のニーズに沿ったものかどうかを把握しましょう。適性検査で得られた情報を、採用以外の場面でも役立てることが重要だからです。正しく導入することで採用後の評価や人材配置、育成もしやすくなります。 調べるのが難しい場合は、実際の導入事例を見てみましょう。同業他社の導入事例があれば、自社にとってもニーズを満たしてくれる適性検査だと言えます。 検査結果を鵜呑みにしない 適性検査は採用に役立ちますが、あまり結果だけにこだわり過ぎないようにしましょう。応募者の体調や状態によって結果が変わることもあるからです。また結果は良くなかったとしても、入社後に高いパフォーマンスを発揮する社員が出てくるかもしれません。 あくまでも適性検査は一つの採用プロセスであると理解・認識し、面接で実際に話してみたときの印象や応募書類の内容もしっかり加味することが大切です。 目次に戻る まとめ さまざまな種類の採用試験を紹介しました。採用試験の多くは、筆記試験もWeb試験も受けられますが、メリットとデメリットの両方があります。自社にとって最適な能力検査、適性検査を取り入れるようにしましょう。 弊社が提供するeラーニングシステム「learningBOX」は、診断テスト作成機能だけでなく、採用試験の問題作成、採点、成績管理といった機能を活用できるのもおすすめです。Webによる採用試験の導入を検討されている方は、弊社のlearningBOXをまずは無料でお試しください。  ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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自社に適した適性検査の作り方とは?コツや活用できる場面を紹介

近年、採用選考の一環として、適性検査を導入する企業が多くみられます。検査内容によって測定できるデータや活用方法は様々ですが、「自社が求めているデータを測定できる適性検査が知りたい」という方もいるのではないでしょうか。 本記事では自社に合った適性検査を実施するコツに加え、適性検査を行うことで得られるメリットや受検形式など、適性検査の基本を押さえながら解説します。オリジナルの適性検査が作れるサービスも紹介しますので、採用活動や人事評価にお悩みの方はぜひ参考にしてください。 適性検査はどのような場面で役立つのか 適性検査とは、就職・転職先の職務についてどの程度、適性があるのかを診断するテストのことです。基礎能力や性格、職場の適応性、一般常識の有無など診断できる内容は多岐にわたり、社員の採用だけではなく人事評価として、適性検査を活用する企業も増えています。 以下では、適性検査がどのような場面で役立ち、導入するとどのようなメリットがあるのかを紹介します。 自社の知名度の向上 採用活動の際に「適性検査の結果を個別でフィードバックします」と宣伝することで、自社の知名度向上が期待できます。就職活動中の人は、どのような企業が自分に合っているのか模索していることがほとんどです。自身に向いている職種の傾向などについて、客観的に診断が出る適性検査は重宝されるでしょう。 検査結果に加えて、現場側の意見を聞けることは受検者にとって貴重な機会となります。「あの会社は適性検査のフィードバックをしてくれるから、一度応募してみようかな」と、自社を知ってもらうきっかけになるでしょう。特に新卒採用で適性検査を利用するのであれば、インターンシップ期間や新卒採用初期など、学生が自己分析に対する意欲が高まっている際に仕掛けるのが効果的です。 自社を魅力的に見せる 適性検査だけではなくフィードバック面談を行うことで、受検者との接触機会を作り出すことができます。自社についてアピールする機会が増えるうえ、面談の際、受検者に寄り添った丁寧な対応をすると「入社後も手厚いフォローをしてもらえそう」「雰囲気がよさそうだから働いてみたい」など、自社を魅力的に見せることもできるでしょう。 フィードバック面談を行う場合は、受検者が見てもわかりやすいような、フィードバック用のシートが用意されている適正検査を選ぶ必要があります。 採用試験での選考 適性検査は、面接では見えにくい性格や基礎能力、一般常識の有無などを見極める際に役立ちます。応募者が自社に適した人物なのか、どのような仕事に向いているのかといった特徴をデータ化できるため、企業と人材のミスマッチを防ぐことが可能です。 面接のような対話のみで、応募者の人柄を把握するのは難しく、面接官によって評価に偏りが出てしまうこともめずらしくありません。客観的かつ公平に評価を行える適性検査は、選考における人事担当者の負担を軽減する効果もあるでしょう。ただし、適性検査の結果が悪いからといって、必ずしも適性がないと判断できるわけではないので注意が必要です。 目次に戻る 適性検査では何を測定するの? 適性検査で測定する項目は、主に能力検査と性格検査の2つに分かれます。それぞれ得られるデータは異なるため、測定したい内容に合わせて検査項目を選びましょう。どちらか片方の検査だけでも実施可能です。 以下では、能力検査と性格検査で測定できる要素について解説します。 能力検査:読解力・計算・図形・一般常識などの基礎能力を測定 能力検査とは、職務に必要な技術や知識を習得したり、実践したりする能力があるのか、職務を遂行するための思考力や対応力があるのかを、論理的思考能力、数的処理能力などの視点から測定する検査です。 文章を正しく読み取れるのか、簡単な計算ができるのかなど、一般的な学力テストのような問題が出題され、難易度はそれほど高くありません。 性格検査:人間性・協調性などを測定 性格検査では、応募者の人間性や価値観といったパーソナリティーを数値化し、職場に馴染めるか、自社が求めている人物像に近いかなどを測定するものです。性格検査の結果は採用選考だけではなく、入社後の配属決定、人材育成にも役立ちます。 また、性格検査とは別の検査になりますが、入社後に自社の戦力として活躍する意思、仕事への意欲といった職場適応性や、ストレス耐性を測ることも可能です。どのようなストレスに弱いのかを把握しておけば、早期離職のリスク回避にもつながるでしょう。 目次に戻る 適性検査のテストの形式 適性検査のテスト形式は、ペーパーテストとWebテストの2種類に分かれます。テスト会場については自社で行うことも可能ですが、全国にあるテストセンターでの受検も便利でしょう。テスト方法や会場によって、それぞれメリット・デメリットがあるため、それらを把握したうえで自社に合った方法を選択してください。 ペーパーテスト ペーパーテストとは、筆記で行うテストのことです。受検者を会場に集めて試験を実施するため、会場の手配や監督者などの人員を用意する必要がありますが、会場と時間を設定することで不正のリスクを減らせるでしょう。 ペーパーテストには、選択肢から回答する客観式と記述式があります。客観式は採点や集計が容易ですが、記述式は文章力も測定できる点が特徴です。 Webテスト Webテストとは、パソコンやスマートフォンなどからインターネット上で行うテストのことです。インターネット環境さえあれば時間や場所に縛られず受検が可能なため、大規模な会場の手配や監督者などの配置が不要になり、コストを削減できます。 いつでもどこでも受検できるWebテストは、受検者にとって負荷が少ないうえ、企業にとっても検査結果の集計や分析が煩雑になりにくい点が魅力といえるでしょう。 テストセンターでの受検 テストセンターでの受検の場合、受検者は全国の主要都市に設置された受検会場に出向きます。一般的に適性検査の提供企業が運営しているため、検査自体の業務を委託でき、手間の削減が可能です。監督者が配置されていることから、不正のリスクも抑えられるでしょう。 受検者は会場まで移動する必要がありますが、テストセンターは全国にあるので、自社で実施するよりも移動の負担を軽減できます。ただし、委託する分のコストが発生する点には注意が必要です。 目次に戻る 自社に適した適性検査を実施するコツ 民間の適性検査は手軽に利用できるのがメリットですが、必ずしも自社の風土や検査したい項目に即しているとはいえません。理想的な適性検査を実施するには、目的の設定や問題数、回答時間のバランスなど、様々なポイントを押さえる必要があります。 以下では、自社に適した適性検査を作るための考え方やコツについて紹介します。 適性検査を実施する目的を定める 適性検査は提供している企業によって検査項目のほか、想定されている利用目的や検査の手法などが異なるため、自社での実施目的を明確にしておくことが大切です。 自社で問題を作成する場合も、採用選考の際に実施するのか、配属や人材育成に活用するのかなど、適性検査の目的を明らかにしたうえで希望のテスト形式や検査に割ける予算も含めて検討すれば、おのずと適性検査の方向性が定まってくるでしょう。 問題数と回答時間のバランスを考える 適性検査では、問題数や回答時間のバランスも重要です。難問を出題したり、問題数が多かったりする場合に回答時間が短すぎると、時間内に回答しきれず正確なデータを測定できないことがあります。 また、試験時間があまりにも長く受検者の肉体的・精神的負担が大きくなることも、正確なデータの測定に支障をきたすでしょう。SNSなどを通して「この企業の適性検査は短すぎる・長すぎる」といったマイナスなイメージが、受検者の周囲に伝わってしまうことも考えられます。特に、民間テストと自社オリジナルのテストを併用して実施する場合は、問題数が多くなったり、試験時間が長くなったりする傾向にあるため、注意が必要です。 民間テストと併用してより詳細なデータを取る 民間テストと自社オリジナルのテストを併用すると、比較的容易に詳細なデータを測定できます。基礎的な学力や性格の測定は民間テストで実施し、より専門的な部分や民間テストで見極めが難しい領域については、オリジナルのテストを実施するのがおすすめです。 問題の全てをオリジナルにすると、問題作成に労力やコストが必要になります。基礎的な内容は民間テストで行い、民間テストのデータだけではわからない部分をオリジナルのテストで補うようにしましょう。問題作成の手間が省けるだけでなく、求めているデータをより正確に測定することができます。 目次に戻る 適性検査にはlearningBOXの診断テスト作成機能がおすすめ! 適性検査を実施するには、learningBOXの診断テスト作成機能がおすすめです。診断テスト作成機能は、学習者の特性や知識レベルを把握することができる機能です。管理者が用意したさまざまな質問に学習者が答えることで、回答に応じた結果を見ることができます。 例えば、採用選考のための適性検査であれば、求める職種に必要なスキルや能力を測定できる質問を用意します。 分析した結果をもとに、学習者の適性や能力に応じた適切な対応を行うことができるでしょう。採用選考を行う場合は、採用判断の参考にもなります。 また診断テストを作成するだけでなく、テストの実施状況や結果も管理することができます。適性検査を実施する際は、ぜひlearningBOXの診断テスト作成機能を使ってみてはいかがでしょうか。 目次に戻る オリジナルの適性検査はツールを使ってより実用的に 適性検査は採用選考の手段として利用されることが一般的ですが、人事評価や人員配置などにも活用されたり、就職・転職活動をしている人にアピールする際にも役立ったりします。 一口に適性検査といっても、受検形式や検査項目は様々です。適性検査の有用性を理解したうえで、自社で適性検査を実施する目的を明確にし、検査内容の方向性を検討していきましょう。 弊社のeラーニングシステム「learningBOX」は、診断テスト作成機能を備えているため、自社オリジナルの適性検査を作りたい方におすすめです。 無料・無期限で10アカウントまでご利用いただけるフリープランもあるため、まずは試験的に利用してみてはいかがでしょうか。システムの詳しい内容や活用方法がわかる資料もご用意しています。オリジナル適性検査の作成・実施にお悩みの方は、learningBOXをぜひご検討ください。   ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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組織開発とは?人材開発との違いや実施手順、メリットや代表的な手法

組織を活性化して社員が個人やチームで成果を上げられる状態を作るには「組織開発」が効果的です。施策により現状の組織課題の解決につなげられる可能性があります。最大限にパフォーマンスを発揮できる組織を目指して、取り組みをご検討ください。 本記事では、組織開発の基礎知識や、実施するメリット・デメリット、手順やポイントなどを解説します。また、組織開発の主な手法やフレームワークもご紹介するため、人事担当の方はぜひ参考にしてみてください。 組織開発とは 初めに、組織開発の意味や目的、注目されている理由や背景などの基礎知識をお伝えします。なぜ組織開発に取り組むべきなのか、今後の実践へ向けて理解を深めることから始めましょう。 組織開発の意味と意義 組織開発とは、組織内の人と人との関係性や相互作用により、組織を活性化させる考え方や取り組みを意味する言葉です。英語の「Organization Development」を略して「OD」とも呼ばれています。組織開発の施策では、組織内の課題を表面化させ、社員一人ひとりが当事者として解決策を考える状態を目指します。 組織開発の主な目的 組織開発は、組織が常に変化する環境に適応しながらも、健全に機能し続けることを目的として行われます。組織の課題に対して、個人が自発的に働きかける企業風土を作るという重要な役割があります。集団にシナジーが生まれる仕組みやルールを整えることも、組織づくりにおける大切な取り組みの一つです。 組織開発が注目されている理由・背景 日本のビジネスシーンで組織開発が注目されているのは、個人の働き方の変化に伴い、組織にも変革が求められていることが理由です。その背景として、成果主義的な価値観の広まりや社員の雇用形態や国籍などの多様化、IT技術の普及に伴うコミュニケーション手法の複雑化が挙げられます。 こうした時代の変化に対応しきれず、自社の人材を十分に活用できていない企業も少なくありません。企業は組織を活性化させて、自社の強みを最大化する環境を整えていく必要があります。そこで、個人間やチーム間の関係性を重視し、コミュニケーションの質を高める組織開発が求められているのです。 目次に戻る 組織開発と人材開発の違い 組織開発と似た用語に「人材開発」があります。ここでは人材開発の意味や組織開発との違いについて、両者を比較しながら解説します。 組織開発と人材開発は、対象や手法に違いがあります。 人材開発とは、社員を対象に知識やスキルの習得を促し、個人のパフォーマンスを高める取り組みを意味します。「人材育成」と同様の意味で使われるケースも珍しくありません。現状の社員に不足している知識やスキルを身に付けさせることで、一人ひとりの能力を向上させるのが目的です。そこでは研修やワークショップなどの手法が用いられます。 一方で組織開発の対象となるのは、個人やチーム間の関係性や、それらの相互作用などです。また組織開発の手法では、組織内の環境や仕組みの構築などが行われます。 以下の表では、「新入社員の離職」と「若手社員の早期戦力化」という2つの課題を事例として挙げながら、組織開発と人材開発の違いを比較しました。 <組織開発と人材開発の要因抽出や施策の違い①> 組織開発 人材開発 課題 新入社員の離職 取り上げる要因 新入社員と上司の関係づくりが難しい環境 新入社員の上司のマネジメント力不足 施策の例 部下から上司へフィードバックする制度の導入 新入社員の上司を対象にした研修やワークショップの実施    <組織開発と人材開発の要因抽出や施策の違い②> 組織開発 人材開発 課題 若手社員の早期戦力化 取り上げる要因 若手社員の上司との関係性の問題、課題認識の相違 若手社員の知識やスキルの不足 施策の例 1on1ミーティングのルール改善 若手社員向けの研修実施    目次に戻る 組織開発のメリット・デメリット 組織開発へ取り組むにあたり、事前にメリットとデメリットを押さえておきましょう。組織内で生じる負担を考慮しながら、より良い効果をもたらす取り組み方ができると理想的です。 組織開発のメリット 組織のパフォーマンス最大化 企業が組織開発に取り組むことで、一人ひとりの社員はもちろん、組織全体にも良い影響が期待できます。個人やチームのパフォーマンスを高められる可能性があるのがメリットです。良いアイデアが創出されやすくなったり、意思決定のスピードが向上したりと、組織改善につながります。 組織開発の取り組みは個人に依存しにくく、組織の仕組み自体を変えるアプローチであるため、持続的な効果が期待できるでしょう。 ブランディング強化 組織開発の施策により、個人やチームが同じ目標や価値観を共有することで、自社のブランディング強化につながります。企業として目指すべき方向性を理解した上で個人やチームが行動できるようになるので、顧客へ提供するブランド価値やサービス品質を高められるでしょう。組織の内側から強固なブランドを構築することが可能です。 組織の一体感やモラルの向上 組織開発により組織内のコミュニケーションが活発になると、職場に良好な人間関係が築かれて、協力や対話がしやすい状態へと発展します。同じ組織に所属する一体感で、仕事のモチベーションが高まるのがメリットです。また、メンバー間の相互作用により、積極的に良い取り組みをする企業風土が醸成され、モラルの向上も期待できます。 組織開発のデメリット 業務の負担が増大するリスクもある 組織開発の施策内容によっては、現状の業務フローを変える必要が出てきます。業務で個人間やチーム間の連携方法が変わる場合には、一時的に現場の業務効率を下げる恐れがある点にご注意ください。 例えば、チーム間の連携用に新たな進捗管理シートを導入するケースでは、入力の負担が予想以上に大きいといった事態も想定されます。この場合、通常業務にかけられる時間が不足する可能性も考慮すべきでしょう。 社員の反発や無関心な態度を生む恐れがある 組織内には、組織開発による変革に批判的な意見を持つ社員もいるかもしれません。こうした社員と向き合わなければ、導入後に組織内で反発を招く恐れがあります。また、多くの社員が無関心なままで施策を続けると、形骸化して失敗に終わってしまうリスクが存在します。 組織開発に協力的でない社員もいることを踏まえて、あらかじめ導入方法や対処方法まで検討しておくと安心です。 目次に戻る 組織開発を実践する手順やポイント 組織開発を実践する流れを、4つのステップに分けて解説します。それぞれの段階で注意すべきポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。 Step1. 現状を把握して目的を明確にする 初めに自社の現状を踏まえた上で、組織開発の目的を明確化します。そこでは抽象的な問題ではなく、あくまでも事実に基づいた具体的な問題を洗い出すことがポイントとなります。社員へのヒアリングやアンケートなど通じた情報収集が有効です。 自社の課題が明らかになったら、目指すべき組織の状態と現状とのギャップを可視化しましょう。問題の分析結果や、自社の企業理念・ビジョンなどを踏まえて、組織開発の方向性を決めていきます。 Step2. 具体的なアクションプランを企画する 初めに策定した方向性を踏まえて、具体的な組織開発のアクションを決めていきます。施策を検討したら、現場へ協力を呼びかけることも大切です。その際は、組織のキーパーソンを巻き込んでサポートを得ると、リーダーシップが発揮され、施策を実行しやすくなります。 Step3. スモールスタートで施策の効果をテストする 施策を開始して、効果検証を行う段階です。最初は一部の部署やチームに限定しながら取り入れるなど、できるだけ小さな単位で進めていくことをおすすめします。まずは試験的に導入し起こり得る課題を把握した上で、次第により大きな範囲へと広げていきましょう。 Step4. 成功した施策を全社に導入する 効果検証を実施しスモールスタートで成功が認められたら、組織開発を全社に導入します。施策の結果を分析し、成功の理由が明らかになったら、次の施策へと反映させることが重要です。また全社に導入した後も引き続き効果検証を行い、改善を繰り返していきましょう。 目次に戻る 組織開発に活用できる手法・フレームワーク 最後に、多くの企業の組織開発で活用されている、代表的な手法やフレームワークをご紹介します。自社の組織開発の施策にも取り入れてみてはいかがでしょうか。 AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー) 「AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)」は、質問によって個人や組織の可能性やなりたい姿を描き、アクションプランを考える手法です。英語のAppreciative Inquiryを略して「AI」とも呼ばれます。Appreciativeは「価値を見出す」、Inquiryは「質問をする」という意味です。 AIの手法では     チームごとに個人の良い部分や目指す姿、成功した要因などを見つけて、深掘りする質問を投げかけ合います。社員に取り組ませることで、ポジティブなイメージを共有する習慣がもたらされます。 ワールド・カフェ 「ワールド・カフェ」は、カフェのようにリラックスできる環境で自由な話し合いを行う対話型の手法です。基本的に少人数のグループで行い、事前に決められたテーマについて話し合いながら、互いに理解を深めていきます。グループのメンバーは時間制で交代し、最後に全体で気付きを共有していきます。 ワールド・カフェでは、 討論を行う必要はありません。立場の異なる社員同士がフラットに話す機会を提供し、組織の相互理解を促すことが目的です。 ソフトの4S 「ソフトの4S」は、組織運営で指標となる、相互に関係する4つの要素を示したものです。「企業理念(Shared value)」「社風(Style)」「人材(Staff)」「能力(Skill)」の頭文字を取って4Sと呼ばれます。自社の組織にかかわるソフト4Sを分析することで戦略立案にもつながります。 ソフトの4Sは、経営コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱した「組織の7S」に登場する考え方です。組織の7Sは、「ソフトの4S」と「ハードの3S」から構成されています。ハードの3Sは「戦略(Strategy)」「組織構造(Structure)」「システム・制度(System)」を意味し、ソフトの4Sよりもコントロールしやすいと言われています。 タックマンモデル 「タックマンモデル」は、心理学者のタックマンが提唱したフレームワークで、組織の成長段階を5つのステージで示します。ステージは「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「散会期」に分かれています。 タックマンモデルを参考にすると、それぞれのプロセスで生じやすい課題を踏まえて、組織づくりに役立てられます。チームビルディングでもよく用いられるモデルで、高いパフォーマンスを発揮できる組織を目指す場合に適しています。 目次に戻る 組織開発で自社を成長へ導きましょう ここまで組織開発について解説しました。組織開発では、組織内の関係性や相互作用により、組織を活性化させることができます。パフォーマンスを高める効果が期待できる一方で、現場の負担や社員の反発にもつながり得るため、導入時に注意したい部分もあります。ご紹介した手順とポイントを参考に、組織を成長へ導く施策をご検討ください。 組織開発の施策を成功させるには、現場のキーパーソンとの連携が欠かせません。組織開発へ向けて、管理職やリーダー層向けのマネジメント研修を実施する際は、eラーニングシステムの「learningBOX」をご活用ください。learningBOXは教材の作成や配布、採点、学習履歴の管理など、社内研修の実施に必要な機能がひと通り揃った学習管理システムです。 また「learningBOX ON」には、企業で必須となる研修コンテンツが複数用意されています。無料で使える情報セキュリティ研修やコンプライアンス研修などもあり、自社で内製したコンテンツと組み合わせることで、オリジナルの研修プログラムを簡単に設計することができます。 10アカウントまでなら無期限・無料でほぼすべての機能がご利用いただけるフリープランも用意していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。    ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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