コラム

blog

アカデミックハラスメントとは?大学側のリスクや対処法、防止策まで

学生の教育や研究活動が活発に行われる大学では多様な人が所属しているため、立場の違いを利用したハラスメントが懸念されます。教育機関で起こるアカデミックハラスメントのリスクに備えて、大学側でも防止へ向けた取り組みを始めましょう。 本記事では、アカデミックハラスメントの基礎知識から対処法、防止策を解説します。教職員の研修に役立つサービスも紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。 目次 01アカデミックハラスメントとは? アカデミックハラスメントの特徴 アカデミックハラスメントに該当する言動の主な例 02アカデミックハラスメントが起こる要因や大学側のリスク 大学でアカデミックハラスメントが起こる要因 アカデミックハラスメントで大学にもたらされるリスク 03アカデミックハラスメントの対処法や防止へ向けた取り組み アカデミックハラスメントの対処法 大学のアカデミックハラスメントを防止するには? 04教職員向け研修でアカデミックハラスメント防止の取り組みを! アカデミックハラスメントとは? 安全な環境が確保されるべき教育現場でも、アカデミックハラスメントの被害は起こり得ます。まずは、アカデミックハラスメントの特徴や具体例をご紹介しましょう。 アカデミックハラスメントの特徴 アカデミックハラスメントとは、大学や大学院などの教育機関において、力関係を利用して精神的・身体的な苦痛を与える言動を行うことです。略して「アカハラ」とも呼ばれます。一般的に、相手よりも優位な立場にある者により行われます。 優越的な関係性を利用したハラスメントは、アカデミックハラスメント以外にも存在します。例えば、企業などの職場内で発生するハラスメントは「パワーハラスメント(パワハラ)」です。 また、アカデミックハラスメントと「セクシュアルハラスメント(セクハラ)」を併発するケースも存在します。セクシュアルハラスメントとは、相手の意思に反する性的な言動によって、苦痛を与えることです。 アカデミックハラスメントが起こる主な関係性としては、以下の例が挙げられます。 大学教授から研究員に対するもの ゼミ・研究室の指導教員からゼミ生・研究生に対するもの 大学院生から学部生に対するもの このほかに、職務上の立場が異なる教職員同士の関係性でも、被害が発生する可能性があります。 アカデミックハラスメントに該当する言動の主な例 相手の修学や研究活動に対する直接的または間接的な妨害は、アカデミックハラスメントに該当します。 卒業・進級、就職などの妨害もアカデミックハラスメントの一例です。正当な理由なく単位を与えずに留年させたり、本人が自分で進路を選択する権利を侵害したりすることは、問題ある言動として判断されます。 さらに、相手の研究成果を奪う行為は、研究者として倫理的に不適切であるだけでなく、アカデミックハラスメントにも該当します。アイデアを盗用したり、論文の共著を強要したりする行為もNGです。 また、指導の一環と認識していたとしても、相手に暴力をふるったり、暴言を吐いたりすればアカデミックハラスメントと見なされます。教育上・研究上の過度の叱責や嫌がらせ行為は許されません。 目次に戻る アカデミックハラスメントが起こる要因や大学側のリスク 教育機関である大学は、教員・研究員・学生・職員をはじめとした立場の異なる人が集まり、教育や研究活動が行われています。こうした特殊な環境下でハラスメントが発生する要因や、大学側のリスクを解説します。 大学でアカデミックハラスメントが起こる要因 大学の環境は、一般企業などの組織と比べて特殊性があり、ハラスメントが起こりやすいと考えられています。その理由は、組織の構成員である研究員や学生に対して、指導をする立場にある教授の権力が強くなりやすいためです。 研究員や学生は、教授との関係性により修学や研究活動で不利益を受ける恐れがあり弱い立場にあります。ハラスメントの被害を訴えるのが難しく、組織内で問題が黙認されやすいのです。 また、一般的に大学のゼミや研究室は閉鎖的な環境にあります。大学側や公的機関など、第三者からの目が届きにくいのが難点です。これらの特徴から、外部からハラスメントの存在を認知できない可能性があります。 アカデミックハラスメントで大学にもたらされるリスク アカデミックハラスメントが発生すると、被害者の心身の健康被害が懸念されます。被害者が学生の場合は、学習に支障をきたすだけでなく、退学に追い込まれてしまうことも考えられます。卒業や進級、就職に影響がもたらされるケースも少なくありません。 さらには、組織内でハラスメントが常態化すると、生産性の低下や、優秀な人材の流出などの被害を招きやすくなります。教職員の職場環境の悪化という観点でも注意が必要です。 場合によっては、加害者と併せて大学側も責任を問われます。ハラスメントの解決へ向けて取り組まず、問題を放置したと見なされる恐れがある点に留意しましょう。社会的な信用を失う大きな損害にもつながりかねません。 このように、アカデミックハラスメントが横行することで、大学には多くのリスクがもたらされます。 目次に戻る アカデミックハラスメントの対処法や防止へ向けた取り組み 最後に、アカデミックハラスメントが発生した際の大学側の対処法や、被害の防止へ向けた取り組みをご紹介します。 アカデミックハラスメントの対処法 大学の運営では、アカデミックハラスメントの相談窓口を設置し、相談者へのアドバイスや問題解決へ向けた対応を行う必要があります。相談を受けたら加害者側に自覚を促し、行動や発言の見直しを求めることが重要です。 アカデミックハラスメントでは、加害者が無自覚なことから、繰り返し加害が行われてしまうケースも少なくありません。大学側は被害者の安全確保やケアを実施し、不安や恐怖の緩和に努めましょう。 状況がなかなか改善されない悪質なケースでは、調査を実施してハラスメントを認定し、加害者への懲戒処分も含めて措置を検討することになります。その後は組織的に再発防止の対策を講じましょう。 大学のアカデミックハラスメントを防止するには? アカデミックハラスメントを防止するためには、大学側でガイドラインを提示し、教職員や学生に方針を周知するのが望ましいでしょう。 アカデミックハラスメント防止のガイドラインには、ハラスメントに該当する具体的な事例、相談室への申し立て方法、加害者の処分などを掲載します。組織の構成員に知識を身に付けさせることが被害の抑止につながります。 さらに、教職員や相談員には定期的にハラスメント研修を実施すると良いでしょう。近年ではeラーニングを活用した研修も行われています。オンライン研修は、大学に属する多数の構成員が時間や場所を問わずに受講できるのがメリットです。 【参考】 早稲田大学におけるハラスメント防止に関するガイドライン|早稲田大学 ハラスメント防止委員会 【参考】 ハラスメントの防止等について|一橋大学 目次に戻る 教職員向け研修でアカデミックハラスメント防止の取り組みを! ここまで、アカデミックハラスメントについて解説しました。立場の弱い構成員をアカデミックハラスメントの被害から守るには、大学側の取り組みが重要です。 ハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
learningBOX-2.18

learningBOXがVer2.18へバージョンアップ

今回のバージョンアップについて 平素よりlearningBOXをご利用いただき、誠にありがとうございます。 本日、learningBOXがVer2.17から2.18へバージョンアップしました。 こちらの記事では、各種新機能が追加されたVer2.18.18(2022年7月6日リリース)について、詳しくご紹介いたします。 ▼learningBOX Ver2.18 新機能一覧 項目名新機能・機能改修 コースを選ぶコースナビゲーション コンテンツ管理PowerPoint教材 成績表の機能拡充 クイズ・テストの中断データ検出機能 コンテンツ事前説明管理 コンテンツへのリダイレクト機能 「提出したレポート一覧」「レポート採点管理」画面の廃止 成績採点・分析免除指定管理 成績管理の機能拡充 ユーザー管理ユーザー統合管理 コンテンツ管理閲覧権限 CSVでのグループ所属追加/解除 登録フィールド設定の機能拡充 デザインカスタマイズ限定機能認証コード設定(登録URLごと) 契約状況有料プラン契約の自動継続 EC機能研修機能 今回のバージョンアップでは、2つの画面において見え方と機能が大きく刷新されました。 具体的には、「マイページがダッシュボードに」「学習する画面がコースを選ぶ画面に」変更されました。 また、PowerPoint教材の取り込みができる有料オプションの追加や、有料プラン契約の自動継続など、契約関係の機能も拡充されました。   コースナビゲーション コンテンツの学習画面に、同じコース内にある他のコンテンツが一覧で表示されるようになりました。 これにより、わざわざ「コースを選ぶ」画面に戻ることなく、学習画面からコース全体を確認できます。   PowerPoint教材 PowerPointで作成した教材をそのままlearningBOXにアップロードできるようになりました。 なお、こちらは有料の「PowerPoint教材取り込み」のオプションをご契約いただく必要があります。   成績表の機能拡充 成績表機能において、常に最新の成績結果を反映させ、管理者側で閲覧できるようになりました。   クイズ・テストの中断データ検出機能 クイズ・テストを編集する際に中断したデータを検出して、編集者に通知する機能が追加されました。   コンテンツ事前説明管理 学習画面でユーザーがコンテンツをクリックして学習を開始する前に、そのコンテンツに関する説明や注意点についてアナウンスできる機能です。   コンテンツへのリダイレクト機能 SCORM教材を利用する際、任意のコンテンツを指定して遷移させることができます。   「提出したレポート一覧」「レポート採点管理」画面の廃止 Ver2.18以降、「提出したレポート一覧」「レポート採点管理」画面が廃止されます。   免除指定管理 特定のコースやコンテンツについて、学習の必要があるユーザーと必要がないユーザーが存在する場合、ユーザーごとにコンテンツの学習を免除する設定ができます。なお、免除指定した場合でもユーザーはコンテンツを学習することができます。   成績管理の機能拡充 「問題別」タブの名称が「教材別」に変更され、中身としても検索機能が追加されました。 また教材別の成績データについても、期間やグループ等の条件で絞って抽出できるようになりました。 さらに、レポート内容のダウンロード機能や成績分析機能も新たに追加されました。   ユーザー統合管理 2つの異なるアカウント(無効のアカウントと有効のアカウント)の成績、バッジ取得、ログイン情報を統合できます。   コンテンツ管理閲覧権限 コンテンツ管理権限に、新たに閲覧権限が追加されました。 閲覧権限は、ユーザーによるコンテンツの編集を許可せず、どんなコンテンツがあるのかを閲覧することのみが許可されます。   CSVでのグループ所属追加/解除 ユーザーをCSV一括登録する際、「グループ所属追加」と「グループ所属解除」の項目を設定できます。   登録フィールド設定の機能拡充 「登録フィールド設定」において、ログインIDを非表示に設定できるようになりました。 こちらを設定すると、ユーザーのプロフィール変更画面にログインIDが表示されなくなります。   認証コード設定(登録URLごと) 各URLごとに個別の認証コードを設定することができます。   有料プラン契約の自動継続 有料プランを自動継続できるようになりました。 自動継続を設定いただくと、お客様側にて毎回更新のお申し込みをしていただく必要がなくなります。   研修機能 研修機能により、開催日時を指定して研修を設定することができます。 また、ユーザーは希望の研修を探して予約することができ、オーナーは予約申請を承認/非承認することができます。   その他 詳しい操作方法やご不明な点については、弊社担当:CS営業チームまでお問い合わせください。 ●お問い合わせフォーム 今後も、さらにお客様のお声に耳を傾け、より快適にご利用いただけるよう機能改善に取り組みます。 今後とも、learningBOX/QuizGeneratorをよろしくお願いいたします。
blog

もはや他人事ではない!企業価値を左右するコンプライアンスとCSR

企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、企業が負うべき社会的責任も拡大し、企業におけるコンプライアンスの重要性が年々増しています。ここでのコンプライアンスには法令遵守の枠組みを超え、CSRを果たすという意味合いも含まれるでしょう。 「コンプライアンスやCSRなんて大企業だけの話」と思われるかもしれませんが、昨今の社会の企業を見る目は大変厳しくなっており、長期的に事業を継続していくためには、コンプライアンスやCSRを意識した経営は欠かせません。これは大企業も中小企業も同じです。 今一度、企業価値を左右するコンプライアンスとCSRについて確認しましょう。 目次 01コンプライアンスとは 02CSRとは 03CSRが求められる背景 企業の不祥事 環境問題などの深刻化 企業のグローバル化 消費者の価値の多様化 04実際に企業が取り組むCSR活動とは 05CSRのメリット メリット① 企業イメージの向上 メリット② ビジネスの多角化 メリット③ 企業の認知度の向上 メリット④ 企業利益の向上 メリット⑤ 従業員の満足度の向上 06CSRに取り組む際に注意すべきデメリット デメリット① コストの増加 デメリット② 人手が必要 07CSRとコンプライアンスへの取り組みはこれからの事業継続の必須条件 コンプライアンスとは コンプライアンス(compliance)とは「法令遵守」を意味します。「法令遵守」という言葉に馴染みがなく、ピンと来ない場合もあるかもしれません。 例えば、「セクシュアルハラスメント(セクハラ)」や「パワーハラスメント(パワハラ)」、「モラルハラスメント(モラハラ)」などのハラスメント行為、サービス残業や過度の長時間労働、個人情報の漏えいなどはコンプライアンスに違反する行為です。思っていたよりも身近な問題ではありませんか? 近年のコンプライアンスは多様化しており、単に「法令を守る」だけではありません。「会社の規則や法令、社会的なルールを守り、適切な企業活動を行うこと」もコンプライアンスに含まれます。 SNSの発達により、数人の社員が起こした不祥事がネットで一気に拡散し、会社全体の社会的な信用が大きく損なわれるというようなことも見られるようになりました。 そのため、企業におけるコンプライアンスの強化は年々重要視されており、コンプライアンス研修などを行い、社を挙げてコンプライアンス推進活動を進める企業も少なくありません。 目次に戻る CSRとは CSRとは「Corporate Social Responsibility」の略で、直訳すると「企業の社会的責任」です。企業活動を行うにあたって企業が担う社会的責任を意味します。 これは企業は利益の追求だけでなく、広く「ステークホルダー」に対して責任を負うべきであるという考え方です。ステークホルダーとは株主や経営者、従業員や顧客・取引先のほか、金融機関、行政機関、各種団体など、企業のさまざまな利害関係者のことです。 企業はその経済活動をステイクホルダーと深く関わりながら行っており、良好な信頼関係がなければ、経済的な成長が望めません。CSRとは企業としての利益を求めつつ、企業をとりまく人々とコミュニケーションをとりながら、快適な世の中を目指す取り組みのことです。 この考えに基づくとコンプライアンスはCSRという大きな取り組みの中の根幹を占める部分です。コンプライアンスが法令遵守であるなら、CSRはより広義な意味で社会の要請・要求に応えるための考え方といえるでしょう。 目次に戻る CSRが求められる背景 近年、企業のCSR活動が注目を集めるようになってきた背景には次のような理由があります。 企業の不祥事 食品の産地や賞味期限の偽装問題、粉飾決算など企業の不祥事が増え、ステークホルダーの企業に対する不信感が増したため。 環境問題などの深刻化 地球温暖化や気候変動、大気汚染など様々な問題が深刻化し、環境への配慮が企業としての社会的責任となったため。 企業のグローバル化 企業活動のグローバル化に伴い、ステークホルダーも国際化し、企業活動が与える影響が大きくなったため。 消費者の価値の多様化 商品の価格ではなく、企業理念やCSRへの取り組みなどを重視し、商品を選択する消費者が増えてきたため。 目次に戻る 実際に企業が取り組むCSR活動とは 実際には、企業はそれぞれ自社の特性を生かしたCSR活動を行っています。中でも環境保護は多くの企業が取り組むCSR活動のひとつです。具体的にはハイブリッド車や電気自動車の導入によるCO2排出量の抑制や、再生可能エネルギーの導入などがあります。 またコンサートや文化財の保全などの文化支援や、子どもたちが体験できるイベントの実施などの次世代の人材育成などに取り組む会社もあります。 新型コロナウィルスが流行し始めた頃に、酒造会社がアルコール消毒液の代用品を製造して供給したことや、多くの企業が従業員に対し在宅勤務を大幅に緩和し、多様な働き方を認めたことなどもCSRと言えるでしょう。 トヨタ自動車株式会社はCSRに積極的に取り組む企業のひとつです。「トヨタ基本理念」をCSR方針として掲げ、トヨタグループ全体でCSR活動を行っています。 トヨタに関係のある愛知・三重・岐阜・鹿児島・インドネシアでの植林や緑化活動を通じ環境保全・環境啓発への貢献や、障害者や高齢者を対象とした移送サービス、小学生の工場見学の受け入れなど、その活動は多岐にわたります。 目次に戻る CSRのメリット 次にCSRに取り組むことで企業が得られるメリットを確認しましょう。 メリット① 企業イメージの向上 CSRに積極的に取り組んでいることは、企業イメージの向上につながります。企業イメージが向上すると、商品やサービス自体のイメージも向上し、企業としての信頼を勝ち取ることができます。 メリット② ビジネスの多角化 CSR活動をすることで、通常では得られない経験や人とのつながりを得ることができます。このことから、新たなビジネスが生まれる可能性が高まります。 メリット③ 企業の認知度の向上 CSR活動を積極的に行うと、既存の顧客以外にも企業としての存在を知ってもらうことができます。 メリット④ 企業利益の向上 CSRによる企業イメージと認知度の向上は、商品やサービスの購入につながり、利益の向上が見込めます。 メリット⑤ 従業員の満足度の向上 従業員は自分の仕事が社会貢献につながっていると考え、自信を持って仕事に取り組むようになり、仕事の満足度が向上します。 目次に戻る CSRに取り組む際に注意すべきデメリット では、CSR活動を行うことによるデメリットはあるのでしょうか?主に次の2つが気を付けておきたいデメリットといえるでしょう。 デメリット① コストの増加 CSRにはコストが必要です。長期的に見ると企業の利益につながるCSRですが、本来の業務とは違う活動に時間と経費を費やすこととなるため、短期的には売り上げが下がってしまう可能性があります。 デメリット② 人手が必要 CSRに取り組むためには人手が必要です。慢性的な人手不足が問題になる中、CSRに取り組むための人員が用意できない、というような企業もあります。 目次に戻る CSRとコンプライアンスへの取り組みはこれからの事業継続の必須条件 CSRは慈善活動ではなく、企業が負わねばならない社会的な責任です。そのため、企業の理念や倫理観、透明性が求められます。企業の活動に対する社会の監視の目が厳しくなりつつある今、企業の発展にはCSRとその根幹であるコンプライアンスは欠かせません。 CSRとコンプライアンスへの取り組みがまだ十分ではないという方は、コンプライアンス研修から始めてみてはいかがでしょうか?コンプライアンス違反には大きなリスクがあるため、継続的に社員に啓発していくことが重要です。 社内でコンプライアンスに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のコンプライアンス研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 コンプライアンス研修やハラスメント研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
blog

セカンドハラスメントとは?発生する理由と企業ができる3つの対策

2020年6月に施行されたパワハラ防止関連法は2022年4月に改正され、中小企業も対象になり完全義務化となりました。 【出典】 厚生労働省『労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます!』 「ハラスメント」が社会的な関心を高めている現在では「セカンドハラスメント」という言葉も注目を集めています。従業員に気持ちよく働いてもらうためにはハラスメントだけでなく、セカンドハラスメントについても詳しく知っておく必要があります。 そこで今回はセカンドハラスメントについて、発生する理由や企業側の対処法などを解説します。セカンドハラスメントが深刻な問題になる理由も紹介しますので、企業の人事または労務担当者などはぜひ参考にしてみてください。 目次 01セカンドハラスメントとは? セカンドハラスメントの事例 02セカンドハラスメントが深刻な問題になる理由 「セクハラ」「パワハラ」などと比較すると認知度が低い 加害者の罪の意識が薄い 「隠蔽体質」という印象を社会全体に与える 03セカンドハラスメントはなぜ起こる? 企業がハラスメントに対する周知を怠っているため 相談窓口が機能していないため 再発防止策を徹底していないため 04セカンドハラスメントが起こった場合の対処法 被害者の話を傾聴する プライバシーに配慮する 違法性を社内制度で明記する 05まとめ セカンドハラスメントとは? セカンドハラスメントとは、ハラスメントを受けた被害者が同僚・上司などに相談をした結果、嫌がらせを受けるなどの「二次被害」を指します。「セカハラ」と呼ばれることもあり、セクハラ(セクシュアルハラスメント)やパワハラ(パワーハラスメント)といったハラスメント行為を受けた被害者は、セカンドハラスメントによってさらに大きな苦痛を感じることが特徴です。 セカンドハラスメントが発生すると、被害者はもちろん企業にとっても不利益が生じます。複数人がセカンドハラスメントを受けているにもかかわらず企業側が十分な対策をしなければ、従業員からの失望を招くことにつながります。また、そういった評判がインターネットやSNSを通して拡散することで、企業のイメージも悪化するでしょう。 従業員にとっても企業にとっても、セカンドハラスメントは大きな問題になる場合があります。 セカンドハラスメントの事例 セカンドハラスメントはどういった場面で発生するのか、ここでは3つの事例を紹介します。 【事例1】 業務中、Aさんが上司から「仕事が遅いからもっと早くしろ。できないなら解雇するぞ!」という言葉を浴びせられた。Aさんはパワハラを受けたと感じ、同僚に相談をしてみたものの「お前の仕事が遅いのが原因じゃないの?」と言われた。Aさんは、同僚が自分の辛さを理解してくれないことを悲しく感じた。 【事例2】 Bさんは飲み会の席で上司や同僚から身体を触られたり、彼氏がいるかどうかをしつこく聞かれたりした。嫌がらせを受けたと感じたBさんは、会社のコンプライアンス担当者に相談したところ「お酒の席だから仕方ないよ」と言われてしまった。Bさんは職場内の人間関係に不安を感じ、転職を余儀なくされた。 【事例3】Cさんは親しくしていた先輩に、上司からのセクハラ・マタハラを相談した。すると、相談したことが社内に広まってしまったうえ「あいつは嘘をついている」という事実と異なる内容が広がった。Cさんは周囲からの視線が気になり、職場での居場所がないと感じた。 目次に戻る セカンドハラスメントが深刻な問題になる理由 セカンドハラスメントは、深刻化する可能性を含むハラスメントです。深刻な問題になる理由には、以下の3点が挙げられます。 「セクハラ」「パワハラ」などと比較すると認知度が低い セクハラやパワハラはよく知られている言葉ですが、セカンドハラスメントはまだ知名度が低い言葉です。あくまで二次被害を指すハラスメントであるため、一次被害のセクハラなどと比べると報道で見る機会も現状は少ないでしょう。「認知度が低い=大きな問題になはらない」と考える人は多くいます。 加害者の罪の意識が薄い セカンドハラスメントが発生する根本的な原因として、加害者の罪の意識が薄いことが挙げられます。セクハラやパワハラを受けた被害者は、大きな傷を心に負っているものの、相談された相手は真剣に受け取っていないケースも珍しくありません。 また、「君のためを思って言っている」のように、善意を持った指導をしていると考える加害者もいます。被害者の心理に寄り添えない人がいることも、被害者を苦しめる要因となります。 「隠蔽体質」という印象を社会全体に与える セカンドハラスメントへの対応が不十分になると、「ハラスメントを黙認している」という印象を社会全体から持たれます。そのような印象を持たれると、取引先などから信頼を失ってしまうでしょう。また、「この企業で働くのはやめよう」と思われる可能性もあり、大きな損失につながるケースも考えられます。 目次に戻る セカンドハラスメントはなぜ起こる? セカンドハラスメントが起こる原因には、加害者本人の罪の意識が薄いことに加えて、他にもさまざまな理由があります。代表的な原因は以下の3つです。 企業がハラスメントに対する周知を怠っているため 「ハラスメントが起こるはずがない」と考えている企業では、ハラスメントに対する周知が社員にできていないことがあります。その結果、ハラスメントに対する問題意識が薄い従業員が多くなるため、セカンドハラスメントが生まれやすくなるでしょう。 相談窓口が機能していないため 企業の中には、ハラスメントに関する相談窓口を設けている企業もあります。相談窓口が機能していれば、仮にハラスメントが発生してもうまく対処してもらえるでしょう。しかし、窓口が機能していないと被害者は我慢する形になるため、セカンドハラスメントの発生につながります。 再発防止策を徹底していないため 1人の被害者が同じ人から被害を受ける場合もあるなど、ハラスメントは1回きりで終わるとは限りません。企業が適切な再発防止策を講じていなければ、ハラスメントが再発することがあるため、セカンドハラスメントも増加します。 目次に戻る セカンドハラスメントが起こった場合の対処法 セカンドハラスメントが発生した場合、企業の担当者は適切な対処を実施する必要があります。ここでは、実施するべき対処法を3つ紹介します。 被害者の話を傾聴する まずは被害者の話を親身になって聞くことが大切です。その際、「傾聴」を心がけるように注意しましょう。 ハラスメントの被害者にとって、誰かに相談することは勇気のいる行為です。相談者の言葉をしっかりと聞き、問題の解決につなげることができれば、相談者も安心できます。 なお、相談を受けた人が「あなたの思い込みでは?」のように、被害者の気持ちを否定する発言をすることは、セカンドハラスメントに該当するためNGです。 プライバシーに配慮する ハラスメントは慎重な対応が求められます。特に、セクハラなどの性的なハラスメントを受けている場合、被害者は相談することをためらうケースも多くあります。男性・女性といった性別にかかわらず、誰でも相談できる雰囲気を作ることが欠かせません。 たとえば、ハラスメントの内容を第三者の友人に口外するといった行為は絶対に避けましょう。口外した相手が被害者と親しい人の場合、口外したことがきっかけでさらなるトラブルになる可能性があります。 違法性を社内制度で明記する 会社側ができる対策として、セカンドハラスメントは違法であることを社内制度で明記しましょう。セクハラやマタハラがあったにもかかわらず対策をしなかった場合、それぞれ男女雇用機会均等法・育児介護休業法違反となります。 【出典】 e-Gov「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第十一条」【出典】 e-Gov「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第二十三条の二」 「自分の言動や行動が法律違反になるかもしれない」という認識を従業員に持たせることができれば、ハラスメントに対する考え方も変化するでしょう。その結果、セカンドハラスメントの防止も期待できます。 目次に戻る まとめ 今回はセカンドハラスメントの概要に関して、深刻な問題になる理由や原因、企業ができる対処法などを紹介しました。 深刻な二次被害につながるセカンドハラスメントは、まだ知名度が低いこともあり「大きな問題ではない」と考える人も少なくありません。しかし、被害者は精神的・肉体的に疲弊してしまうため、企業側の適切な対応が欠かせません。被害者の話を傾聴するなど、誠意を持った対応を心がけましょう。 社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
blog

研修を内製化するメリット・デメリット|成功のポイントを解説

社員研修は、従業員のスキルアップや事業への理解を深めるために行われます。例えば、コミュニケーション研修や新人研修、管理職研修などが代表的です。しかし、多くの企業は外部の研修会社に任せきりにしており、実施による効果を把握できていないケースもあるのではないでしょうか。 今回は、研修を内製化するメリットやデメリット、内製化に適したテーマ、成功させるコツなどを解説します。これを機会に社員研修の実施方法を見直し、事業の成長につなげましょう。 目次 01研修を内製化するメリット・デメリット メリット デメリット 02内製化に適した研修と外部委託に適した研修 内製化に適した研修テーマ 外部委託に適した研修テーマ 03研修の内製化を成功させるポイント コンピテンシーを明文化する 講師の評価制度を設ける 研修内容を定期的に更新する 内製化するコンテンツを適切に振り分ける 04研修の内製化を実現して人材育成を効率化しよう 研修を内製化するメリット・デメリット 最初に、研修を内製化するメリット・デメリットをご紹介します。内製化を推進する場合は、メリットを生かしつつ、デメリットを低減できるよう対策しましょう。 メリット 講師となった社員のスキルアップも期待できる 研修を内製化する場合、研修講師となる人材を社内から選出します。研修では単に話すだけでなく、ノウハウや知識を「伝える」「理解してもらう」といった能力が求められるため、講師となった社員のスキルアップが期待できるのがメリットです。 わかりやすい研修コンテンツになるよう創意工夫を重ねることで、講師と受講者の双方向のスキルアップにつながります。 業務内容に直結した研修を実施しやすい 研修を内製化すると、自社の業務に携わる人材が研修を行うため、業務内容に直結した研修を実施しやすいのが利点です。経営戦略や現場環境にマッチしたカリキュラムを構築しやすく、独自性の高い教育プログラムを提供できます。 研修プログラムの修正・アップデートがしやすい 研修コンテンツの制作が社内で完結していれば、法令や社会情勢の変化に伴うプログラムの修正・アップデートは容易です。外部の研修会社に委託している場合は、内容を変更できないケースも多く、対応してもらえる場合でもコストがかかります。 現場のノウハウを会社に蓄積できる 研修を外注した場合に学べるのは、一般的なビジネススキルや知識です。研修を内製化することで、会社独自のノウハウや特定の人材のみが保有するナレッジを共有できるのがメリットです。社内に知識資産を蓄積でき、人材の流動化や働き方の多様化が進む中でも、人材育成やチームビルディングがしやすくなります。 デメリット 社内コストが増加する可能性がある 研修を内製化する場合、一連の業務をすべて自社のリソースで行う必要があるため、外注と比較してコストが増加する可能性があります。 具体的には、講師の育成や企画立案、研修プログラムの作成、研修会場の手配、効果測定など、どれも一定の費用や時間、労力が必要です。内製化の目的を考慮した上で、コストの増加に見合うメリットがあるか確認しましょう。 一から講師を育成する必要がある 講師役を担う従業員は、教えるプロではない可能性が高いため、研修を内製化する場合は一から講師を育成する必要があります。 講師の育成が不十分だと自己流の指導を行ってしまい、適切な指導が難しくなる恐れがあります。講師を務める社員には、事前に人材育成に必要なトレーニングを受けてもらうと良いでしょう。例えば、スピーチにおけるデリバリースキルやファシリテーションスキルなどが代表的です。 講師役が引き継がれても研修の質を担保できるよう、複数の講師役人材を育成することをおすすめします。 社外の専門知識やノウハウを習得できない 研修を内製化する場合、自社にない知識やノウハウの習得が難しい点が課題です。その理由は、講師から受講者までが自社の従業員で構成されることが挙げられます。 社内に浸透していない新たな経験や視点を得られないと、期待していたほどスキルアップやモチベーションの向上につながらない可能性があります。 研修の成果や満足度の基準がない 専門の研修会社は、研修に関する成果や満足度の基準を設け、実施後に従業員へヒアリングやアンケートを行うのが一般的です。 しかし、研修を内製化する場合、基準を設けずに研修を行っているケースも多く、成果が度外視される傾向にあります。知識の定着率や浸透率に関する基準を設計しておき、研修の実施後に確認するのが理想です。 目次に戻る 内製化に適した研修と外部委託に適した研修 社員研修では、外部の視点も取り入れられるよう、コンテンツに応じて内製化と外部委託を使い分けるのが効果的です。そこで次は、内製化に適した研修と外部委託に適した研修の種類をご紹介します。 内製化に適した研修テーマ 経営理念やビジョンの共有を目的とする研修 経営理念やビジョンの説明・共有は、外部への委託が難しく、内製化に適した研修テーマです。これらの内容は企業独自のものであり、外部から招いた講師では説得力に欠けるため、テーマについて理解の深い、同じ会社の社員が説明すると信頼度が高まるでしょう。 ただし講師と受講者に熱量の差があるケースでは、一方的な発信となり内容が伝わらない可能性がある点に注意が必要です。例えば、中途社員や新入社員研修のように会社への帰属意識が低い社員向けの研修では、熱量の差が生まれやすい傾向にあります。 講師の実体験を踏まえる、経営層やリーダーに登壇してもらうなど、共感や納得を得られるように工夫するのがコツです。 自社特有のルールに関する研修 社内ルールの理解を目的とした研修は、テーマごとに複数回実施する必要があり、内製化したほうが効率的です。一般的なITツールの使用方法や情報セキュリティ、人事評価など、重要度ごとにテーマを分けることで社内ルールの浸透を目指しましょう。 職種や業務内容に関連する研修 実務に関連する研修は、自社のノウハウや認識を反映しやすいため、内製化が望ましいテーマです。受講者が業務の手順や注意点、重要性に関する理解を深められるのはもちろん、講師役もこれらを再確認できるというメリットがあります。 OJTが主流の現場でも、業務の属人化を防止するために社内研修を開催するケースも見られます。 外部委託に適した研修テーマ 階層に応じた一般的な知識に関する研修 ビジネスで必要となる基礎的なテーマの場合、プロの講師のほうが指導に慣れており、質の高い研修を受けられます。 例えば、新入社員を対象としたビジネスマナー講座や管理職向けの労務管理研修など、階層別研修を実施する際は外注を検討しましょう。 専門知識や最新事例を学ぶ研修 業界で使用されている専門知識や最新事例を学ぶ場合、講師担当者の負担が大きいため、外注したほうがコストパフォーマンスに優れます。自社の人材育成方針や講師の研修実績などを確認し、組織力の向上に最適な外部講師を選定しましょう。 独自開発のノウハウに関する研修 他社が独自開発したノウハウやマネジメント手法などを扱う場合、開発元の企業や関連会社の担当者を講師として招くケースが一般的です。 ただし担当者が研修に慣れていない可能性もあるため、事前の打ち合わせで研修の進め方に対する要望を伝えるなど、自社がイニシアチブをとることが大切です。 目次に戻る 研修の内製化を成功させるポイント 研修の内製化を推進し人材の育成や成長につなげるには、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。ここでは、社内研修を成功させるためのコツをご紹介します。 コンピテンシーを明文化する コンピテンシーとは、特定の職務や役割において優秀な成績を残している人材の行動特性のことで、人事制度や人材育成の場で活用されることが多い用語です。行動特性は、個人がある行動に移る際の背景となる考え方を指します。ビジネスシーンではノウハウや専門知識、技術などを意味するケースもあります。 研修を内製化する場合は、内容に合わせたコンピテンシーを定義しましょう。例えば、リーダー育成に関する研修を行う場合「会社が求めるリーダー像」が明確化されていなければ、コンテンツに反映できないためです。 社内でロールモデルとなる人を探し、アンケートなどを通して行動特性を把握するのが良いでしょう。 講師の評価制度を設ける 社内研修を実施する場合は、成果に関する基準と併せて講師の評価制度も設計しましょう。研修での講師としての振る舞いが評価されるようになれば、単に資料を配布して知識を提供するだけの場になることを防止でき、講師のスキルアップにもつながります。 自社に講師の育成プログラムや過去の社内研修の実績がない場合は、内製化支援サービスを提供している会社に相談するのがおすすめです。 研修内容を定期的に更新する 研修コンテンツは、一度作成して完成ではありません。研修を実施するたびに見直しと更新を行い、より質の高い内容に改善しましょう。業務に関連する法令や制度がある場合は、改正や運用の変更がないかチェックすることも大切です。 内製化するコンテンツを適切に振り分ける 前述の通り、研修コンテンツには内製化に適しているテーマと適していないものがあります。コストや講師の育成度、独自性、専門性などの点を考慮し、内製化するコンテンツを適切に振り分けましょう。 目次に戻る 研修の内製化を実現して人材育成を効率化しよう 今回は、研修を内製化するメリット・デメリット、成功するためのポイントを解説しました。研修の内製化はハードルが高いように思われるものの、講師の育成やコンテンツの振り分けを適切に行えば実現可能です。自社が保有する知識やスキルを、人材の流動によって失わないためにも研修の内製化に取り組みましょう。 社内研修に必要な教材の作成には弊社の「learningBOX(ラーニングボックス)」をご活用ください。learningBOXは、教材の作成・配信や受講者の管理など社内教育に不可欠な機能が備わっているeラーニングシステムです。社内教育の内容に沿ったコースの設計、社員の習熟度を確認するテストも簡単に実施できます。シンプルな操作性とリーズナブルな価格が好評で、多くの企業の社内研修に採用いただいています。 ほぼすべての機能がご利用いただけるフリープランも用意していますので、研修の内製化をご検討の場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
blog

eラーニングのメリット・デメリット|社内研修や試験を効率化しよう

eラーニングとは、インターネットと電子機器を活用した学習手法です。資格試験対策などの勉強に活用されるイメージが強いものの、現代ではビジネスシーンでも利用されています。例えば、新入社員研修やコンプライアンス研修などをオンラインで行う場合が代表的です。 そこで今回は、社内研修や試験にeラーニングを取り入れるメリット・デメリットを徹底解説します。eラーニングを活用したコンテンツの内製化に必要となるおすすめのシステムもご紹介しますので、企業の担当者の方はぜひご一読ください。 目次 01eラーニングのメリット・デメリット【管理者編】 メリット デメリット 02eラーニングのメリット・デメリット【学習者編】 メリット デメリット 03eラーニングの導入にはLMSの利用が必要 LMSとは? おすすめのLMS「learningBOX」 04eラーニングを社内研修や試験に導入して全社的なレベルアップにつなげよう eラーニングのメリット・デメリット【管理者編】 社員教育や人材育成にeラーニングを取り入れると、管理者側である企業にもメリットがあります。ここでは、企業から見たeラーニングのメリットと注意点をご紹介します。 メリット コストを削減できる eラーニングは、自社に適したシステムを一度構築すれば何度でも再利用が可能なため、コスト削減につながるのが魅力です。 例えば、企業研修や試験会場の利用費、社員の交通費、宿泊費、学習教材の印刷代などを削減できます。従業員数の多い企業や受講者が全国にいる場合などで特に効果的です。新型コロナウイルスの影響でテレワークやリモートワークを導入している企業でも取り入れやすいといえます。 受講者の情報を一元管理できる eラーニングシステムでは、学習の実施ごとに進捗率や出席情報、成績、学習時間などさまざまな情報が自動的にデータベース上に記録されます。 そのため、従来行っていた手入力でのデータ化の手間を省くことが可能です。集計した学習履歴や成績データは、新しい教材の作成に活用したり、学習者の分析・評価に利用したりできます。 教材の修正やアップデートがしやすい eラーニングの場合、学習コンテンツが一つのプラットフォームで提供されているため、教材の修正やアップデートを行いやすいのがポイントです。 例えばコンプライアンス研修を実施する場合、法改正のタイミングで内容を調整したり、最新事例を追記したりといったことが簡単に行えます。 紙ベースで資料を配布した場合は、一度回収した上で内容を修正して再度配布する必要があり、企業側の負担が大きくなりやすい傾向にあります。 受講者ごとに最適な学習プログラムを提供しやすい 企業が人材育成に取り組む場合、必要な教育コンテンツは従業員ごとに異なります。具体的には、新入社員であれば一般的なビジネスマナー研修を受講させます。管理職の場合は労務管理研修など、習熟度や階層別に適切な学習プログラムを提供することが大切です。 eラーニングを導入すれば、用意した教材を組み合わせることで学習状況に応じた柔軟な学習プログラムの構築が可能です。 学習機会を均等に提供できる eラーニングではオンラインで学習が完結するため、受講者が自分のタイミングで授業を受けられるのも魅力です。企業側は学習機会を均等に提供しやすく、受講者の理解度の底上げも期待できます。 また、受講者の人数に関係なく同じ学習コンテンツを提供できるため、テキストや講師の違いによる品質のばらつき防止にもつながります。 デメリット 教材作成に手間とコストがかかる eラーニングの教材を用意する方法にはいくつかの種類があります。一般的には、既製品の購入やオーダーメイド、自社制作などが選ばれます。盛り込みたい内容やターゲットに合わせて最適な方法を選択する必要があり、手間がかかる点がデメリットです。 また、ハードウェアやソフトウェアの調達に初期費用がかかる点も見逃せません。自社オリジナルの教材を安価に調達したい場合は、eラーニングシステムを活用して内製化するのをおすすめします。 運用に一定のITリテラシーが求められる eラーニングを利用するには、パソコンやタブレット、スマートフォンの操作が必要であり、受講者には一定のITリテラシーが求められます。 そのため、企業側はITツールに慣れていない方でも直感的に利用できるeラーニングを提供することが大切です。多くの方が所有していて一定のリテラシーがあると考えられる、モバイル端末に対応したeラーニングを導入するのも良いでしょう。 eラーニング化に適さないコンテンツがある eラーニングは、実技を伴う研修内容には適していません。例えば、接客トレーニングやクレーム対応などの研修は、画面越しでは細部が伝わりにくく、十分な学習効果を期待できない可能性があります。 知識を提供する座学はeラーニングで実施し、実技を伴う研修は対面で講義を行うなど、使い分けるのが良いでしょう。 目次に戻る eラーニングのメリット・デメリット【学習者編】 次は、学習者側から見たeラーニングのメリットや課題をお伝えします。eラーニングの導入を進める場合は、メリットを生かしつつ、できる限りデメリットをカバーするのが理想です。 メリット 繰り返し受講できる eラーニングでは、聞き逃した部分を巻き戻して聞き直したり、講座を再受講したりすることが可能です。理解度に応じて学習スタイルを変えられるため、学習内容の定着に役立ちます。集合研修の場合、聞き逃してしまうと講師に質問する必要があり、再受講できないケースも少なくありません。 好きな場所・時間に学習できる eラーニングは、インターネット環境さえ整っていれば、場所や時間を選ばずに受講できます。自宅はもちろん、仕事の休憩中や通勤中など、隙間時間に気軽に学びやすいのが特徴です。受講へのハードルが下がり、仕事などで忙しい方でも取り組みやすくなるでしょう。 学習の進捗状況や理解度を確認しやすい eラーニングは、受講後すぐにフィードバックを受け取れるのもメリットです。 例えばテストを行った場合、結果が速やかにシステムに反映されるため、学習の進捗状況や理解度をリアルタイムで確認できます。習熟度に応じて学習方法を見直したり、再受講を検討したりすることが可能なため、効率的に学習を進められます。 手軽に学習でき継続しやすい 多くのeラーニングシステムは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応しているため、手軽に学習でき継続しやすいのが魅力です。事前準備がほとんど必要なく、起動するだけで学習をスタートできます。持ち運びもしやすく、営業パーソンなど外出する機会の多い方にも浸透しやすいといえるでしょう。 デメリット 疑問点の迅速な解決が難しい eラーニングでは受講者が単独で講義を受ける形が一般的のため、疑問がある場合でも迅速な解決が難しい傾向にあります。集合研修であれば、質疑応答の時間が用意されており、その場で直接講師に質問することが可能です。そのため、eラーニングを導入する場合は、疑問点や不明点の解消方法を事前に用意しておく必要があります。 具体的には、教材にFAQを設ける、質問を受け付ける専用窓口を設置する、社内SNSに匿名で書き込めるスペースを設けるなどの方法が効果的です。 モチベーションの維持が難しい eラーニングは受講の自由度が高い一方、学習者が主体的に講義を受ける必要があるため、進捗が受講者の学習意欲に左右されやすい点がデメリットです。 集合研修の場合は、管理者から日時や場所を指定されるケースが多く、一定の強制力があります。そのため、企業側は学習者のモチベーション維持につながる仕組みを設けることが大切です。 例えば、受講者間でコミュニケーションを取れる機能の導入や、未修了者へのメール配信、集合研修との併用などが考えられます。 インターネット環境を用意する必要がある eラーニングは、集合研修と比較するとハードルが低いものの、受講にはインターネット環境が必要です。インターネットの利用が難しい従業員がいる場合、学習機会を均等に提供できなくなります。事前に資料や動画教材をダウンロードして端末に保存できるシステムを採用するなど、対策を検討しましょう。 目次に戻る eラーニングの導入にはLMSの利用が必要 eラーニングを実施する際に欠かせないのがLMSです。ここでは、LMSの概要とおすすめのサービスをご紹介します。 LMSとは? LMSとは「Learning Management System」の略称で、教材の作成・配信や受講者の管理、データの蓄積・分析などを一括で行うシステムのことです。 eラーニングを運用する際の基本となるシステムで、学習管理システムやeラーニングシステムとも呼ばれます。最新のLMSには、受講者間でのコミュニケーション促進を目的としたSNS機能を搭載したサービスも登場しています。 おすすめのLMS「learningBOX」 これからeラーニングの導入を検討されている方には、弊社の提供するeラーニングシステム(LMS)「learningBOX(ラーニングボックス)」をおすすめします。eラーニングに必要な教材の作成配布・成績管理・受講者管理機能がすべて揃い、誰でも簡単にWEB学習環境が構築できます。 目次に戻る eラーニングを社内研修や試験に導入して全社的なレベルアップにつなげよう 今回は、eラーニングの導入するメリット・デメリット、おすすめのLMSについてお伝えしました。 eラーニングは、大人数で集まったり受講者全員のスケジュールを調整したりする必要がなく、時代にマッチした学習システムです。LMSを利用すれば、会社の実情に合わせたコンテンツ作成も可能になるため、社内研修や試験に活用してみてはいかがでしょうか。 eラーニングの導入を検討されているなら、「learningBOX」をぜひご活用ください。learningBOXは、ITツールに慣れていない方やプログラミングの知識がない方でも、簡単に教材を作成できる手軽さが魅力です。教材の種類も幅広く、択一タイプから○×問題、記述問題、穴埋め問題など、研修内容や導入目的に応じて最適な教材を作成できます。 ほぼすべての機能がご利用いただけるフリープランも用意していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
blog

コンプライアンス違反のパワハラとは?定義や類型、防止対策まで

近年、多くの企業でコンプライアンスの取り組みが重要視されています。特にコンプライアンス違反と考えられているのがパワハラ(パワーハラスメント)です。現代では全ての企業にとって、コンプライアンスとパワハラは意識しなければならないキーワードとなっています。 この記事ではコンプライアンスの意味や重要性、パワハラの定義や類型、防止対策について解説します。社員向けのコンプライアンス研修について検討している管理職の方は、ぜひ参考にしてみてください。 目次 01コンプライアンスとパワハラに関する基礎知識 コンプライアンスの意味や重要性 コンプライアンス違反となる「パワハラ」とは? パワハラ防止に関連する法律 02コンプライアンス担当者が理解すべきパワハラの類型 身体的な攻撃 精神的な攻撃 人間関係からの切り離し 過大な要求 過小な要求 個の侵害 03コンプライアンス違反のパワハラ防止へ向けた対策 自社の実態を調査する 社内でルールや体制の周知を行う 従業員を教育する 04パワハラ防止はすべての企業に求められるコンプライアンスの取り組み コンプライアンスとパワハラに関する基礎知識 まずは、コンプライアンスとパワハラに関する基礎知識を把握しておきましょう。コンプライアンスの意味と重要視されるようになった背景、コンプライアンスに抵触するパワハラの概要について解説します。 コンプライアンスの意味や重要性 コンプライアンス(Compliance)は日本では「法令遵守」と訳されるのが一般的です。 具体的には、企業がルールや社会規範などを守って業務を行うことを指します。ここでいう「ルールや社会規範」とは法律、就業規則、企業倫理などです。 コンプライアンスの取り組みには、従業員による違反行為や不祥事などを防ぐために企業活動を適切に管理し、リスクマネジメントを徹底する目的があります。この目的を達成するためにコンプライアンス体制の整備、コンプライアンス部門の設置、コンプライアンス研修の実施などが必要になります。 コンプライアンス違反となる「パワハラ」とは? パワハラとは、「パワーハラスメント」の略語です。加害者が社会的に優位な立場を利用し、弱い立場にある者へ肉体的・精神的な苦痛を与えることを意味します。厚生労働省は以下の3要素を満たす行為をパワハラとして定義しています。 ①優越的な関係を背景とした言動 ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの ③労働者の就業環境が害されるもの 【出典】 厚生労働省 あかるい職場応援団|「ハラスメント基本情報」パワーハラスメントの定義 パワハラ防止に関連する法律 2019年5月に「労働施策総合推進法」が改正され、職場のパワハラ防止(通称:パワハラ防止法)が義務化されました。大企業は2020年6月1日から、中小企業は2022年4月1日から改正内容が施行され、パワハラ防止に向けて取り組むことが義務化されました。 労働施策総合推進法が改正された背景にあるのは、近年目立つようになってきたハラスメント問題の被害増加です。職場においていじめや嫌がらせなどパワハラに該当する被害を受けたという相談が相次いでいます。また、精神障害による労災補償の件数は年々増加傾向にある状況です。 厚生労働省の調査では、職場内の上下関係や人間関係による被害が多いことがわかっています。労働局へ寄せられるセクシャルハラスメント(セクハラ)やマタニティハラスメント(マタハラ)など、その他のハラスメントの相談件数も増加傾向です。 【出典】 厚生労働省 あかるい職場応援団|「ハラスメント基本情報」データで見るハラスメント 目次に戻る コンプライアンス担当者が理解すべきパワハラの類型 パワハラにはさまざまな種類があり、防止に取り組むためには種類に応じて対策することが重要です。以下では、職場で起こる代表的な類型について解説します。個別のケースのなかには、類型に該当しない例も存在します。 パワハラに関する相談窓口では、類型に当てはめることにこだわらず、幅広い違反事例へ柔軟に対応する必要があります。 身体的な攻撃 相手の身体に対して物理的な攻撃を与えるパワハラ行為です。仕事に関する指導や注意でも、業務上適正な範囲を超えるとパワハラに該当します。例として、叩く、殴る、蹴る、物を投げつける、胸ぐらを掴むなどは、明らかなパワハラ行為です。 精神的な攻撃 相手の人格や名誉を傷つける、暴言などで攻撃するパワハラ行為です。脅迫や侮辱なども精神的なパワハラに含まれます。大声で威圧的に罵倒する、ほかの従業員の前で執拗に叱責する、性的指向や性自認(性同一性)を侮辱するなどは、精神的な攻撃の代表例です。 人間関係からの切り離し 業務において特定の人間を集団から切り離すパワハラ行為です。物理的・精神的に孤立させる行為が該当します。代表例として別室に隔離する、集団で無視をするといった行為が挙げられます。 過大な要求 特定の人材に対して不相応な要求をするパワハラ行為です。要求を達成できなかった際に厳しく叱責する行為も含まれます。新人に対して非現実的な目標を課す、業務とは無関係な雑用を押し付けるといった行為が代表的です。 過小な要求 経験や能力に対して釣り合わない、程度の低い仕事を与えるパワハラ行為です。仕事を与えない嫌がらせもこちらに該当します。管理職に雑用だけを命じる、特定の人材に仕事を与えずに退職へ追い込むといった行為が挙げられます。 個の侵害 個人のプライバシーに過度に干渉するパワハラ行為です。私生活の監視、個人情報の暴露など、さまざまな行為が含まれます。職場外の人間関係に関する詮索、SNS上での接触なども個の侵害に該当する行為です。 目次に戻る コンプライアンス違反のパワハラ防止へ向けた対策 ここまでは、具体的なパワハラの類型について解説しました。以下では、実際にパワハラを防止するための具体的な対策の例をご紹介します。 自社の実態を調査する まずはコンプライアンス問題の発生状況を把握し、現状の職場環境の課題を発見する必要があります。方法としては、匿名での従業員アンケート、ストレスチェック、産業保健スタッフへのヒアリングなどが代表例です。多角的な調査を行うために、複数の手法で実施すると良いでしょう。 また、調査対象の母数が少ないと結果が偏ってしまうことがあります。調査する際は一定以上の回答数を確保し、信頼性を高めるよう努めましょう。 社内でルールや体制の周知を行う ハラスメント対策のルールや体制について、社員へ周知させましょう。そのために、就業規則におけるハラスメント防止の指針や措置、相談窓口の利用方法などについて社内で共有しておきます。 従業員は、パワハラをそこまで重く受け止めていないケースがあります。そのため、事業主がパワハラ防止を重要な課題と認識していることを積極的に発信していくことが重要です。 従業員を教育する 定期的にハラスメント防止研修を実施し、従業員による理解を深めることも重要な取り組みです。パワハラを防止する意識は、全ての従業員に求められます。そのため新入社員から管理職まで、全社員が研修を受講できると理想的です。 階層別に研修を実施する方法もあります。その場合、役職に応じて必要なコンプライアンスの意識を教育できるのがメリットです。eラーニングシステムを活用すると、受講の仕組みを整備しやすくなります。 目次に戻る パワハラ防止はすべての企業に求められるコンプライアンスの取り組み パワハラは重大なコンプライアンス違反です。パワハラ防止法が施行され、経営層や管理職の間ではコンプライアンスを徹底する意識が根付いてきています。しかし、従業員全員がその意識を共有することは容易ではありません。声掛けや注視をするだけではなく、コンプライアンスを教育するための仕組みが求められます。 社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
blog

テレワークするなら注意すべき!リモートハラスメントとは?その実態と対応策

近年ハラスメントによるトラブルは増加傾向にあり、労働者を守るための対策として2020年6月に大企業が対象の「労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)」が施行されました。さらに2022年4月からは、中小企業にも防止措置が義務化されました。 この法律には罰則はありませんが、賠償責任を問われる可能性があり、ハラスメント行為は思っているよりもずっと身近な問題です。今回は、ハラスメントの中でも特にリモートハラスメントについて、具体的な事例や起こる背景、防止のためにできることをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。 目次 01リモートハラスメントとは? 02リモートハラスメントになってしまう可能性がある事例 パワハラ的要素 セクハラ的要素 モラハラ的要素 03リモートハラスメントはなぜ起こるのか? 理由1 自宅と職場との切り替えが難しい 理由2 部下の管理方法が分からない 04リモートハラスメントを防止するため企業と従業員がすべきこと 企業側 従業員側 05まとめ リモートハラスメントとは? リモートハラスメントはその名前からも分かる通り、近年になり問題視され始めたハラスメントです。それまであまり浸透していなかったリモートワークは、新型コロナウイルスのまん延防止対策として、急速に一般的なものとなりました。 在宅勤務が働き方の一つとして選択できることは、従業員にとっては大きなメリットです。感染症の予防はもちろん、通勤の負担軽減や介護・育児などとの両立、仕事へのモチベーション向上を感じた従業員は少なくないでしょう。 しかし、その反面、デメリットも見受けられます。それは社員間のコミュニケーションがとりづらいことや、人事評価の基準がまだ明確でないことなどです。 これらのデメリットにより起こるハラスメント行為が「リモハラ」とも呼ばれるリモートハラスメントです。どのような行為がリモートハラスメントに該当するのか、具体的に確認しましょう。 目次に戻る リモートハラスメントになってしまう可能性がある事例 リモートハラスメントは大きく3つのタイプに分けることができます。それぞれ具体的に確認してみましょう。 パワハラ的要素 在宅勤務では上司は部下の働く姿を見て確認することができません。その不安から発展しがちなのがパワハラ的要素のあるリモートハラスメントです。 Webカメラやマイクを常時ONにするように求める 過度に業務報告を求める 業務時間が終わっているのにも関わらず、仕事の指示を出す 残業申請を許可しない セクハラ的要素 リモートの環境では同僚や上司、部下の今まで知り得なかったプライベートな側面を目にすることがあります。そこから発した何気ない言葉がハラスメントに該当することがあります。発言した本人にそのつもりがなくとも相手が不快感や嫌悪感を感じれば、それはリモートハラスメントです。以下のような事例はセクハラ的要素のあるリモートハラスメントと言えるでしょう。 服装や体型、化粧などについて指摘する 業務外の連絡を求める しつようにオンライン飲み会に誘う 家族などの同居者についてしつこく聞く SNSでの個別のつながりを求める モラハラ的要素 業務に全く関係のないプライベートへの過度な介入はハラスメント行為です。以下のような事例はモラハラ的要素のあるリモートハラスメントです。 部屋の間取りや家具などのプライベート空間について言及する ペットや子どもの声が入ることなどを叱責する Web会議などで部下に対し高圧的・威圧的に接する 目次に戻る リモートハラスメントはなぜ起こるのか? このようなリモートハラスメントはなぜ起こるのでしょうか?リモートハラスメントは、リモートワーク特有のシチュエーションが誘発するハラスメントです。リモート環境で発生するハラスメント行為には大きく2つの理由があります。 理由1 自宅と職場との切り替えが難しい 自宅にいながら、オンラインで職場とつながるリモートワークはオンとオフの切り替えが難しく、ついつい公私混同しがちです。 また、リモートワーク中のふとしたときに部下のプライベートなどを垣間見ることもあり、「親しくなった」と勘違いをしてしまうこともよくあります。 リモートワークで仕事とプライベートの線引きがはっきりせず、相手との距離感を見誤ったままコミュニケーションをとると、ハラスメント行為に発展するケースがみられます。 理由2 部下の管理方法が分からない リモート環境では部下の行動や仕事の進捗状況が把握しづらく、さぼっているのではないかと不安になる方も少なくありません。 その結果、部下に対し過度な報告を求めたり、業務時間外にも連絡を取ったりしてしまうこともあります。この行為が行き過ぎると部下は大きなストレスを感じ、ハラスメント行為に発展してしまいます。 目次に戻る リモートハラスメントを防止するため企業と従業員がすべきこと では、リモートハラスメントを防止するためにできることは何でしょうか。企業側と従業員側の両方の側面から確認しましょう。 企業側 ハラスメントへの社員の知識を深める リモートハラスメントを含むハラスメント全般の防止には、全従業員を対象とした教育が重要です。どのような行為がハラスメントに該当するかを全従業員に浸透させることが、リモートハラスメントの抑制につながります。研修やeラーニング、ポスター掲示など、自社に適した方法を選択しましょう。 リモートワークに関する社内ルールをしっかり作成する 慣れないリモートワーク下では、上司も部下も不安になることが多々あります。その不安を解消するために、しっかりとした社内のルールを作成しましょう。例えば、業務の進捗を確認する適切な方法や頻度、オンライン上での連絡のやり取りの方法などをできる限り具体的にルール化し、社内のテレワークに関する枠組みをしっかりと確認しましょう。 また、オフィスワークでのマネジメントとリモートワークのマネジメントは、別のものと考える必要があります。リモートワークに適した人事評価の基準を新たに作成しましょう。 ハラスメント相談窓口を設置する ハラスメントに関する相談窓口を社内に設置することも有効です。相談窓口はリモートハラスメントを受けたかもしれないという従業員だけでなく、リモートハラスメントをしてしまったかもしれないという従業員にとっても安心できる場所となるでしょう。 このような場合、相談を受けた人事担当者はあくまで冷静かつ客観的に事実関係の確認に努めてください。社内に適切な窓口を設置することが難しく、協力体制がない場合は、外部の専門窓口を頼ることも一つの案でしょう。 従業員側 身だしなみをきちんとする リモートワークといえども、部屋着やノーメイクで勤務することはやめましょう。せめて、今すぐ外出できる服装やメイクをし、プライベートな側面を見せないよう注意してください。どうしても難しい場合はカメラをオフにすることも選択肢の一つです。 バーチャル背景を設定する Web会議などの場合はバーチャル背景を設定し、プライベートな部分が映らないようにしましょう。私生活を詮索されることを防げます。バーチャル背景が難しい場合は、洗濯物や寝具など生活感のあるものがカメラに映らないように注意しましょう。 目次に戻る まとめ ハラスメントは無意識のうちに行ってしまう可能性が高いものです。テレワークは一気に社会に浸透しましたが、まだ歴史が浅く、その中で発生するリモートハラスメントには注意が必要です。 リモートハラスメントの発生を防ぐためには正しい知識を持つことが大きなポイントです。中小企業にもパワハラ防止のための措置が義務付けられた今、社員に正しい知識を身に付ける機会を提供することは必須です。この機会にハラスメントに関する研修を検討してはいかがでしょうか? 社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
blog

職場における「ハラスメント」とは?ハラスメントの種類と具体的な対処法を解説

相手に対して嫌がらせや不利益を与える「ハラスメント」の中でもパワハラやセクハラは有名ですが、今ではハラスメントが多様化・複雑化しており、特に人事担当者の頭を悩ませています。 今回はハラスメントの種類に触れながら、具体的な対処方法を紹介していきます。企業で人事を担当している方は、ぜひ参考にしてみてください。 職場における「ハラスメント」とは? ハラスメントとは、人に対する嫌がらせやいじめといった迷惑行為を意味します。行為者に悪意があるかどうかは関係なく、相手が精神的に嫌な思いをすればハラスメントとなります。 厚生労働省の調査(令和元年度 個別労働紛争解決制度の施行状況)によると、「いじめ・嫌がらせ」に関する民事上の個別労働紛争の相談件数は8年連続トップです。現在、このように多くの企業でハラスメントによる問題が起こっています。 目次に戻る   代表的なハラスメントの種類 一言にハラスメントといっても、さまざまな種類があります。職場における代表的なハラスメントを見ていきましょう。   パワーハラスメント パワーハラスメント(パワハラ)は、職場の地位を利用して部下へ精神的・身体的苦痛を与える行為のことを指します。分かりやすく言えば職場内のいじめや嫌がらせであり、上司によっては指導と混同している場合があります。 とはいえ今では部下が上司に対して精神的・身体的苦痛を与える「逆パワハラ」も問題になっており、加害者の立場を問わないハラスメントになりつつあるのが実状です。 セクシュアルハラスメント セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、性的な言動や行動により就業環境を害したり、精神的苦痛を与えたりする行為を指します。性別問わず加害者にも被害者にもなり得る可能性があるもので、異性だけでなく同性に対するセクシュアルハラスメントも増えています。 またセクハラと似たものに、妊娠・出産した女性労働者に対して配慮のない言葉を浴びせるマタニティハラスメント(マタハラ)と呼ばれるものもあります。 モラルハラスメント モラルハラスメント(モラハラ)とは、発言や態度で相手の人格や尊厳を傷つけ、精神的・身体的苦痛を与える行為のことです。具体的には「相手の意見をわざと拒絶する」「不必要に人前で注意する」などがあります。モラルハラスメントは加害者意識が薄く物的な証拠が残りにくいため、周りで認知するのが難しいハラスメントの一種です。 ケアハラスメント ケアハラスメント(ケアハラ)とは、家族の介護などで思うように就業ができない人へ精神的苦痛を与える行為のことです。例えば上司の立場を利用し、介護で残業のできない社員に対して「わざと人事評価を下げる」「介護休暇を取り下げる」などがあります。 介護休業は労働者の権利として認められているため、ケアハラスメントは法律上も違法となり得るものです。 セカンドハラスメント セカンドハラスメント(セカハラ)は、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントを受けた人が別の上司や同僚から二次被害を受けることを指した言葉です。 このセカンドハラスメントを恐れ、ハラスメント被害を受けているのに周囲に相談できないというケースが発生しています。ハラスメントに対する意識が低く、風通しの悪い職場で起こりやすいのが特徴です。 リモートハラスメント リモートハラスメント(リモハラ、テレハラ)は、昨今のリモートワーク普及により増えてきたハラスメントの一つです。 リモートワーク中に起こるハラスメントであり、「Web会議中にプライベートなことに踏み込む」「オンライン飲み会を強要する」などが一例として挙げられます。距離感の見誤りやコミュニケーションの取りにくさから、意図せずにリモートハラスメントとなってしまう可能性もあります。 目次に戻る ハラスメントが起こる原因 職場のハラスメントはどのようにして発生するのでしょうか。4つの大きな理由を順に見ていきましょう。 理由1 個人の意識に差がある まずは、人により男女感覚の差や上下関係による思い込みなど、偏った考えがあることが理由としてあげられます。組織で働く以上、さまざまな考え方を持った社員がいます。ある人にとってはコミュニケーションの一環だと思えるような言動や行動であっても、ある人にとっては不快に感じることもあります。 個人の意識のズレは、主に大企業や人の多い部署などで起こりやすいものです。 理由2 職場環境が悪い 風通しの悪い職場でも、ハラスメントは起こりやすくなります。具体的に例をあげると、威圧的な上司がいる閉鎖的な環境やミスが許されない環境などがあるでしょう。支配的な空間は、ハラスメントの常態化を招く可能性が非常に高くなります。eeee 働く社員の意見がしっかり社内で共有・反映される職場でなければ、ハラスメント問題を解決するのは難しいでしょう。 理由3 コミュニケーションの希薄化 コロナ禍でオンラインやツールによるコミュニケーションが増えたことも、ハラスメントが起こる原因の一つです。対面でのコミュニケーションが減りSNSが普及した今、社員同士で意思疎通を図るのが難しくなっています。 コミュニケーションが不足することで十分な信頼関係を築くことができず、お互いの思い違いなどからハラスメントに繋がってしまうこともあるかもしれません。適度なコミュニケーションは、ハラスメントの防止にもなるでしょう。 理由4 ハラスメントに対する意識の低さ そもそも日本では、ハラスメントに対する意識が著しく低い傾向にあります。厚生労働省の調査(令和2年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書)では、過去3年間のハラスメント相談件数は、セクハラを除き件数が減少していないと公表しています。 ハラスメント予防に取り組む企業は依然少なく、管理職に就く社員の意識の低さが目立っています。 目次に戻る ハラスメントによる企業への悪影響とは ハラスメントは企業が優先的に解決すべき課題の一つです。企業へどのような悪影響を及ぼすのか、具体的に見ていきましょう。 社員のモチベーション低下 まずハラスメントがもたらす悪影響は、社員のモチベーション低下です。ハラスメントが横行する職場では良好な人間関係が築けず、モチベーションを大きく損ねてしまいます。ハラスメントを受ける被害者はもちろん、その現場を目の当たりにする社員にとっても悪影響を及ぼしかねません。 モチベーションが下がると業務上の効率や生産性が著しく低下し、ひいては企業の業績にも悪影響を及ぼします。 離職率の上昇 ハラスメントを受けた社員が退職してしまい、離職率の上昇につながります。厚生労働省の調査(令和2年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書)によれば、「過去3年間にパワハラ/セクハラ/顧客等からの著しい迷惑行為を受けた者」の行動として「会社を退職した」という人は全体の約10%います。 企業は従業員を雇用するにあたって、職場環境配慮義務を負っています。そのため離職率上昇だけでなく、最悪の場合はハラスメントを受けた社員から訴えられて法的責任を課される可能性もゼロではありません。 企業のイメージダウン 自殺や訴訟などでハラスメント問題が浮き彫りになれば、企業のイメージダウンにつながります。社会的信用や職場の安定性も失われ、取引先との関係が切れてしまうこともあるでしょう。 特に現在は、働く人の多様性を認めるSDGsの時代です。SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。ハラスメントはSDGsの目標である「ジェンダー平等を実現しよう」「平和と公正をすべての人に」などとは反する行為であり、世間からも淘汰されていくでしょう。 【参考】 SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省 目次に戻る ハラスメントの対処法 2020年6月にパワハラ防止関連法が施行され、2022年4月に改正されました。中小企業も対象で完全義務化になったこともあり、社会の関心や意識が高まっています。 次は具体的なハラスメントの対処法を見ていきましょう。 ハラスメントに対する啓発と周知徹底 企業が率先して行うべきは、ハラスメントに対する啓発と周知徹底です。具体的な手段としては研修を実施する、規定や規則を設けるなどがあります。 研修を実施する場合は、できる限り専門家を招きハラスメントの基礎知識や対策を周知するように努めましょう。講師を呼べない場合は、教材や動画によるセミナーも効果的です。 規定や規則を設けるときは、懲戒解雇や減給など具体的な処罰を就業規則に盛り込むようにしましょう。 相談窓口の設置 相談員を手配し、社内でハラスメントに関する相談窓口を設置しましょう。設置の際は対面による面談のほかメールや電話、社内イントラネットなどを活用し相談者のプライバシーを確保することが大切です。 社員が気軽に相談できるよう、人事部門以外に労働組合や社内カウンセラーなどの相談窓口を設けても良いでしょう。社内が難しいのであれば、総合労働相談コーナーやハローワークなど外部の相談窓口へ案内することもできます。 ハラスメント事後も適切に対処を どれだけハラスメント対策しても、問題が起こってしまうこともあります。その際はうやむやにせず、迅速かつ適正な対処が必要です。まずは事実関係の確認や、被害者・加害者への対応をしっかりと行いましょう。ハラスメントの行為者に対しては、就業規則に基づいた措置を取らなければいけません。 一方、ハラスメントを受けた社員へは、本人の意向を尊重しながら異動や休職といった選択肢を提案しましょう。加えてハラスメントが再び起こらないよう、ハラスメント防止に努めることも大切です。 目次に戻る まとめ 今回はハラスメントの種類に触れながら企業に与える悪影響、企業が取るべき対処法などを紹介しました。企業は日ごろからハラスメントが起こらないような就業環境をつくり、発生した場合は早期解決が大切です。 社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。    ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
learningBOXをもっと知りたい方へ