コラム

【重要】API(Push通知機能)の仕様変更に関するご案内

平素よりlearningBOXをご利用いただき、誠にありがとうございます。 learningBOXでは、Ver2.19のリリースより、APIの仕様を変更いたします。 今回のお知らせは、API連携をご利用のお客様向けの内容です。 APIの変更点について 変更前 変更後 実装方法によっては、通信が失敗する可能性があります ハードコーディングの場合、無効な通知と判定される可能性があります。 PUSH通知の有効性をチェックする方法 その1:送信内容を取得する。 その2:送信内容からパラメータ「hash」を取り除いて一時保存します。 その3:送信内容のパラメータの順番を変えずに後ろに「secret」を追加してください。 その4:送信内容のパラメータ値を「|」で連結した後、sha256でハッシュ値を取得します。 その5:送信内容から取得したhashと一致しているかをチェックしてください。 PUSH通知有効性チェックのサンプルコード /** * PUSH通知有効性チェック * 通知内容例: * ------------------------------------------------ * { * 'param1': 'aaa', * 'param2': 'bbb', * 'param3': 'ccc', * 'hash': 'ae12de' * } * ------------------------------------------------ * ※hash以外のパラメータは並び順変更、または増減する可能性があります。 */ 正常に動作する例 $payload = file_get_contents('php://input'); // 通知内容を取得 $payload = json_decode($payload, true); // 通知内容を配列化 $hash = $payload['hash']; // 検証用のハッシュ値を取得 unset($payload['hash']); // 検証用のハッシュ値を送信内容から取り除く $payload = $payload + ['secret' => 'tatsuno123']; // 通知内容の後ろに通知先のシークレットキーを追加 if($hash === hash('sha256', implode('|', $payload))) { // 送信内容認証成功 } else { // 送信内容認証失敗 } 不具合の出る例 $payload = file_get_contents('php://input'); // 通知内容を取得 $payload = json_decode($payload, true); // 通知内容を配列化 $hash = $payload['hash']; // 検証用のハッシュ値を取得 $param1 = $payload['param1']; // 検証用のパラメータ1を取得 $param2 = $payload['param2']; // 検証用のパラメータ2を取得 $param3 = $payload['param3']; // 検証用のパラメータ3を取得 $secret = 'tatsuno123'; // 通知先のシークレットキー if($hash === hash('sha256', $param1 . '|' . $param2 . '|' . $param3 . '|' . $secret)) { // 送信内容認証成功 // 通知内容に変更があった場合、認証通らない可能性があります。 } else { // 送信内容認証失敗 } ご利用のお客様にはご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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脱・退職ハラスメント! 引き継ぎ時に会社が注意すべきこと

会社にとって人材は財産です。そのため社員の退職は大きな損失といえるでしょう。少しでも多くの社員の在籍を望み、退職を希望する社員に対しさまざまな説得を試みる会社も多くあるはずです。その際に注意すべきはいわゆる「退職ハラスメント」です。 今回は特に、引き継ぎ時に会社が注意すべきことについてご紹介します。 そもそも職場のパワハラとは? そもそも職場におけるパワーハラスメントとは何でしょうか?厚生労働省では、次の3つの要素を満たすものを「職場のパワハラ」と定義しています。 ① 優越的な関係を背景とした言動② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの③ 労働者の就業環境が害されるもの 【出典】 「ハラスメントの定義」あかるい職場応援団 厚生労働省 パワハラは上司が部下に行うものだけに限定されているわけではありません。営業成績優秀な先輩や後輩、同僚から嫌がらせを受けた場合も、パワハラに含まれると定義されている点に改めて注意しましょう。 2022年4月から「パワーハラスメント防止措置(パワハラ防止法)」が、中小企業の事業主にも義務化されました。多くの企業において、ハラスメント対策の強化は必然のものとなっています。さらなるパワハラに対する防止策が必要となり、頭を悩ませる中小事業主も少なくないでしょう。 目次に戻る 退職を決めたあとに起こり得るパワハラ 今回取り上げるのは、退職を決めた後に従業員が悩まされる、いわゆる「退職ハラスメント」についてです。退職を決めた後に起こり得るパワハラは次のとおりです。 退職を引き延ばされる 会社に退職の意思を伝えると「あなたは会社に必要な人材」や「辞めたら人手が足りなくなる」などと述べられ、退職を認めてもらえないことがあります。 実現不可能な仕事を担当させられる 退職の意思を会社に伝えると業務量が非常に多く、困難な仕事を担当させられることがあります。さらに、仕事が完了するまで退職を認めてもらえないことがあります。 有給休暇を認めてもらえない 退職予定者が有給休暇を申請すると「予定していた後任者への引き継ぎが十分でない」などと、有休の申請を承認してもらえないことがあります。 理不尽な要求をされる 会社に退職を伝えると会社から「損害賠償請求をする」と言われることもあるかもしれません。その理由には他社からの引き抜きや契約期間中の退職などが挙げられます。 引き継ぎができていないと言われる 会社は「しっかりと引き継ぎをしてほしい」と思うものです。引き継ぎに少しでも不備がある場合、退職届を受理しないなどのトラブルにつながる可能性があります。 これらの行為を行った人は「パワハラ」とは思っておらず、むしろ会社の利益のために行った行動と思っている可能性すらあります。しかし、これらの発言や行動は全てハラスメントになり得るものです。特に指導者的な立場にいる人は注意しましょう。 目次に戻る 会社の存続に引き継ぎは欠かせない 退職時に特に重視すべきは「引き継ぎ」です。引き継ぎは社員が退職するときにだけ発生するものではなく、社員の異動時にも必要です。異動や退職は頻繁に発生し、スムーズな引き継ぎは会社の存続に欠かせません。 しっかりした引き継ぎがないと後任者は困惑します。引き継ぎのない後任者が、前任者と同じように業務をするためには多くの時間が必要となるため、万全な引き継ぎの重要性は明らかです。そのため、会社側もあらかじめ対応策を準備しておくことをおすすめします。 目次に戻る 引き継ぎ時における退職ハラスメント 引き継ぎ時の退職ハラスメントで挙げられるのが、会社から退職予定者に対する引き継ぎの強要です。 次の担当者へしっかり引き継ぎすることは後任者にとっても取引先にとっても重要です。しかし、会社が「引き継ぎがないと退職を認めない」などと引き継ぎを強要することは、法律に触れる可能性が非常に高く、このような状況にならないように注意が必要です。 スムーズな退職のためには、退職希望者も会社も引き継ぎのプロセスをしっかりと確認しておくことが望まれます。 目次に戻る パワハラ対策を通じて会社が得るメリット 現在では、さまざまな会社が退職時のハラスメントはもちろん、パワハラへの対策を行っています。その対策は想定外のメリットを会社にもたらすこともあるようです。 厚生労働省が「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書を公開しており、それには次のようなメリットがあるとされています。 会社への信頼感が高まる 職場環境が変わる 仕事の意欲が高まる 休職者、離職者が減少する 【参考】 令和2年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査 報告書(概要版) これらの報告を見ると、パワハラ対策は従来の従業員のモチベーションを上昇させることが可能であり、そもそもの退職者が減少することも考えられます。パワハラのない会社とはどんな社員も心地よく勤務でき、「退職」という決断すらないのかもしれません。 目次に戻る 退職ハラスメントを防ぐために大切なのはコミュニケーション 退職ハラスメントを防ぐために基本となるのは、やはりコミュニケーションです。注意すべきなのは、上司が部下に一方的に話す「コミュニケーション」ではなく、部下の立場でいかに話しやすい環境を作るかということです。 そこには上司のコミュニケーションスキルのアップはもちろんのこと、部下にも同様のスキルアップが求められます。上司と部下がお互いに「心理的な安全性」を感じているかどうかが重要です。チームとしてのここでは何を話しても大丈夫だという気持ちはお互いに持てているでしょうか?  目次に戻る まとめ パワハラのない職場にするためには会社の姿勢はもちろん、社員一人ひとりがハラスメントに対する正しい認識を持つことが重要です。大切なのはしっかりとした知識を身につけ、ハラスメントの被害者にも加害者にもならないことです。ハラスメントに関する知識を手軽に身に付けるにはオンラインでの研修がおすすめです。 社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。    ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る

セキュリティ強化に関するお知らせ

セキュリティ強化に関するお知らせ 平素よりlearningBOXをご利用いただき、誠にありがとうございます。 learningBOXでは、セキュリティ強化の一環としてVer2.19のリリースより、共用環境にWAF(Webアプリケーションファイアウォール)を導入いたします。 今回のお知らせでは、WAF導入後の懸念事項をまとめました。 WAFを導入した理由 近年、サイバー攻撃の手段は高度化しており、脆弱性の発見から攻撃につながるまでの時間も短くなっています。 高度化するサイバー攻撃の脅威からお客様の個人情報やサービスを守るべく、learningBOXではWAFの導入を決定いたしました。 WAFとは? WAFはWebアプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃を検出・防御し、Webサイトを保護するためのセキュリティツールです。 悪意のあるリクエストがサーバーへ到達する前にブロックすることで、攻撃からサービスを防御します。 WAFの仕組み WAFでは、アクセス元とWebサーバーとの間で通信に介在し、攻撃の検知に「シグネチャ」を用いて不正アクセスを防止します。「シグネチャ」とは、アクセスのパターンを定義したもので、Webアプリケーションへのアクセスのパターンをシグネチャを用いて照合して、通信許可と拒否の判断を行うという仕組みです。WAFは、攻撃を検出すると通信を遮断してログに記録しながら、同時にアクセス元にWebサーバーに代わって警告メッセージを返します。 一般的なファイアウォールでは、通信の中身や通信方法まではチェックしていません。システムの入り口であるポートを通過した通信は、その内容がたとえ不正なものであってもWebアプリケーションに到達してしまいます。 また、IDS(不正侵入検知システム)やIPS(不正侵入防御システム)はWAFと同様にシグネチャを用いて不正アクセスを検知しますが、Webアプリケーションに対する不正アクセスの検知精度は低く、十分なセキュリティ対策を行うことができません。 共用環境ではlearningBOX【Ver2.19】からWAFが導入されます WAFの導入に伴い、お客様がご利用中のグローバルIPアドレスがブロック対象と判定される可能性があります。 403Forbiddenが表示された場合の対策 ブラウザ上に「403 Forbidden」というメッセージが表示された場合は、しばらく時間をおいて再度アクセスをお試しください。 また、VPNなどを経由してアクセスされている場合、VPNを経由せずにアクセスすると状況が改善する場合があります。
learningBOX-2.19

learningBOXがVer2.19へバージョンアップ

今回のバージョンアップについて learningBOXをご利用いただき、誠にありがとうございます。 さて、本日learningBOXがVer2.18から2.19へバージョンアップしました。 それでは、各種新機能についてご紹介いたします。 ※セキュリティ強化の一環として本リリースより、共用環境にWAF(Webアプリケーションファイアウォール)を導入いたします。  詳しくは、「セキュリティ強化に関するお知らせ」をご覧ください。   ▼learningBOX Ver2.19 新機能一覧 項目名新機能・機能改修 コンテンツ管理PDFの機能拡充 テストモード設定の機能拡充 ユーザー管理日付形式/時刻形式 グループの並べ替え 成績管理得点修正設定 カルテの機能拡充 成績結果の表示/非表示設定項目の追加 レポート採点時の添削結果のファイルアップロード レポートの設問別採点 学習環境設定バッジの詳細説明 その他機能パスワード再発行時のログインID利用 デザインカスタマイズ限定機能カリキュラムの選択上限設定 研修機能の拡充 サイトカスタマイザーの機能拡充 API連携の項目追加 登録画面URLのダウンロード バッジ取得時のPUSH通知に項目追加 fromメールの送信者名の設定 専用サーバー限定機能独自SSO アカウント課金対応 CardGenerator暗記カードの機能拡充 今回のバージョンアップでは、お客様より多数ご要望をいただいておりました、暗記カードの出題順シャッフルや音声の挿入、ユーザーによる解答完了後での設問の正誤修正、ユーザー管理画面でのグループの並び替え等ができるようになりました。 また、共用サーバー/カスタマイズや専用サーバーのご契約でご利用いただける機能も、多数追加されました。   PDFの機能拡充 PDFをただ閲覧するだけではなく、重要な内容をハイライトしたり、メモ書きを作成できるようになりました。 ただし、PDFにハイライトとペンを多用すると、成績データが取り込めない場合がありますのでご注意ください。   CardGenerator-暗記カードの機能拡充 暗記カードの出題順をシャッフルしたり、音声ファイル【mp3】/化学式/数式を挿入できるようになりました。   得点修正設定 ユーザーがクイズ・テストの解答を完了した後で、設問の正誤を修正できるようになりました。   グループの並び替え 登録したグループを任意の順番に並び替えることができます。   テストモード設定の機能拡充 これまでは、テストモード設定で非表示にした項目は、手動で設定を変更しない限り非表示のままでした。 今回のバージョンより、「全体設定」で設定した条件を満たした場合、非表示の項目が表示されるように自動で切り替えができるようになりました。   日付形式/時刻形式 learningBOX上の日付および時刻の表示形式を設定できます。   カルテの機能拡充 カルテの「タグ一覧」画面において、「セクションタグ」「設問タグ」と期間で、内容を絞って表示できるようになりました。   成績結果の表示/非表示設定項目の追加 成績管理画面の成績結果の欄で、表示/非表示を設定できる項目が追加されました。   レポート採点時の添削結果のファイルアップロード レポートを採点する際に、フィードバックのコメントを入力する操作しかできませんでしたが、今回のバージョンより、添削結果のファイルをアップロードできるようになりました。   レポートの設問別“個別”採点 出題形式が「レポート・アンケート記述」である設問を複数作成したクイズ・テストを採点する際、これまでは全ての設問について採点を完了しなければ成績を保存できませんでしたが、今回のバージョンより、採点の途中で保存できるようになりました。   バッジの詳細説明 バッジを取得した際や、「バッジ一覧」画面や「コースを選ぶ」画面でバッジを確認する際に開くモーダル画面の中に、そのバッジに関する詳細説明を記載することができます。 また、詳細説明は表示させるかどうかを設定することもできます。   パスワード再発行時のログインID利用 ログインパスワードを忘れた場合などでパスワードを再発行する際、これまでは登録メールアドレスを入力する必要がありました。 今回のバージョンより、パスワードを再発行するのにメールアドレスだけでなく、ログインIDを指定できるようになりました。   カリキュラムの選択上限設定 カリキュラム機能基本設定から、同時に受講できるコンテンツを制限する上限設定が新しく追加されました。   研修機能の拡充 アーカイブ機能の追加や、研修の予約を一括で承認・非承認できるようになりました。 また、ユーザー側からも研修の予約をキャンセルできるようになりました。   サイトカスタマイザーの機能拡充 サイトカスタマイザーの機能が拡充され、新規で追加したメニューについても自由にレイアウトを変更できるようになりました。 また、サイドメニューだけでなくヘッダーメニューの編集も可能になりました。   API連携の項目追加 APIの項目としてlearningBOXのユーザー情報を紐づけることで、ログイン不要でSCORM教材を学習できるようになりました。   登録画面URLのダウンロード アカウント申し込み登録機能のグループ登録URLにおいて、登録したグループと発行したURLの一覧をCSVでダウンロードできるようになりました。   独自SSO アカウント課金対応 お客様の基幹システムとの独自SSO連携により、ユーザーがアカウント登録をした際に、「プラン選択」画面に遷移させることができます。 ※「アカウント課金管理」画面にて、アカウント課金の利用を必須に設定する必要があります。   バッジ取得時のPUSH通知に項目追加 バッジ取得時に送信されるPUSH通知のJSONに、下記3つの項目が追加されました。 ・「sco_code」=コンテンツコード ・「badge_code」=バッジコード ・「score」=バッジ取得時のコンテンツの点数 ※コース/フォルダにバッジを設定した場合は、「score」は送信されません。   fromメールの送信者名の設定 fromメールのアドレス変更に加えて、メールの送信者名についても設定できるようになりました。   その他 詳しい操作方法やご不明な点については、弊社CS営業チームまでお問い合わせください。 ●お問い合わせフォーム 今後も、さらにお客様のお声に耳を傾け、より快適にご利用いただけるよう機能改善に取り組みます。 ぜひとも、learningBOX/QuizGeneratorをよろしくお願いいたします。
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逆パワハラとは?主な原因や事例、企業ができる対策を解説

職場で起こるパワーハラスメント(パワハラ)の中でも、代表的なケースとして知られるのは「上司から部下」に対するハラスメントです。社内でも上の立場にある管理職は、一般的にハラスメントの被害を受ける可能性があると認識されていないかもしれません。 ところが、場合によっては「部下から上司」に対するハラスメントが発生するため注意が必要です。本記事では、業務上の立場が上の人が被害者となる「逆パワハラ」について解説します。 目次 01逆パワハラとは? 逆パワハラの定義 逆パワハラの主な原因 逆パワハラの放置が企業にもたらすデメリット 02逆パワハラの主な事例と対処法 逆パワハラの具体的な事例 逆パワハラが疑われる場合の対処法 03逆パワハラ問題の防止へ向けた対策 ハラスメント研修を実施する 就業規則でハラスメントに関する規定を整備する 部下に対する注意や指導の記録を残す 社内に相談窓口を設置する 03社内で逆パワハラの周知を促すために 逆パワハラとは? パワーハラスメント(パワハラ)は、立場の違いを利用したハラスメント行為です。立場が上の人が加害者、下の人が被害者となることが多いものの、反対のケースも存在します。 ここでは、逆パワハラの意味や発生の要因、被害を放置するリスクについてご紹介します。 逆パワハラの定義 「逆パワハラ」は、職場で行われる部下から上司に対するパワハラのことです。 パワハラとは「優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるもの」の3つの要件を満たすものと定義されています。 【出典】 「ハラスメントの定義」あかるい職場応援団 厚生労働省 一般的に、上司は部下に対して優位性を有しています。ただし、以下のような特定のシーンでは、部下が上司より優位に立つ場合もあり得ます。たとえば、業務の円滑な遂行に部下のスキルや協力が不可欠なケースや、集団による行為で上司が抵抗できないケースなどです。 逆パワハラの主な原因 逆パワハラの認知が進んでいない 企業内で逆パワハラへの理解が不十分なケースです。「パワハラは上司が部下に対して行うもの」と認識している社員も多くいます。管理職に対して「パワハラをしないように」と指導しながら、一般社員には相談先や対処方法を伝えるにとどめている企業も少なくありません。 ハラスメント防止に取り組む際は、上司に対する不適切な言動や嫌がらせが逆パワハラに該当すると説明することも重要です。 上司と部下のスキルや年齢に差がある 上司よりも部下が年上であったり、職務上の経験が豊富であったりする事情も逆パワハラの要因の一つです。経験値や能力値の逆転から、部下が上司を軽んじてしまい、逆パワハラやいじめを引き起こす可能性があります。 上司のマネジメント能力が不足している 上司のマネジメントに対して不満を募らせた結果、部下が逆パワハラの問題を起こす場合があります。上司が周囲に相談できなかったり、同僚から助けを得られなかったりして問題が放置され、事態が悪化してしまうケースも少なくありません。 インターネット上やSNSでパワハラの内情が拡散され、企業イメージや売上の低下につながる可能性もあります。人材確保が困難になり、自社ビジネスの展開にも影響を与えるかもしれません。 逆パワハラの放置が企業にもたらすデメリット 職場の生産性が低下する 逆パワハラによって職場環境が悪化すれば、仕事に対するモチベーションが損なわれ、社員の生産性低下につながります。生産性の低下は業績の悪化を招き、ますます職場環境が悪化するといった負の連鎖を引き起こす恐れがあります。 上司の精神的な負担が増加する 逆パワハラが常態化すると上司の心理的なストレスが増大し、精神疾患を抱える危険性が高まります。うつ病や適応障害などの健康被害が起こり、休職や退職に追い込まれるほか、最悪の場合は事件や事故に至るケースもあります。 損害賠償請求の裁判を起こされるリスクがある 企業が逆パワハラの防止措置を怠ったり相談を無視したりすると、被害者である上司が使用者責任や安全配慮義務違反を根拠として訴訟を起こす可能性があります。 逆パワハラで雇用主の損害賠償を認めた判例や、労災を認定しなかった労働基準監督署の判断を不当とした判例なども存在します。 目次に戻る 逆パワハラの主な事例と対処法 部下から上司に対するパワハラ行為には、どのような具体例があるのでしょうか。ここでは、逆パワハラの主な事例や疑わしい事案が発生した場合の対応方法をお伝えします。 逆パワハラの具体的な事例 暴力や暴言 殴る・蹴るといった直接的な暴力や、言葉で相手を傷つける暴言は、上司・部下を問わずハラスメントとなります。ここでいう暴言には社内で不利益となるうわさを流すことや、SNS等での誹謗中傷なども含まれるのがポイントです。上司個人を特定できる形でSNS等に書き込みをしている場合、名誉毀損にあたる可能性もあります。 適切な注意や指導に対する過剰な反応 上司の注意や指導が適切であり、業務上必要かつ相当な範囲を超えない場合は、以下の部下の反応が逆パワハラに該当する可能性があります。たとえば、「パワハラで訴えます」「労働基準監督署に相談に行きます」「謝罪がなければ弁護士に相談して裁判を起こします」などの言動です。 上司が適切な指導を行ったにもかかわらず、職務放棄や無断欠勤をするのも逆パワハラになり得ます。 集団による人間関係からの隔離 複数人の部下が共謀し、集団で上司を無視したり、社内の人間関係において上司を孤立させたりするのは逆パワハラと見なされます。こうした集団によるハラスメントは、たとえ管理職という上の立場にあったとしても、個人の力では抵抗するのが難しいのが問題点です。 配置転換や解雇の要求 正当な理由がある場合であれば、企業が社員に配置転換や解雇を命じること自体に問題はありません。ただし、逆パワハラを行っている部下が上司の配置転換や解雇を求めるケースでは、上司への事実確認が本人の負担となるほか、トラブルにも発展しかねないため注意が必要です。 逆パワハラが疑われる場合の対処法 逆パワハラの被害を受けたときは、上司のさらに上役を巻き込み、組織的に毅然(きぜん)とした態度で臨むことが大切です。上司1人で対応させると、心理的な負担が大きくなり、メンタルヘルスに不調をきたす恐れがあります。 その際は、部下への注意や指導の記録を取り、逆パワハラが疑われる証拠や従業員の証言などをもとに、客観的に事実を確認しましょう。社内での解決が難しい場合は、第三者機関へ相談するようおすすめします。 パワハラをはじめとした問題は、「総合労働相談コーナー」「かいけつサポート」「法テラス」「みんなの人権110番」などの公的なサービスでも相談できます。 目次に戻る 逆パワハラ問題の防止へ向けた対策 社内の逆パワハラ問題を防止するには、どのような対策を講じるべきでしょうか。最後に、企業側が取り組む対策について解説します。 ハラスメント研修を実施する ハラスメント研修は、逆ハラスメントに該当する問題行動を周知し、疑わしい事例の早期発見につながる施策です。アウトソーシングのほか、eラーニングシステムを活用して自社向けに研修内容をカスタマイズする方法もあります。併せて上司の指導力向上を目的としたマネジメント研修も実施すると良いでしょう。 就業規則でハラスメントに関する規定を整備する ハラスメント防止へ向けて社内体制を整える必要があります。就業規則では、パワハラの行為者に対する処分を明記するとともに、自社のハラスメント対策の方針を定め、社員へ周知しましょう。 部下に対する注意や指導の記録を残す 逆パワハラの事実確認では、部下に対して適切な注意や指導が行われていたことを明らかにする必要があります。該当の管理職には指導記録をつけさせて、指導を行った日時や理由、具体的な指導内容、部下の反応などを記録に残させましょう。 社内に相談窓口を設置する パワハラをはじめとしたハラスメント問題の早期発見と解決のために、社内に相談窓口を設置し、社員の利用を促します。逆パワハラ対策としては、一般社員だけでなく管理職も相談窓口を利用できる旨を啓蒙(けいもう)すると効果的です。 目次に戻る 社内で逆パワハラの周知を促すために 上司がパワハラの被害者となる「逆パワハラ」について解説しました。逆パワハラは、一般的なパワハラと比べて認知が進んでいない傾向にあります。職場内でハラスメント研修を実施して、多様なハラスメントへの理解を広め、被害の防止に努めましょう。 社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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社内のコンプライアンス意識を向上させる方法とは?具体的な手段やポイントを詳しく解説

パワハラ・セクハラはもちろんのこと、今ではSNSでの不適切な発信など企業のコンプライアンス違反は後を絶ちません。そのため、コンプライアンス意識を高める取り組みが各企業や組織で進められています。 今やコンプライアンスは、他人事では済まされない企業の課題となっています。不正や不祥事を起こさないよう、日ごろから社内でコンプライアンス意識を高める取り組みが大切です。 今回は職場におけるコンプライアンスが必要な理由に触れながら、その意識を向上させるためのポイントを解説していきます。企業で人事を担当している方は、ぜひ参考にしてみてください。 目次 01職場における「コンプライアンス」とは? 就業規則、行動規範の遵守 ハラスメントの防止 情報漏えいの防止 02コンプライアンス意識の向上が注目される理由 不祥事に対する世間の目が厳しくなった SNSで拡散されるリスクが高くなった IT資産の管理が必要になってきた 03コンプライアンス違反が起こってしまう原因 コンプライアンス違反が起こりやすい状況になっている 社内のコンプライアンス意識が低い 上司からの圧力がある 04コンプライアンス意識を向上させる手段 研修を実施する eラーニングを活用する 05コンプライアンス意識を向上させるためのポイント コンプライアンスに対する社員の意識を知る コンプライアンスの基準を共有する 継続的にコンプライアンス教育をする 06まとめ 職場における「コンプライアンス」とは? コンプライアンスとは直訳すれば法令遵守のことで、ルールを守るということです。職場において、このコンプライアンスという言葉は多様性を増しています。 就業規則、行動規範の遵守 コンプライアンスには法令遵守に加えて、社内の就業規則や行動規範を守るという意味もあります。就業規則とは簡単に言えば、使用者が定める労働条件や職務上の規則に関するルールです。 また行動規範とは、企業が継続的に運営をするために従業員としてすべき行動を指します。 「コンプライアンスを守る」ということは、就業規則や行動規範に倣った企業活動をすることと同義です。 ハラスメントの防止 言動や行動で相手へ嫌がらせをするハラスメントも、コンプライアンスに抵触する部分です。代表的なハラスメントには、次のようなものがあります。 セクシャルハラスメント パワーハラスメント アルコールハラスメント モラルハラスメント リモートハラスメント ハラスメントは無意識に行われるケースが多く、これらを未然に防ぐことはコンプラアンス遵守のために必要不可欠です。 情報漏えいの防止 情報漏えいの防止も、コンプライアンス遵守に含まれています。「仕事が終わらないからデータを持ち帰る」「内部資料が映った写真をSNSにアップする」なども、コンプライアンスの観点から言えば違反と呼べるでしょう。 個人情報や顧客情報が流出する事態に陥れば、企業の信用を大きく落としてしまう可能性があります。 目次に戻る コンプライアンス意識の向上が注目される理由 なぜ今コンプライアンス意識の向上が必要なのでしょうか。そこには注目される理由があります。 不祥事に対する世間の目が厳しくなった インターネットやSNSにより、世間が不祥事に対して敏感になりました。そして不祥事が起こった後の対応が不誠実であればあるほど、世間の目は厳しさを増し、批判を増大させる傾向があります。 批判が大きくなると企業の信用は一気に落ち、最悪の場合、倒産に追いやられることもあるでしょう。 SNSで拡散されるリスクが高くなった SNSの普及により、不正や不祥事が拡散されるリスクが高くなりました。誰かが文章や映像をSNSにアップするとすぐに情報が広まってしまい、新聞やテレビといったメディア等で報道されてしまう可能性があります。 IT資産の管理が必要になってきた IT資産が増え管理が複雑になってきたことも、今コンプライアンスが注目されている理由の一つです。IT資産は、一般的に次のようなものがあります。 パソコン スマートフォン タブレット端末 サーバー ソフトウェア ネットワーク機器 今では多くのIT資産が登場し、個別に情報セキュリティ対策をとらなくてはならなくなりました。例えば、業務で必要だからといって無断でソフトウェアをダウンロードすると、ライセンス違反により企業の信用を損ねてしまう可能性があります。 そのため、社内でライセンス契約について理解を深めることが、コンプライアンス意識の向上では重要です。 目次に戻る コンプライアンス違反が起こってしまう原因 コンプライアンス違反は、なぜ起こってしまうのでしょうか。次に、その原因について見ていきましょう。 コンプライアンス違反が起こりやすい状況になっている 社員がコンプライアンスに対する意識を持っていたとしても、社内の状況が悪ければ違反は起こります。例えば次のような職場は、コンプライアンス違反が起こりやすいといえるでしょう。 社内教育が充実していない 社員の管理体制が整っていない 社内ルールが明確化されていない ITシステムを管理する担当者がいない 社内のコンプライアンス意識が低い コンプライアンス意識の低い会社では、不正や不祥事が起こるリスクは高いといえるでしょう。必要な知識がないために、知らずに社員がコンプライアンス違反する可能性があるからです。 例えば「冗談のつもり」がセクシュアルハラスメントになったり、「指導のつもり」がパワーハラスメントになっていたりするかもしれません。コンプライアンスの理解が浸透していない会社では、まずルールを守る意味や企業倫理などについて周知させる必要があります。 上司からの圧力がある 上司からの圧力がある職場は、日常的にコンプライアンス違反が行われているケースがあります。「制裁を受けるかもしれない」という思いから、たとえ社内で違反があっても告発しづらくなっているからです。 報告や告発があれば、社内の問題や改善点が分かり迅速に現状を把握できます。そのため内部から告発する社員は、本来守られるべき存在でなければなりません。 目次に戻る コンプライアンス意識を向上させる手段 一度でもコンプライアンス違反を招いてしまうと、信頼回復には多大な時間が必要です。そのためコンプライアンス教育が必要不可欠で、防止対策を徹底しなければなりません。次に具体的な教育方法について見ていきましょう。 研修を実施する 未然に違反を防ぐため、コンプライアンス研修を実施しましょう。社内研修を行えば社員に基本概念が浸透し、CSR(企業の社会的責任)やコーポレート・ガバナンスなどコンプライアンスに関連する事柄も理解できるようになります。 また過去の違反事例を知れば、コンプライアンス違反に対するリスクを予測できる点もメリットです。 研修は自社・他社でコンプライアンス違反が発生したときはもちろん、法令の制定や改訂のあるタイミングで実施すると良いでしょう。 eラーニングを活用する eラーニングを活用したコンプライアンス教育も有効です。具体的には次のようなメリットがあります。 個別の進捗に合わせた研修の実施が可能 教える内容を標準化できる 全社員が参加しやすい コスト削減につながる eラーニングを活用すると時間や場所を問わず繰り返し学習ができるので、効率的かつ確実に知識を吸収できます。eラーニングを導入する際は、事前に費用やメンテナンスの工数などを調べて自社のニーズに合うシステムを選択することが大切です。 目次に戻る コンプライアンス意識を向上させるためのポイント 研修やeラーニングを活用する際に合わせて知っておきたい、コンプライアンス意識を向上させるためのポイントを紹介します。 コンプライアンスに対する社員の意識を知る まず社員がどの程度コンプライアンスに対する意識を持っているのかを確認しましょう。長く勤める社員の中には「法律さえ守っていれば大丈夫」という意識を持っているかもしれません。 しかし、コンプライアンスという言葉は多用化しており、今では社内規則を守ることも大切です。一人ひとりの話を聞き、教育をする前に社員のコンプライアンスに対する意識を確認しておきましょう。 コンプライアンスの基準を共有する しっかりと企業の基本方針や行動指針を定めて、コンプライアンスの基準を共有しましょう。 単に守ることだけを強調するのではなく、違反した場合の処罰も併わせて共有することで抑止力になります。 継続的にコンプライアンス教育をする コンプライアンス教育は一度きりで終わるのではなく、定期的に実施しましょう。法令の制定や改訂が行われることがあり、常にルールや法律は変化するからです。 また一度理解しただけでは定着しづらいので、何度も繰り返し教育を行うようにしましょう。 目次に戻る まとめ 今回はコンプライアンス意識の向上についてご紹介しました。SNSで簡単に不正が拡散されてしまう現代、社内全体でコンプライアンス違反のリスクについて学び意識の向上に努めなければなりません。 社内でコンプライアンス意識を向上させる際は、「learningBOX ON」のコンプライアンス研修コンテンツをご活用ください。「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 コンプライアンス研修やハラスメント研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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パワハラ上司への対処法は?問題解決の方法から会社がとるべき対応まで

職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)の典型例といえるのが、上司から部下へのパワハラです。立場が上であることを利用し、部下に対して高圧的、侮辱的な言動をとる上司は「パワハラ上司」と呼ばれています。 上司によるハラスメント行為は、職場のセクシュアルハラスメント(セクハラ)・モラルハラスメント(モラハラ)・マタニティハラスメント(マタハラ)などと同様に、重要な労働問題として取り扱わなければなりません。 この記事では、さまざまな労働トラブルを引き起こし得るパワハラ上司への対応方法について徹底解説します。 目次 01職場で「パワハラ上司」と見なされる管理職の特徴 職場で自己中心的に振る舞う 仕事を部下に押し付ける 不適切な言葉遣いで話す 根性論を強要する 02上司によるパワハラ行為を止めさせるには? 上長や人事部門へ相談する 社外の窓口へ相談する 裁判を起こす 03パワハラ上司に対して会社がとるべき対応 速やかに調査を実施してパワハラの実態を把握する パワハラの再発防止へ積極的に取り組む 04パワハラ上司には慎重な調査のうえ、必要に応じて処分を 職場で「パワハラ上司」と見なされる管理職の特徴 上司によるパワハラでは、社内での地位を利用し、部下へ身体的・精神的な苦痛を与える言動が行われます。以下では、多くのパワハラ上司に見られる代表的な特徴を解説します。 職場で自己中心的に振る舞う 職場における自己中心的な振る舞いは、パワハラ上司に見られる代表的な特徴です。こうした上司は、自分の思い通りにならない場合に部下を過度に叱責したり、不機嫌になったりする傾向にあります。 自分が正しいと思い込み、部下の多様性がある意見や価値観を認めることができません。部下から考え方を否定されたり、理解が得られなかったりすると感情的になり、暴言や暴力につながるケースもあります。 仕事を部下に押し付ける 部下に膨大な量の仕事を押し付けたり、難しい仕事を丸投げしたりするパワハラ上司もいます。 業務上のミスや失敗はすべて部下に責任があると考え、理不尽な指導を行うこともあります。部下の能力を否定するような言動をしつように繰り返すケースも少なくありません。 不適切な言葉遣いで話す 日常的に暴言を吐き、発言で周囲に威圧感を与えているタイプのパワハラ上司もいます。部下のことを「てめえ」と呼んで侮辱する上司などが代表例です。常にストレスを溜め込みイライラしていたり、相手に高圧的な態度で接したりする上司にも注意が必要です。 根性論を強要する 部下が困難に陥った場合に「努力をすれば解決できる」と指導するタイプの上司もいます。成果をあげられないと、努力不足が原因であると見なされ、人格否定の暴言や暴力に発展する可能性があります。努力を偏重しており、その考えを部下に押し付ける点が特徴です。部下が出す結果のみを評価し、努力を評価しないケースも少なくありません。 目次に戻る 上司によるパワハラ行為を止めさせるには? 上司によるパワハラ行為を止めるには、どういった方法があるのでしょうか。以下では、パワハラを止めさせるための代表的な対応についてご紹介します。 上長や人事部門へ相談する パワハラを行っている上司のさらに上長にあたる管理職や、人事部門の担当者、ハラスメント相談窓口に相談し、対策を検討します。相談の際に重要なのは、パワハラの被害者に配慮することです。秘密厳守で悩み相談を受け、被害者のプライバシーに配慮しながら上長や担当部署に状況を伝える必要があります。 その際、被害者と加害者が当事者のみで話し合うのはNGです。状況が悪化したり、立場の弱い被害者が仕返しを受けたりするリスクがあります。 社外の窓口へ相談する 社外の相談窓口を利用するのも一つの選択肢です。代表的な外部の窓口として、厚生労働省の労働局が設置している「総合労働相談コーナー」が挙げられます。総合労働相談コーナーは、不当な解雇や賃金の引き下げ、各種ハラスメントといった労働問題の解決をサポートする相談窓口です。 総合労働相談コーナーに問い合わせると、必要に応じて自社のパワハラ問題に関する調査が行われます。その後、自社への指導や、適切な専門機関の斡旋(あっせん)が行われます。予約不要かつ無料で利用できるため、パワハラ上司への対応にも役立つでしょう。 裁判を起こす 労働局からの指導でもパワハラの問題が改善しない場合は、被害者が労働審判を起こすことができます。労働審判とは、労働審判委員会がパワハラをはじめとする労働問題を調停する手続きです。労働審判官や労働審判委員が間に入ることで、話し合いによる解決を目指します。 労働審判でもパワハラの問題が解決しない場合は、訴訟に発展するケースがあります。弁護士に依頼して手続きを進めるのが一般的です。 目次に戻る パワハラ上司に対して会社がとるべき対応 パワハラが発覚した時点で、会社は何らかの対応をとらなければなりません。当該上司への処分の必要性や、その内容について検討しましょう。また、再発防止に向けた取り組みも重要です。以下では、パワハラ上司に対して会社がとるべき対応を解説します。 速やかに調査を実施してパワハラの実態を把握する 被害者からパワハラの相談を受けた場合、企業は速やかに事実関係の調査を行う義務があります。 まずは被害者・加害者・関係者へのヒアリングを行い、パワハラの証拠を集めてください。調査の結果、悪質なパワハラの事実が認められたら、加害者への懲戒処分を検討しましょう。処分はパワハラの実態によって判断が異なり、減給・出勤停止・降格・懲戒解雇などが代表例です。 場合によっては、重い懲戒処分によって自社のパワハラ防止に対する姿勢を示すのが望ましいでしょう。パワハラ上司に対して厳正に処分する姿勢を知らせることで、社内のパワハラを抑止することにつながります。 パワハラの再発防止へ積極的に取り組む 加害者への懲戒処分を行うのみでは十分ではありません。職場内で同様の問題が発生する可能性があるため、再発防止に取り組む必要があります。社員にハラスメント防止の重要性についての理解を促し、職場環境を改善することが再発防止のポイントです。 有効な再発防止策の例として、ハラスメント研修の実施のほか、社内で発生した問題の周知や、コミュニケーションや働き方の見直しなどが挙げられます。社内の人間関係や過酷な労働環境がパワハラの要因となる場合もあるためです。事例を周知する際は、当事者の情報を伏せてプライバシーに配慮しましょう。 ハラスメント研修はオンラインで実施する方法もあります。eラーニングシステムを利用すれば、研修プログラムの作成や社員の受講状況の管理などが可能となります。 目次に戻る パワハラ上司には慎重な調査のうえ、必要に応じて処分を 職務上の関係性の問題から、上司から部下に対するパワハラが懸念されています。ところが、パワハラ上司は指導や注意の一環として認識しているケースも多く、解決は簡単ではありません。 被害者からパワハラの訴えがあった場合、ハラスメントに該当する事実があったことや、ハラスメントの具体的な内容など、速やかに事実調査を行ってください。続いて、直属の上長や社内の専門部署にて対応します。改善しない場合は、労働局への相談や労働審判も検討する必要があるでしょう。 上司によるパワハラの問題が起こってしまったら、再発防止に向けて取り組むことも大切です。ハラスメント研修を行うなら「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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逆セクハラとは?問題点や職場での事例、企業の予防策を解説

セクシュアルハラスメント(セクハラ)は一般的に「男性から女性」に対する加害と思われがちですが、「女性から男性」に対する加害でも成立します。このように男性が被害者となるケースは「逆セクハラ」と呼ばれます。特に企業では、女性の上司に男性の部下という立場の違いから生まれるケースも多く、逆セクハラへの対応が急務です。 今回は、逆セクハラの基礎知識や該当する言動の例、企業ができる予防策を解説します。男女問わず働きやすい職場環境を整備するためにも、 人事担当の方はぜひ参考にしてみてください。 目次 01逆セクハラとは? 逆セクハラの意味 逆セクハラの問題点 02逆セクハラの具体的な事例 プライベートに対する発言 露出度の高い服装 過度なボディタッチ 男性らしさを過度に求める発言 体型や外見に対するからかい 03逆セクハラ対策で企業ができること 逆セクハラへの方針を明確にする 相談窓口を設置する ハラスメント防止研修を定期的に実施する 04逆セクハラ対策を講じて男女ともに快適に働ける職場にしよう 逆セクハラとは? セクシュアルハラスメント(セクハラ)という言葉は耳にする機会が多いものの、逆セクハラはあまり馴染みがない方も多いでしょう。そこでまずは、逆セクハラの意味や問題点を解説します。 逆セクハラの意味 逆セクハラとは、女性から男性に対するセクハラを指します。職場では女性の上司が加害者、男性の部下が被害者となるケースが多い傾向にあります。セクハラは性的な嫌がらせの言動の総称で、性別を理由とした差別行為であり人権問題として捉えられています。 本来セクハラは女性・男性を問わず成立するものですが、依然として「セクハラは男性が女性に対して行うもの」という意識が根強いことから、逆セクハラという言葉が生まれました。 逆セクハラの問題点 逆セクハラの問題点として「セクハラの被害者は女性である」というステレオタイプな考え方が浸透しており、被害に遭った男性が言い出しにくい環境になっている点が挙げられます。女性が自覚なく逆セクハラをしている事例も少なくありません。 また、逆セクハラは男女雇用機会均等法に抵触する可能性がある点にも注意が必要です。企業や事業主は、防止措置を怠ると厚生労働大臣から助言や指導、勧告を受ける恐れがあります。勧告に従わないと過料が科されるだけでなく、企業名が公表され、イメージダウンにつながる恐れもあります。 【参考】 e-Gov「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」 目次に戻る 逆セクハラの具体的な事例 社内での逆セクハラ被害を防止するには、企業が「どのような言動が逆セクハラに該当するか」を積極的に発信することが大切です。ここでは、逆セクハラに該当する具体的な行為を解説します。 プライベートに対する発言 プライベートに対する発言は、逆セクハラの典型例です。たとえば「彼女はいるの?」「結婚する予定は?」「休日は何をしているの?」などの発言には気をつける必要があります。 親しい間柄でないにもかかわらず、業務と無関係なプライベートに踏み込んだ発言をすると逆セクハラに該当する可能性があります。 露出度の高い服装 下着が透けて見えるトップスや胸元の開いたブラウス、丈の短いスカートなどの露出度が高い服装は、男性が目のやり場に困ると感じた場合に逆セクハラとなる可能性があります。 就業規則で男性はスーツと定められている企業でも、女性の服装は幅広く規定されているケースが多いため注意が必要です。 過度なボディタッチ 親しくない相手に体を触られると不快な気持ちになるのは男女共通です。女性から男性への過度なボディタッチは、逆セクハラと捉えられる恐れがあります。 性的な目的の有無や触る部位などは関係ありません。指導をする際は適切な距離感を保つよう注意喚起しましょう。 男性らしさを過度に求める発言 ジェンダーバイアスのかかった発言も、不快に感じる方が多い傾向にあります。ジェンダーバイアスとは、性別に対する固定的な考えのことで「女性らしさ」や「男性らしさ」を求める言動です。たとえば、「男なのに体力がない」「男らしい態度を見せなさい」などの発言は、逆セクハラに該当します。 体型や外見に対するからかい 男性の体型や外見をからかう行為は相手を不快な気持ちにさせるだけでなく、逆セクハラと評価される恐れがあります。「最近太った?」「白髪が増えた?」などの発言が代表例です。 目次に戻る 逆セクハラ対策で企業ができること 最後に、企業にできる逆セクハラの対処法をご紹介します。逆セクハラをはじめとしたハラスメントが常態化すると、従業員のモチベーションが低下し、業績の悪化や人材流出などにつながる恐れがあります。こうした事態を防ぐためにも、企業は事前にハラスメント対策を講じ、従業員に周知しましょう。 逆セクハラへの方針を明確にする まずは、企業のトップが逆セクハラに該当する行為を許さない旨をメッセージとして発信し、対応方針を明確にすることが重要です。男性の中には逆セクハラの被害に遭っていることを言い出しにくいと感じている方もいるため、企業が方針を示すことで安心して相談しやすくなります。 メールや社内報で発信するだけでなく、就業規則や労働協約で対応を明文化するのが効果的です。実際に逆セクハラの事案が発生した場合は、ルールの中で厳しく対処しましょう。許されない行為をした場合にどのような処分を受けるのかが明確になり、逆セクハラの周知と抑止につながります。 相談窓口を設置する 逆セクハラが疑われる事例が発生した場合に、従業員が気軽に相談できる窓口を設置して利用を促すと良いでしょう。相談できる場所がないと、逆セクハラに該当するかどうかを従業員が自己判断してしまい、企業が認知する頃には被害が大きくなっている可能性があります。産業医などの専門家を常駐させるのが理想的です。 また、相談窓口を設置する際は、相談者や加害者のプライバシーを保護する措置を講じ、その旨を周知しましょう。相談をした事実やその内容が社内に漏れてしまう心配があると、従業員が窓口を利用しにくくなります。 自社で対応するのが難しい場合は、外部のハラスメント相談窓口を利用するのも一つの方法です。外部の相談窓口は公的な機関のほか、社会保険労務士・行政書士・弁護士などが在籍する法律事務所が提供しています。人によっては社内の相談窓口よりも相談しやすいと感じることがあるため、トラブルの発生を未然に防ぐ上で有効です。 ハラスメント防止研修を定期的に実施する ハラスメント防止研修とは、ハラスメントに関する正しい知識の習得と、職場でのハラスメント防止を目的として実施される研修プログラムです。定期的に実施することで組織全体のハラスメント意識が高まり、職場環境の改善が期待できます。 ハラスメント研修のプログラム策定には、eラーニングシステムの活用がおすすめです。eラーニングシステムとは、教材の作成・配信や受講者の管理、データの蓄積・分析などを一括で行うシステムを指します。外部委託する場合と比較して研修内容を自社に最適化しやすく、より高い効果が見込めます。 目次に戻る 逆セクハラ対策を講じて男女ともに快適に働ける職場にしよう セクハラは「男性から女性」に対する加害と捉えられやすいものの、「女性から男性」に対する逆セクハラも存在します。一般的なセクハラと比較すると認知が進んでいないため、言い出しにくい従業員がいるかもしれません。 社内でハラスメントに関する周知をする際は、「learningBOX ON」のハラスメント研修コンテンツをご活用ください。 「learningBOX ON」は、eラーニング作成・管理システムであるlearningBOXに、企業で必須となる研修コンテンツを簡単に追加することができるサービスです。自社で内製したコンテンツと組み合わせて、オリジナルの学習コースを簡単に設計することができます。 ハラスメント研修やコンプライアンス研修のコンテンツなどを無料で利用できますので、ぜひ社内研修にご活用ください。逆セクハラ防止に向けて積極的に対策を講じ、男女問わず働きやすい職場環境を整えましょう。 ▼こちらもおすすめ!あわせて読みたい 目次に戻る
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