パワハラにあたる言葉一覧|話し方の注意点やハラスメント研修で周知する方法
多くの企業でパワーハラスメント(パワハラ)が問題になっています。企業にとっては、パワハラ防止のために何らかの対策を講じることが急務です。
しかし、パワハラの認識は人によって異なるため、各々の判断でパワハラ防止を呼びかけるだけでは明確な効果は期待できません。企業側でNGな言葉や言動のリストを提示することが大切です。
この記事では、具体的なパワハラにあたる言葉の一覧や、ハラスメント研修で社内へ周知していく方法について解説します。
目次
パワハラに該当する話し方
パワハラを是正するために、まずはどんな言動がパワハラに該当するのかを把握しておく必要があります。以下では、通常業務で起こり得るパワハラに該当する話し方について解説します。
威圧的な態度で発言する
威圧的な態度での発言は、パワハラに該当します。具体的にNGな言動の例は「声を荒らげる」「相手をにらむ」「話しながら物を叩く」などです。
部下への指導のため少し強めの言葉や態度を用いている場合は見直してみましょう。これらの行動は業務上で必要な指導の範囲を超えていると見なされます。部下が恐怖を感じて萎縮してしまうこともあるでしょう。
いかなる理由があったとしても、こうした態度で部下に接するのは好ましくありません。
しつように嫌がらせをする
悪意をもって嫌がらせを繰り返すことも好ましくありません。攻撃的な言動を何度も繰り返し行うのはNGです。部下の過去のミスなどをしつように話題にするのも避けたほうが良いでしょう。
度重なる嫌がらせの苦痛により、部下が追い詰められる恐れがあります。こうしたパワハラが原因で部下がメンタルヘルスを害するケースや、退職してしまうケースが相次いでいます。
他の人の前で叱る
他の人の前で叱ることもパワハラに該当します。例として、同僚の前で叱ったり、侮辱したりするのはNGです。人前で長時間にわたり立たせたままにするといった行為もNGだと考えられています。
指導の一環として叱ることはあるものの、部下にストレスや恐怖心を植え付けてしまうのは逆効果です。その様子を見ているほかの部下にも良い印象を与えずに、職場の雰囲気の悪化につながるデメリットもあります。
攻撃的な電話やメールをする
電話やメールなど、非対面のコミュニケーションにおける言葉遣いでも、パワハラが起こる可能性があります。
電話で暴言を吐く、攻撃的なメールをしつように送るといった行為がNG例です。複数名に宛てたメールで叱責し、見せしめにするケースにも注意しましょう。
目次に戻る【ジャンル別】注意したいパワハラにあたる言葉一覧
意図せずしてパワハラの加害者とならないように、具体的なパワハラにあたる言葉を覚えておくことが大切です。また、社内のパワハラを是正するためにも、パワハラにあたる言葉の具体例を周知しておくことが求められます。
以下では、注意が必要なパワハラにあたる言葉をジャンル別に紹介します。
相手を脅迫する言葉
危害を加えることをほのめかし、相手を怖がらせる言葉はパワハラに該当します。以下のような言葉が代表例です。
- クビにするぞ
- プロジェクトから外されてもいいのか?
- この成績で正社員にはさせないからな
- 次の契約更新はないと思え
- 仕事を辞めたければ◯万円を払え
- 有給は使わせないぞ
こうした言葉を投げかけると、被害者が社内での立場や身の危険を感じてしまいます。
権力を振りかざして部下を脅迫するようなことがあれば、良好な信頼関係の構築は期待できません。脅迫を受けたとして、部下から損害賠償請求される可能性もあります。
相手を侮辱する言葉
相手の人格否定をする言葉は、例外なくパワハラに該当します。以下はNGな言葉の例です。
- 給料泥棒
- 役立たず
- 新入社員以下の働きぶりだ
- もっと優秀な人を採用するべきだった
- お前のせいでみんなに迷惑がかかっている
- こんなに仕事ができない奴は見たことがない
- お前にはどうせ無理だ
部下を指導する目的であったとしても、これらの言葉を選ぶことには明らかに正当性がありません。名誉毀損や侮辱にあたるケースもあります。
また、相手の性的指向や性自認、国籍などを差別する言葉はパワハラに該当します。例として「日本語が分からないのか?」のような言葉は使うべきではありません。
近年は特にこうした中傷への感度が世界的に高まっています。発言者にとってはささいな冗談のつもりでも、大きな問題に発展するケースがあるため注意が必要です。
ひどい暴言
職場に不適切な悪口や乱暴な言葉などはパワハラに該当します。同様に、身体的な特徴を中傷するような言葉もNGです。以下のような表現は、基本的に使うべきではありません。
- バカ
- アホ
- ボケ
- デブ
- ブサイク
- ジジイ
- ババア
- ゆとり
- 無能
- 気持ち悪い
加害者側は冗談のつもりでも、被害者側が精神的な苦痛や不快感を覚えたらパワハラと認定される可能性があります。
目次に戻るパワハラにあたる言葉一覧を社内で周知するには?
自社のパワハラ対策にはハラスメント研修を実施するのがおすすめです。使ってはいけないパワハラにあたる言葉一覧を周知することもできます。以下では、ハラスメント研修の特徴や、ハラスメント研修の内製化について解説します。
ハラスメント研修の特徴
ハラスメント研修とは、パワハラ、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)など社内のハラスメント防止を目的に実施される研修プログラムのことです。ハラスメントの基礎知識、相談窓口での対処法、予防へ向けた職場環境づくりなどを学習します。
ハラスメントはあらゆる階層で起こり得ます。そのため、管理職層に限らず、幅広い階層の社員へハラスメント研修を受講させるのがポイントです。社内全体でハラスメント研修を受講することで、ハラスメントが発生しにくい風土を組織的に作りやすくなるでしょう。
ハラスメント研修を内製化するメリット
ハラスメント研修を実施するには外部のサービスを利用するほか、内製化する方法もあります。
自社の業務に適した独自の研修コンテンツを作成できる点は、ハラスメント研修を内製化する代表的なメリットです。パワハラにあたる言葉一覧を提示し、社内で周知することもできます。研修コンテンツの見直しやブラッシュアップがしやすい点もメリットとして挙げられます。
ハラスメント研修の内製化にはさまざまな方法があり、eラーニングシステムを利用するのが代表的な方法です。システム上で簡単に問題作成や管理ができるため、自社に合わせたコンテンツの作成や、社員の学習進捗確認が容易になります。eラーニングは場所を選ばず学習できるので、リモートワークにも最適です。
目次に戻るパワハラにあたる言葉一覧を周知することでパワハラの被害を予防しよう
パワハラの事例では、加害者側が「業務上必要な指導を行った」「ちょっとした冗談を言った」と認識しているケースもあります。しかし、これらが重大なパワハラ事件に発展してしまうことも少なくありません。
パワハラを防止するためには、社員それぞれの判断に委ねず、企業側がNGリストを提供することが重要です。話し方やジャンル別のパワハラにあたる言葉を社内で定義しておきましょう。
その際、周知が必要なのは管理職層だけではありません。あらゆる階層に広め、全社的にパワハラ防止へ取り組みましょう。
社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。
「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。
ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。
▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい
目次に戻る 記事一覧に戻る