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VR教育

教育分野で進むVRテクノロジー【世界のeラーニング】

教育分野で進むVRテクノロジー【世界のeラーニング】 こんにちわ。朝はゆで卵派・マーケティング担当の本木です。 【世界のeラーニング】シリーズもおかげさまで今回で6回目です。 これまでアダプティブラーニングや、MOOCなどいろいろご紹介してきましたが、今回は、アメリカのEdtech・eラーニングサービスにおける最先端のテクノロジー、「VR」について触れてみたいと思います。 目次はこちら 1.VRとは? 2.教育分野での活用 3.アメリカでのサービス事例 4.まとめ VRとは? 既に「VR」という言葉自体は非常に身近になっていますが、改めて説明しますと、VRとは「Virtual Reality」の略であり、日本語では「仮想現実」と訳されます。 一般的にはディスプレイやVRゴーグルなどを使用することで、360度にわたって視野が広がり、仮想現実の世界を体験できるテクノロジーです。 VRといえば、ゲームやエンターテイメントのイメージがありますが、教育にも親和性が高く、アメリカではEdtechの最先端分野の一つとなっています。 ▼イメージ 教育分野での活用 教育の分野では、宇宙や深海などの仮想空間で体験したり、職業の疑似体験などをはじめ、本では表現が難しい、もしくは、立体的に表現した方が理解しやすい分野(STEM教育関連、例えば、人体の臓器の形状など)で、より理解しやすく、より楽しく学ぶためのツールとして広がりはじめています。 アメリカでは、アメリカ政府がVRを利用した教育を普及させる試みで「VRエデュケーションプロジェクト」というプロジェクトを発足して、教育を目的としたテクノロジー商品の開発には助成金を交付される仕組みがあります。 →アメリカ政府の「Ed Tech Developer's Guide」(←全て英語です) アメリカでのサービス事例 それでは、早速ですが、具体的に代表的なサービスを見ていきましょう。 まずはじめに「Nearpod(ニアポッド)」です。 ▼タブレットでのVR体験 Nearpodは幼稚園から高校生まで学べるVRのコースを約100種類以上を用意しており、学校の先生が授業の教材として使うことができ、また、Nearpodを通して、先生が生徒の回答・反応を収集することができる授業を進めるためのプラットフォームとしての役割を担っているとのことです。 教室での利用が多いので、タブレットがメインで活用されており、VR見たり、授業の教科書・ノート代わりになっているようです。 次に「Zspace(ゼットスペース)」です。 ▼デモ動画(心臓の鼓動音まで出ている) 「Zspace(ゼットスペース)」(→ジースペースとも言う)ですが、こちらも小学生から高校生を対象としたVR教材を多く用意しています。特徴としてはノートパソコンのようなディスプレイ型のデバイスを使って、専用のメガネをかけると目の前に物体があるように見えます。そして専用のペンツールを操作をすると自在に動かすことができます。 こちらもNearpodと同じく、ゴーグルはメインで使われず、学習者が快適にVR学習を進めることができるかどうかを追求した結果、このようなスタイルになったんでしょう。 デモ動画にあるように、立体的に表現した方が理解しやすい分野(STEM関連、例えば、人体の臓器の形状など)で、より理解しやすく、より楽しく学ぶためにVRを活用した教材はとても魅力的ですね。 まとめ さらに、VRテクノロジーは企業の研修でもVRは活用されています。 アメリカの小売業大手Walmartは講師による店舗での実地研修に代わって、VRを使った研修プログラムが用意されているとのことです。 ▼VRを研修に活用 このようにVRはエンターテイメント分野だけでなく、教育分野での活用・普及が非常に進んでいることがわかりました。 STEM教育というと、プログラミング教育がメインに思えてきそうですが、このようなVRのテクノロジーが進化することによって科学・技術・工学・数学の教育の最適化が進んでいきそうですね。 さてみなさん、この【世界のeラーニング】シリーズですが、これまでアメリカの中心にご紹介してきましたが、今回をもってアメリカ編は一旦、終了となります。次回以降は、中国?ヨーロッパ?アジア?どこにいくのでしょうか?心配です。楽しみです。 お読み頂きありがとうございました。 ※参考文献:Edtechが変える未来 著者:佐藤昌宏
evolutionofedtech

進化するアメリカのEdtechサービス【世界のeラーニング】

進化するアメリカのEdtechサービス【世界のeラーニング】 こんにちわ。朝はごはん派・マーケティング担当の本木です。 【世界のeラーニング】シリーズもおかげさまで今回で5回目です。 前回はアダプティブ・ラーニングが学校教育現場に与えた影響をご紹介させて頂きました。 今回はアメリカにおいてEdtechが企業に与えた影響とその動きについて触れてみたいと思います。 目次はこちら 1.アメリカにおけるeラーニング・Edtechの普及と進化 2.ビジネス分野のEdtechサービスの例 3.eポートフォリオの登場と普及 4.まとめ アメリカにおけるeラーニング・Edtechの普及と進化 アメリカは、国土が広く、また多くの企業が国内だけに留まらずグローバル展開をしており、集合研修で社員教育・人材育成をするには限界があり、必然的にeラーニング及びEdtechサービスが普及する土壌がありました。 結果、インターネットの普及とともに、企業の人材育成の手段の一つとして、eラーニングの普及とEdtechサービスの進化が進んでいきました。 そして最近では、企業の人材育成だけでなく、人材獲得を目的として福利厚生の一環としてeラーニング・Edtechサービスが利用されることも多くなっています。 ビジネス分野のEdtechサービスの例 それでは早速ですがビジネス向けサービスで人気のEdtechサービスを見てましょう。 まずはビジネスマン向けSNS「LinkedIn(リンクトイン)」です。 このLinkedInがオンライン学習向けサービスである「Lynda.com(リンダドットコム)」を買収しました。 この買収によって、SNSサービスとオンライン学習の学習履歴情報もミックスされたものなりました。 LinkedInでは、ユーザーが勤務先や役職、業種やスキル、学歴などのビジネスプロフィールを公開しています。 これにLynda.comの学習情報(ユーザーが受講した学習履歴や修了証書)もミックスされて公開することにより、ユーザーのタレント(能力)やスキル志向をSNSを通して見つけることができるようになりました。 これにより、企業内での人材活用、また人材募集や協業をする際に、大きな判断の一つとして利用できるようになりました。人材の流動性が高いアメリカならではのサービスですね。 eポートフォリオの登場と普及 LinkedInで紹介した学習履歴情報について少し突っ込んでみたいと思います。 アメリカでは学習履歴の保存・蓄積のIT化が進んでおり、いわゆる「eポートフォリオ」に就職・進学に活用されているようです。 例えば大学での学生の研究内容・成果がeポートフォリオにまとめられ、大学生が就職活動のためにそのeポートフォリオを通して企業にPRを行い、それを企業がインターンシップや人材獲得の材料とする動きです。 eポートフォリオのプラットフォームサービスの一つ「Portfolium(ポートフォリウム)」です。 こちらは大学での利用が進んでおり、学生のスキルレベルアップにも役立っているとのことです。 履歴書や学歴といった形式的なものから、学習履歴といったより具体的な情報がITによってデータ化され、就職・転職・進学のあり方を変えるものになりそうです。 まとめ アメリカの広い国土と数多くのグローバルな企業の存在により、eラーニング及びEdtechサービスが進化して広がっています。 また、SNSのような既存のITサービスにオンライン教育とその学習履歴が繋がったり、学習履歴管理をメインとしたプラットフォームサービスが登場するなど、Edtechサービスの裾野も広がっています。 単に学ぶだけでなく、進学・就職のあり方を変えるなどEdtechサービスが与える影響が大きいことがわかりました。 次回以降はeラーニング・Edtechの最先端テクノロジー、例えばVRなどにも触れていければと思います。最後までお読み頂きありがとうございました!
アダプティブラーニング

アダプティブ・ラーニングが与えた新しい学び方【世界のeラーニング】

アダプティブ・ラーニングが与えた新しい学び方 【世界のeラーニング】シリーズもおかげさまで今回で4回目です。 前回は、アダプティブラーニングのきっかけと普及について書かせて頂きました。 今回は、アダプティブ・ラーニングが与えた影響のひとつ、アメリカにおける学校のスタイルについて書きたいと思います。 目次はこちら 1.チャータースクールでの活用 2.グーグル元社員が作ったAltSchool 3.まとめ チャータースクールの普及 まずアメリカの学校のスタイルについてご紹介します。 アメリカでは元々、治安の問題や地域の教育水準の差などがあり、学校に行かずとも家で学習することができる「ホームスクール」というものがあります。そして、このホームスクールの進化系である「チャーター・スクール」というものが1990年代から普及し始めました。 例としてはテキサス州の「TEXAS VIRTUAL ACADEMY(テキサスバーチャルアカデミー)」です。 チャータースクールとは、民間が運営する公立学校のことです。TEXAS VIRTUAL ACADEMYでは、オンライン講義がメインとなり、週に一度だけ先生とミーティングしながら学習を進めていくスタイルです。テキサスに住む中学生・高校生を対象として、無料で、アダプティブ・ラーニングを取り入れた学習スタイルとなっているとのことです。 アメリカは日本と違い、教育の分権化が進んでいるため、チャータースクールをはじめ、Edtech・オンライン学習・eラーニングが広まりやすい土壌があるんですね。 一方、アダプティブ・ラーニングを実践している学校として注目されているのが、元Googleの社員が作った「Alt School(オルトスクール」です。 こちらはFacebook創始者のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)や投資家なども多く出資しており、Edtechのテクノロジーをフルに活用してパーソナライズされた教育サービス(アダプティブ・ラーニング)を展開しています。 簡単には ・年齢に関係ないクラスの編成(多様性の教育) ・アプリなどのツールで先生・生徒・保護者に情報の見える化 ・オフラインの授業を重視 まとめ アダプティブ・ラーニングの進化に伴ってアメリカの学校現場では、チャータースクールのように、Edtechのテクノロジー活用が進みやすい環境があります。 また、先に書いたように、「Alt School(オルトスクール」のように最先端のITテクノロジーを教育現場に導入する試みがあり、そこで実践された手法がまた公立学校に適用されていく、という流れができているようです。 アダプティブ・ラーニングはこのように学校教育に影響を与えたように、企業の人材教育においても影響を与えました。 また次回以降、アメリカにおけるeラーニング・Edtechの進化・普及に伴う企業の人事育成に与えた影響についても鋭く切り込んで?いきたいと思います。 learningBOXは教育現場でも活躍中です! なお今回、学校教育について切り込んでいきましたが、当社のeラーニング作成システム「learningBOX」では、各種教育現場でもご利用頂いています。 ・塾や学校での教材ツールとして ・大学での学習強化システムとして ・授業サポートとして演習問題、テストツールとして 教育現場に必要とされるeラーニング作成システムに重要な教材ツールの種類が豊富です。 ぜひ無料利用から一度お試し下さいませ。 ※参考文献:Edtechが変える未来 著者:佐藤昌宏

eラーニングの歴史について

eラーニングの歴史について こんにちわ!CS担当の坂本です。 皆さんはオンライン学習などのインターネットを使った習い事や勉強はされておりますでしょうか? 最近ではパソコンやスマートフォンが普及し、インターネットを使った学習が当たり前のようになっていますが、そもそも、そのはじまりはどのようなものだったのでしょうか? 今回は「eラーニングの歴史について」、お話したいと思います。 目次はこちら 1.eラーニングのはじまり 2.eラーニングの発展 3.インターネットを利用した学習へ 4.スマートデバイスの登場 eラーニングのはじまり eラーニングの元となるコンピュータを使用した学習は、1950年代にCAIと呼ばれる「コンピュータで教育を支援できないか」という考えから、アメリカを中心に開発が始まりました。 従来の集合研修では、インストラクターと受講者が同じ場所に長時間いなければならないということや、受講者の進捗状況の確認などは全て人が行わなければならないという点から、効率的と呼べるものではありませんでした。また、ビデオ教材なども登場しましたが、一方的な情報の提示で、こちらも学習効果が高いものとは言えませんでした。 そこで、学習場所を選ばない、コストを削減できる、学習者の管理ができるといったメリットのあるパソコンを利用した学習が注目されたのです。 しかし、実際に理想的なシステムの構築は困難であったため、CAIによる教育の質の向上は思ったようには進みませんでした。 eラーニングの発展 1990年代に入りパソコンの発達・普及に従って、CAIはCBT(コンピュータ・ベースド・トレーニング)へと変化していきました。 CBTとは、主にCD-ROMを教材とした学習方法を表します。CD-ROMの大容量の特性を生かし、動画や音声を活用した教材が作られました。そして、「eラーニング」という言葉が登場したのはこの頃でもあります。 特に1995年、爆発的人気となったWindows95が発売され、一般家庭にもパソコンが普及していきました。Windows95にはCD-ROMが標準装備されており、これによりCBTによる教育が確立していったのです。 しかしながらCBTも、「教材作成のコストがかかる」「配布後は内容の修正が難しい」「管理者側で受講者全員の学習の進捗度を管理することが困難」という点から、一般的に普及するまでには至りませんでした。 インターネットを利用した学習へ 日本において大きな変化があったのは2000年、当時の森内閣が日本型IT社会の現実を目指す「e-Japan構想」が打ち出され、翌年には、eラーニングの普及促進事業が本格的にはじまりました。 これにより、eラーニングの学習方法もCD-ROMによる学習から、インターネットで配信された教材を利用してオンラインで学習する方法に変化していったのです。学習環境をオンラインに置くことで、教材の管理や受講者の学習進捗度の確認を簡単に、低価格で行えるようになりました。 オンラインでの学習方法はWBT(ウェブ・ベースド・トレーニング)と呼ばれ、インターネットの普及に伴い、eラーニング研修を導入する企業が増えはじめ、徐々に私たちの生活に浸透していきました。 スマートデバイスの登場 2000年代後半からiPhone・Androidに代表されるスマートフォンや、さらに大型なタブレット端末が登場し、eラーニングはさらに大きく変化しました。 持ち運びが便利なスマートデバイスのおかげで、いつでもどこでもすきま時間に学習することが可能になり、スマートフォンで移動中に学習することが一般的になってきました。持ち運びが便利という利点から、リアルの集合研修でしか教育・育成ができなかった職種、例えば、接客・整備・調理などの現場でも導入が進んでいます。 さらに最近では、受講者同士でコミュニケーションを取り合うことにより、支援しあったり学習意欲を向上するのに高い効果が期待されるという点から、受講者同士のコミュニケーションツールとして、SNSなどを組み合わせる方法も取り入れられています。 まとめ 今回はeラーニングの歴史について振り返ってみました。 コンピュータの教育への活用から始まり、パソコン・インターネットの普及、そして、スマートデバイスの登場、SNSの普及によって、eラーニングそのものの役割や効果も大きく広がってきていますね。 今後はさらなるテクノロジーの進化で(既に活用が始まっていますが)AI・VRなど最先端の技術もeラーニングに組み込まれて、eラーニングの在り方も変化していくかもしれませんね。 最後までお読み頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

アメリカでのMOOC(ムーク)のはじまり【世界のeラーニング】

アメリカでのMOOC(ムーク)のはじまり【世界のeラーニング】 こんにちわ。マーケティング担当の本木です。 前回から始まりました【世界のeラーニング】シリーズ。 初回は「アメリカの反転学習の始まりの一つ、カーンアカデミー(Khan Academy)について」ご紹介しました。 今回はカーンアカデミーからの流れからの話として、オンライン教育の一つとして普及した「MOOC(ムーク)」について調べたいと思います。 目次はこちら 1.MOOCとは? 2.代表的なMOOC 3.まとめ MOOCとは? 「MOOC(ムーク)」とは別名「MOOCS(ムークス)」、正式名称は、「Massive Open Online Course(大規模オンライン公開講座)」となります。 その名の通り、オンラインで大規模な講座を受講することができるプラットフォームサービスであり、名門大学の講義を、インターネットにアクセスできる環境さえあれば誰でも(基本的に)無料で受けることができるということで主にアメリカをはじめとして普及していきました。なかには、講義だけでなく、講義受講後のテストや課題の提出などがあり、修了資格を得ることができるものもあります。 MOOCはプラットフォームサービスなので、各大学が各自でサービスを立ち上げているのではなく、仲介である「MOOCコンソーシアム」や「MOOCプロバイダー」のプラットフォームを利用して受ける形です。 今は大学だけでなく企業も参加して講義を出しているようなので、広義な意味合いだと、シンプルに「オンライン講座」と捉えても良さそうです。(本ページでは主に大学レベルのオンライン講座として取り上げています) 代表的なMOOC ▼Coursera(コーセラ) https://www.coursera.org/ 米スタンフォード大など有名大学のコースが用意されています。 ▼edX(エデックス) https://www.edx.org/ マサチューセッツ工科大(MIT)とハーバード大の共同によって立ち上げられました。 ▼Udacity(ユーダシティ) https://www.udacity.com/nanodegree プログラミングをはじめとしたコンピュータ・サイエンス分野を専門としたMOOCです。 まとめ MOOCは大学に行かなくてもインターネットさえあれば、誰でも大学レベルの講義を受講できるという学習機会を生み出しました。 実際にモンゴルの15歳の学生がedXのコースで優秀な成績を取り、マサチューセッツ工科大学(MIT)へ進学したというニュースがありました。しかしながら、MOOCはそのハードルの低さの分、修了率が非常に低いとのことです。どうしても学習者のモチベーションに寄るところが多く、自学自習の性格が強いサービスなので修了率が低くなってしまうようです。 ただ、産学連携といった形で、「Google」「Facebook」などといった世界のトップ企業が協業で作ったMOOCのコースも展開されており、現在注目されているAIやデータサイエンス、そして自動運転などのテクノロジーの最先端の講義も増えていっているようなので、今後も注目されそうです。 またMOOCのように、Edtechのサービスがアメリカで普及していくことにより、学校教育での学び方も変わっていっています。次回以降は、学校教育に与えた影響なども鋭く?斬っていきたいと思います。 次回もどうぞよろしくお願い致します。 ※参考文献:Edtechが変える未来 著者:佐藤昌宏
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