職場で起こるモラハラとは?被害を放置するリスクや具体例、解決方法を紹介
モラルハラスメント(モラハラ)は、各種ハラスメントの中でも定義が難しく、目に見えにくいとされます。そのため、自覚なく加害者や被害者になっているケースも多く、休職や退職をきっかけに発覚するケースも少なくありません。
そのような事態を防ぐには、企業側が積極的に対策を講じ、従業員の労働環境を守ることが必要です。そこで本記事では、職場で起こるモラハラの特徴や具体例、モラハラ防止に向けた対策について解説します。
目次
01職場で発生するモラハラの特徴
職場で起こるモラハラとは?
職場のモラハラを放置するリスク
02職場におけるモラハラの具体的な事例と対処法
職場で起こるモラハラの具体例
職場のモラハラが疑われる場合の対処法
03職場のモラハラ問題の解決方法
職場のモラハラ対策
04職場のモラハラ対策を行い従業員の労働環境を守ろう
職場で発生するモラハラの特徴
モラハラは職場内や家庭内、学校などさまざまな場所で発生し、社会問題となっています。まずは、職場で発生するモラハラの特徴や被害を放置するリスクを確認しましょう。
職場で起こるモラハラとは?
モラハラとは、倫理観を意味する「モラル」と嫌がらせやいじめを意味する「ハラスメント」を組み合わせた言葉です。
職場で発生するモラハラとは、職場での態度や言葉によって相手に精神的な苦痛を与え、その人が仕事を辞めるように仕向ける行為、または就業環境を悪化させる行為を指します。
モラハラに上下関係の有無は関係なく、誰でも被害者・加害者になり得るのが特徴です。自覚なくモラハラの加害者になっているケースも少なくありません。
職場のモラハラを放置するリスク
モラハラが発生しているにもかかわらず防止措置を怠ると、被害者の心理的なストレスが増大し、精神疾患を抱えてしまう可能性があります。具体的には、うつ病・心身症・適応障害・心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを発症し、休職や退職に至るケースも存在します。
モラハラを放置した企業や事業主は職場環境配慮義務違反となり、損害賠償請求などの責任を問われるおそれがあります。企業イメージのダウンによる売上の低下、離職者の増加、人材難などに発展するリスクもあるでしょう。モラハラの行為者が、侮辱罪や名誉毀損罪など罪に問われた事例もあります。
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職場におけるモラハラの具体的な事例と対処法
職場でのモラハラが常態化すると、生産性やモチベーションの低下、人材流出などにつながります。疑わしい事例が報告されたら、速やかに原因を把握し、対策を講じましょう。
職場で起こるモラハラの具体例
精神的苦痛を与える攻撃は、職場で起こるモラハラの代表例です。具体的には、容姿や人間性の否定、家族への悪口、長時間の叱責、私的な雑用の押し付け、不当な人事評価、降格やリストラの示唆などが該当します。
他には、人間関係からの切り離しや特定の従業員を孤立させる行為もモラハラに該当します。例えば、理由の説明がない仕事外しや不利益なうわさの流布、無視、社内イベントからの排除などが典型的です。
プライベートへの過剰な干渉もモラハラと見なされます。具体的には、休日や休暇中の従業員に対するしつような連絡、嫌がる相手へのプライベートの詮索、プライベートな事柄の周囲への言いふらしといった行為です。
職場のモラハラが疑われる場合の対処法
職場でモラハラが疑われる事案が発生した場合は、プライバシーを確保できる相談窓口で、産業医などの専門家を中心に対応するのが基本です。
モラハラは、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントと異なり明確な定義がなく、判断が難しいとされます。被害者だけでなく加害者や第三者へのヒアリングも行い、事実確認をする必要があります。その際は、ハラスメント行為を記録した証拠が残っていると事実確認がしやすくなります。メールやチャットの文面、ICレコーダーの録音、同僚の証言などが残っていると効果的です。
社内での解決が難しい場合は外部機関への相談を検討するのがおすすめです。顧問先の法律事務所などがあれば、速やかに連絡を取り対応してもらいましょう。
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職場のモラハラ問題の解決方法
最後に、職場で起きたモラハラ問題の相談先や対策について解説します。大企業では2020年6月1日、中小企業では2022年4月1日からパワーハラスメント対策が義務化されました。
モラハラからパワーハラスメントに至るケースもあるため、懲戒制度の策定や社内体制の整備などを通して、労働者が安心して働ける職場環境を整えましょう。
職場のモラハラ対策
会社方針の明確化
職場のモラハラを未然に防ぐには、企業がモラハラを許さない旨を明確にすることが重要です。具体的には、モラハラに対する方針を就業規則や労働協約に明記し、従業員への周知・啓蒙(けいもう)活動に取り組みましょう。
モラハラは階級や性別に関係なく発生しうるため、対象を管理職やリーダーに限定せず、全従業員へ周知する必要があります。また、加害者に対する懲戒規定も整備しておくと良いでしょう。
相談窓口の設置
ハラスメント防止措置として相談窓口を設置し、労働者に周知するのも有効な方法です。悩みを抱えた従業員が早い段階で相談できるよう、利用案内のポスターを作成したり労働組合と協力したりしましょう。
また積極的な利用を推進するには、相談者のプライバシーを保護し、相談した事実を理由に不当な取り扱いをしない旨を周知することも求められます。
社内の調査体制の整備
ハラスメント対策には問題が生じた場合に備えて、社内の調査体制を整備することも含まれます。相談が寄せられた際に速やかに事実確認を行い、行為者の処分や再発防止策を講じると、従業員が安心して働けるようになります。
ハラスメント研修の実施
職場のモラハラ対策にはハラスメント研修を実施するのも有効です。ハラスメントに対する企業のスタンスを社内に浸透でき、繰り返し実施することでハラスメントの正しい知識の習得や問題の早期発見につながります。
ハラスメント研修の実施方法は、主に内製化と外部委託の2種類があります。eラーニングシステムを活用すれば研修内容を自社に最適化でき、外部委託と比較してコストを抑えられるためおすすめです。
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職場のモラハラ対策を行い従業員の労働環境を守ろう
モラハラをはじめとしたハラスメント対策の重要性は理解しているものの、対応が後手に回ってしまっている企業も少なくありません。これを機に対策に取り組み、従業員の安心・安全な労働環境を守りましょう。
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