学校・塾での学習を効率化するには?
成績を向上させるには勉強の内容だけではなく、その方法も重要です。「一生懸命、勉強しているのになかなか成績が上がらない」という生徒は、勉強法に疑問を持たず、効率があまりよくないまま勉強を続けているかもしれません。
そこで本記事では、学習を効率的に進めるための勉強法や集中しやすい環境の作り方について解説します。効率的な勉強ができる学習管理システムについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
学習の効率を下げてしまう勉強法
長時間、机に向かっているのに成績が上がらない場合、学習中に無駄な行動が多いことが考えられます。効率的に学習内容をインプットするためにも、勉強の効率がよくない原因をしっかりと把握することが大切です。
以下で紹介する、学習の効率が悪い勉強法を実践してしまっている生徒はいないか、思い浮かべながら読んでみてください。
睡眠時間を削って勉強している
成績を上げよう、志望校に合格しようと努力するあまり、睡眠時間を削って勉強に励む生徒も少なくありません。しかし、睡眠不足は慢性的な集中力低下の原因となり、勉強の効率を下げてしまいます。
集中力の低下は勉強だけではなく、テスト当日にも悪影響を及ぼすでしょう。本来の力を発揮できず、これまでの努力が水の泡になってしまうことも考えられるため、睡眠時間はしっかりと確保する必要があります。
夜にきちんと睡眠をとっていても、昼食後などに血糖値が変動してしまい、眠気に襲われて授業や勉強に集中できなくなることもあるでしょう。その場合は15分ほど仮眠を取ったり、目を閉じて音楽を聞いたりと、脳を休めるのがおすすめです。
ノートまとめ・単語帳づくりなどの単純作業をしている
多くの時間を使って勉強しているのに、なかなか結果につながらない生徒に多いのが、インプットではなく単純作業で満足してしまっているケースです。
教科書に線を引いたり、重要な点をノートにまとめたりすることも大切ですが、内容が頭に入っていないのに、「勉強した」と勘違いしてしまうことも少なくありません。こうした単純作業に時間をかけるばかりでは、効率的な学習とは言い難いでしょう。
勉強時間や作業量を重視するのではなく、勉強した内容が定着しているか、効率的な学習ができているかを見極めることが大切です。
一度で全部を覚えようとする
一度でその単元の内容をすべて覚えてしまおうとする勉強法も、あまりおすすめできません。一度で完璧に覚えようとすると同じページに時間をかけすぎてしまうため、なかなか先に進まず、効率的な学習は難しいでしょう。
人間の記憶と時間の関係をグラフに表したエビングハウスの忘却曲線によると、人が一度学習した内容は20分後に42%、1時間後には56%忘れるとされています。人間の脳は、何度も繰り返すことで物事を記憶できるようになっているため、日を空けて繰り返し復習することが大切です。
暗記が必要な漢字・英単語・文法・歴史科目などは特に繰り返し勉強し、記憶の定着につなげましょう。
複数の参考書を併用している
参考書や問題集は、1冊にしぼって繰り返し解くことが重要です。複数の参考書を併用していると、なかなか1冊を終わらせることができず勉強の成果が見えにくくなり、やる気の低下にもつながってしまいます。
参考書によっては解き方の解説が異なったり、重点的に解説しているポイントが違っていたりするため、学習を進めるうえで混乱してしまうことも少なくありません。
複数の参考書を使用するにしても1冊ずつ取り組み、学習のハードルを下げる必要があります。1冊の内容を確実に習得してから次の参考書に取り組めば、無駄なく学習を進められるでしょう。
塾や学校でできる!勉強に集中しやすい環境の作り方
勉強をする際は周囲の環境を整えることも、効率的に学習を進めるコツといえます。勉強スペースの周りに何を置くかによって集中力に差が生まれることもあれば、同じ場所で勉強し続けることで飽きてしまい、モチベーションの低下を招くこともあるでしょう。
以下では、簡単にできる集中しやすい環境づくりについて紹介します。
勉強に関係ないものは教室に置かない
勉強となるとその行為だけに目を向けがちですが、周囲の環境も大切です。勉強に関係ないものが近くにあると、そちらに気がそれてしまい、なかなか集中しにくい状態になってしまいます。生徒の娯楽になりそうな漫画などは、誘惑に負けてつい見てしまう可能性があるため、勉強スペースに置かないようにしましょう。
反対に、勉強スペース周辺を整えれば、集中して勉強に取り組みやすくなります。視界に緑(植物)が入っているとリラックスして作業ができ、集中力がアップする効果が期待できるため、机やロッカー、窓の近くなどの目につく場所に小さな観葉植物を置いてみるのもよいでしょう。
たまに学習環境を変える
学習環境は一箇所に固定せず、状況に合わせていくつか選べるようにしておくのがおすすめです。勉強に行き詰まってしまった際のよい気分転換になり、モチベーションを下げずに勉強を続けやすくなります。
使用する教室を隣の教室と入れ替えたり自習室に移動したり、換気をしたりするだけでも学習環境に変化をつけられます。人の目がある場所だと適度に集中できることもあるため、カフェや図書館など様々な場所を試して、個人に合った学習場所を複数見つけておくといいでしょう。
目次に戻る学習の効率を上げるのに効果的な勉強法
学習効率があまりよくない原因として、自己流の勉強法に問題があることも考えられます。長い時間を勉強に費やしているにもかかわらず結果がついてこないと、勉強に対するモチベーションも下がってしまうでしょう。
以下では、結果につながりやすい効率的な勉強法について紹介します。工夫すればすぐにでも始められるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
ストップウォッチ・タイマーを使って勉強する
集中力が途切れるまで休憩なしで勉強を続けるのは、体力的にも精神的にも負担がかかり、効率的とはいえません。人間の脳は続けて集中できる時間が決まっているため、タイマーやストップウォッチを使用した勉強法を取り入れるのがおすすめです。
25分〜45分ほど勉強した後に、5分ほどの適度な休憩を挟むなど、集中とリラックスの時間を区切ることで、トータルの集中時間を長く保ちながら学習できます。
勉強が足りていない科目を把握するために、科目ごとに勉強時間を計っておくのもよいでしょう。タイマーで時間を計って記録しておくことで、毎日の勉強時間が明確になります。努力の軌跡が可視化されれば、モチベーションアップにもつながるでしょう。
タイマーやストップウォッチを利用しながら問題を解くことは、時間配分の練習にもなります。制限時間のある定期テストや入試では時間管理も重要なポイントとなるため、試験対策としてもタイマーを使った勉強法は有効といえるでしょう。
分散学習を行う
勉強した内容を定着させるには、分散学習がおすすめです。授業などで習ったことは脳の中に一旦保管されますが、そのまま放っておくとすぐに忘れてしまいます。
記憶を定着させるためにはやはり復習が大切です。分散学習は、習った直後に見直すのではなく、数日空けてから復習することで長期的な記憶の定着を図ります。
復習というと、学習したすぐ後に行わないと効果がないように思うかもしれませんが、数日空けて行うほうが効率がよいとされています。一度忘れてしまっても焦らず、日を置いて復習し再度思い出すことで、いつでも引き出せる知識を確実に増やしていきましょう。
スキマ時間を使った学習法を取り入れる
まとまった時間、机に向かってペンを動かすことだけが勉強ではありません。通学の移動時間や食事前など少しの時間でも単語や公式、重要語句の暗記には十分です。
一つひとつのスキマ時間は短く感じても毎日有効的に使い積み重ねれば、1ヶ月、1年で膨大な時間になります。ポケットサイズの教材を持ち歩いたり、スマートフォンに単語帳アプリなどをダウンロードしたりして、時間や場所を選ばずにいつでも勉強できるようにしておくとよいでしょう。
目次に戻るより効率化を目指すならeラーニングシステムの導入がおすすめ
学習を効率的に進めるためには、学習管理システムの導入を検討することも重要です。最近では、インターネットを活用した学習方法であるeラーニングに注目が集まっており、教育現場だけではなく、様々な職種の企業でも導入が進んでいます。
以下ではeラーニングシステムの解説に加え、eラーニングシステムを導入するメリットも紹介しますので、効率的な学習管理システムに興味がある方はぜひ参考にしてください。
eラーニングシステムとは
eラーニングシステムとはインターネットを利用した学習形態のことで、オンライン学習とも呼ばれています。インターネット環境があれば、パソコンやスマートフォンなどから時間や場所を問わずに学習できるのが特徴です。
eラーニングシステムでは文章や図面だけでなく映像やアニメーション、CG、VR(仮想現実)を利用しながら理解を深められます。参考書や教科書などの静止画だけでは理解しきれない情報も動画で確認することでわかりやすくなり、学習のモチベーションもアップするでしょう。
eラーニングシステムを導入するメリット
eラーニングシステムを導入すると、学習者側・教育者側の双方にメリットがあります。
学習側は、時間・場所を問わずに学習が進められるほか、文章や図面だけではなく、動画や音声の解説を利用することで理解を深めやすいでしょう。またeラーニングシステムは、確認すべき教材の順番を設定することも可能です。教材ごとの学習状況も確認できるため、どの教材から手をつければいいかわからない、どこまで勉強を進めたか忘れてしまうといったこともなくなり、より効率的に学習を進められるでしょう。
教育者側は、教育にかかる労力やコストの削減はもちろん、個人ごとの学習の進捗状況を把握できたり、今までの教育ノウハウを明確なデータとして蓄積できたりする点がメリットとして挙げられます。eラーニングシステム上でテストを実施する場合は全体の結果を一括で管理できるため、チェックや集計が迅速に行えるのも魅力です。
導入するシステムによってはスマホでの学習も可能
導入するeラーニングシステムによっては、スマートフォンでの学習も可能です。スマートフォンなら時間や場所を問わずに学習できるため、スキマ時間の活用に効果的でしょう。
授業が終わった後に、どのくらい内容を理解できたかを確認するテストを行うことも可能なので、学習内容の定着を効率的に進められます。選択式の問題ならその場で自動採点できるものもあり、間違った問題の復習もすぐに行えます。
eラーニングシステムを活用して効率よく学習を進めよう
効率的に学習を進めるためには生徒が行っている学習方法に問題がないかを確認し、生徒個人に合った効率的な学習方法をアドバイスすることが大切です。
学習方法以外に、環境やスケジュール管理が集中力に影響を及ぼす場合もあることを知っておきましょう。
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