今注目される研修動画とは?導入するメリットや制作時のポイントを解説
近年、急速に増加している企業のリモートワーク導入に伴って、社員研修もリモートで行うことが主流になりつつあります。その中でも、今注目されているのがeラーニングによる「研修動画」です。
働き方の多様性が求められる中で、企業側や受講者側のニーズに柔軟に応えられる「研修動画」は、従来の研修方法よりも効果的に目的を達成できます。
研修方法の見直しを考えている企業の人事採用担当者に向けて、eラーニングを活用した「研修動画」を導入するメリットや制作時のポイントを解説していきますので、ぜひご覧ください。
研修動画とは
研修動画とは、研修内容を動画で配信して社員教育を行うためのものです。企業における研修は、仕事のルールや基本を伝える新入社員向けの研修、業務の流れやクレーム対応の方法などを伝える社員向けの研修があります。
研修といえば、受講者が会議室や研修施設などに集まって、講師が目の前でマイクを持って一方的に話すというような状況を思い浮かべる人が多いかもしれません。また、リアルに対面するのではなく、オンライン上で一堂に会して行うケースもあります。今まではこれらのような「集合研修」が一般的でした。
しかし近年、「集合研修」よりも利便性の高いeラーニングを活用した「研修動画」が注目を集めています。
オンライン集合研修との違い
研修動画とオンライン集合研修との大きな違いは、受講者の視聴する動画がリアルタイムであるかどうかという点です。
オンライン集合研修は、テレビ会議システムなどを活用して複数人が同じ時間にオンライン上で受講するため、講師もリアルタイムで受講者に向かって研修を行います。
一方で、研修動画は、企業があらかじめ録画作成しておいた動画を受講者が視聴する形式です。リアルタイムに配信されている動画ではないため、受講者は自分の好きな時間に動画を視聴できます。
目次に戻る研修動画の3つの形式
研修動画の形式は大きく分けて「セミナー形式」、「マニュアル形式」、「ドキュメンタリー形式」の3種類あります。
研修内容によってどの形式を活用すればいいかは変わってくるので、それぞれの違いを理解して、企業が行う研修内容に適した動画制作を行いましょう。
セミナー形式
セミナー形式とは、講座のように研修を行う講師1人が複数人の受講者に対して話す、座学で行う研修を動画にしたものです。
動画の撮影方法は、講師が受講者に対して話しているように作成する方法と、実際に受講者が集まって研修を行っている風景を撮影する2パターン。
セミナー形式の動画が適している研修内容としては、新入社員への研修やマナー研修などが挙げられます。
マニュアル形式
マニュアル形式とは、仕事の手順や接客、店舗運営といった業務マニュアルにおける実際の様子を動画にしたものです。実際の業務内容を目で見て覚えることができるため、口頭や画像を用いた説明よりも、受講者は研修の内容をイメージしやすく理解を深めることができます。
飲食業や美容・エステ、アパレルなど接客が主な業務である企業の研修内容や社員教育に効果的です。
ドキュメンタリー形式
ドキュメンタリー形式とは、実際に社員が働いている様子や社員インタビユーを撮影して動画にしたものです。
ポイントは、企業の雰囲気や社員のリアルな意見を受講者に理解してもらえることが挙げられます。社風や企業理念などをしっかり伝えたい場合に効果的です。
また、ストーリー性を持たせることができるため、受講者は退屈することなく視聴できる点もポイントです。
目次に戻る研修動画を導入するメリット
実際に研修動画の導入を検討中の場合、または現在の研修方法に大きな問題や不満を抱えていない場合、「研修動画を導入することによってどのようなメリットが得られるか」はとても重要な要素になります。
ここでは、オフラインやオンラインの集合研修よりも研修動画を導入した場合の、企業や受講者が得られるメリットを紹介します。
視聴環境があればいつでも閲覧可能
従来の集合研修であれば、研修が行われる時間に合わせて受講者がスケジュール調整をする必要がありました。研修動画を導入することで、受講者はスマートフォン・パソコン・タブレットなどの端末とインターネット環境さえあれば、時間や場所に関係なくいつでも自分のタイミングで動画研修を視聴できます。
研修内容に難しいと感じる箇所があった場合でも、自分がわかりにくかった点を何度も見直して復習できるので教育の観点から見ても効果的です。
文章よりも情報が伝わりやすい
企業の研修や社員教育の内容を文章だけで伝えるにはどうしても限界があります。研修動画を導入して講師の説明以外にもテロップや効果音などを挿入することで、企業の伝えたいポイントや難しい内容なども自然と頭に入ってきやすいでしょう。
また、より多くの情報を正確に受講生に伝達できるため、高い学習効果が期待できる点は大きなメリットと言えます。
現代人の多くは動画から情報を取り入れることに慣れているので、企業が伝えたい内容を直感的に伝えることができ、受講者の理解促進に繋がるのでおすすめです。
一度の撮影で使い回しが可能
集合研修であれば、研修を行うたびに講師は時間を確保しなければなりません。研修動画であれば一度は撮影を行う必要がありますが、動画制作をした後は使い回すことができるので、講師の負担を軽減できるでしょう。
外部から講師を呼ぶ場合であれば、講師の確保やスケジュール調整を行う必要もなくなるので業務効率化にもつながります。
さらに、受講者は全員同じ動画を視聴することになるので、研修担当講師の教え方や考え方などにバラつきが出ず、教育のレベルに差が生じる心配がありません。研修内容に一定の質を保つことで、研修後に社員同士の理解にギャップをなくすことができます。
交通費・会場費などのコストが不要
オフラインの集合研修では、会場までの交通費や会場費、遠方から参加している人のための宿泊費などさまざまな費用が必要です。
外部から講師を呼ぶ場合であれば、研修担当者の人件費も発生するので、1回の研修にかかる費用は企業にとって大きな負担にもなりかねません。
導入におけるイニシャルコストはかかりますが、研修動画ではこれらのコストがかからないので、集合研修を行うよりも運営費用のコスト削減を実現できます。
目次に戻る研修動画を導入するデメリット
研修動画は理解度の向上やコスト面、時間などさまざまなメリットがありますが、全ての受講者に最適な方法ではありません。ここでは、研修動画を導入する際に考えられる問題点や不安要素などのデメリットを紹介します。
視聴環境が必要
研修動画を閲覧するには、インターネットやデバイスの有無など、視聴環境が整っていなければなりません。
しかし、近年多くの人がスマートフォンやパソコンを持っており、自宅以外に街中でもWi-Fiを利用できる場所は多く存在するので大きなデメリットとは言えないでしょう。
動画作成に時間・手間・コストがかかる
動画作成を行うには、どのような内容の動画にするかという企画から撮影、編集など時間と手間がかかります。
撮影場所を社内以外で借りる場合は、場所代や撮影用機材などを揃える費用も必要です。また、社員のなかで動画作成ツールを使える人がいない場合、学習に効果的な動画を制作するのに時間がかかってしまう可能性も考えられます。
一度動画が完成すると修正が困難
研修動画は一度完成すると、後々修正するのが困難であるデメリットもあります。研修内容に変更が生じた場合、集合研修であれば配布するプリントの一部や講師が話す内容に変更を加えれば比較的簡単に対応可能ですが、動画は大きな手間がかかってしまうので要注意です。
作成する場合は、今後すぐに研修内容の変更や社内の方針に新しいルールが取り入れられることがないかなど確認を行う必要があります。研修動画導入後の運用方法なども事前に計画を立ててから開始するとよいでしょう。
受講者のモチベーションが低くなる懸念がある
集合研修のように時間が決まっているわけではなく、強制力が弱いため受講生のモチベーションが低くなる懸念があります。
スケジュール管理が苦手な人であれば、研修動画の視聴を後回しにして期間内に研修を終えられない人も出てくるかもしれません。また、受講者の視聴における態度や環境などもこちらからは確認できないため、研修に集中しない可能性も考えられます。
目次に戻る研修動画制作時のポイント
研修動画は作って終わりではありません。受講者にとって視聴しやすく、より効果的に教育できる動画を作成することが求められます。
研修動画制作時のポイントを理解して、視聴者が学習しやすいように、また企業が研修を行う目的を達成できるように工夫しましょう。
YouTubeなどでも視聴できるようにする
研修動画をしっかり視聴してもらうにはデータとして渡すだけでなく、YouTubeなどに公開するようにしましょう。普段から利用しているプラットフォームであれば操作方法も慣れていると考えられるので、視聴時の余計なストレスをなくすことが可能です。
ただし、どこかにアップロードする場合には、「限定公開」にするなど情報が漏れないように工夫するが必要があります。
テロップをつける
動画を効果的に活用するには、視覚でも情報が受け取れるようにできるだけテロップを付けるようにするのがポイントです。テロップをつけることで重要な内容を分かりやすく伝えられるため、受講者が理解しやすくなります。テロップの色や大きさを工夫するなど、視覚に変化があると流し見防止にもつながるでしょう。
講師やナレーターのセリフ全体にテロップをつける場合は、スピードの調整を行い受講者が問題なく読み取れるように工夫してください。
一つのコンテンツが長すぎないようにする
一つのコンテンツが長すぎると受講生の集中力が続かないので、まずは研修動画のなかで伝えたい内容やポイントを整理しましょう。
整理する際には時系列で手順を書き出し、不要な内容は意識的に省くようにします。長すぎる場合は30分ごとにパート分けするなどの工夫をして、一つのコンテンツで伝えたい要点を絞りましょう。
視聴状況や効果を測定できる仕組みを用意する
研修動画を導入する際には、同時に視聴状況や研修による効果を測定できるツールや管理シートの作成をおすすめします。
同時に視聴状況を把握することで受講者の未視聴を防ぐことができますし、研修による効果の測定により動画をどのように改善していけばいいかのヒントが得られるでしょう。
企業と受講者双方のニーズに応える研修動画
研修動画を導入することで、企業は時間やコスト面での負担が軽減できます。さらに、研修内容や用途に合わせて動画制作を行うことで、効果的に目標を達成できるでしょう。
受講者にとっても時間や場所を問わず自分のペースで視聴できることは、研修内容を吸収しやすいと言えます。働き方の多様性が注目されるなかで、企業と受講者双方にとってメリットの多い研修動画の導入は、今後より一層の浸透が期待されるでしょう。
目次に戻るまとめ
今回はeラーニングを活用した研修動画について、どのようなメリットやポイントがあるのか紹介しました。
研修を行う際は研修動画の内容だけではなく、その動画を活用するためにも、eラーニングシステムの選び方も重要となってきます。
弊社が提供するeラーニングシステム「learningBOX」は、作成した研修動画を研修教材へ簡単に組み込むことができます。使いやすく低コストでご利用いただけるため、研修動画を導入する際にもきっとお役に立てるはずです。
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